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バロンズ誌:利上げ局面を迎え、2015年の米株はどうなる?

Barron’s : Will The Stock Market Get Hurt When The Fed Finally Starts To Raise Rates?

今年最後のバロンズ誌、特集はおススメ銘柄10選です。2014年に選んだアップルやインテルなど10銘柄は、バリック・ゴールドがアンダーパフォームした程度で、S&P500構成銘柄のリターン15.7%を上回る18.1%を叩き出していました。気になる今年のイチ押しは、以下の通り。

ゼネラル・モーターズ(GM)
バンク・オブ・アメリカ(BAC)
ボーイング(BA)
アメリカン航空(AAL)
マイクロン・テクノロジー(MU)
グーグル(GOOGL)
ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)
メイシーズ(M)
フルーア(FLR)
ギリアド・サイエンシズ(GILD)

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォールストリートは、ランダル・フォーサイス氏が年末休暇のため代打にジョナサン・レイン氏が執筆しています。テーマは、2015年マーケット見通し。ダウ平均が年末に滑り込みで18000ドルの大台を突破したおかげで、2009年からの上げ幅を175%へ広げてきました。S&P500は年初来で52回目の最高値更新で取引を終え、債券相場もインフレを上回るリターンを達成。2015年を迎えるにあたり、一点の曇りもないようにみえます。米7−9月期国内総生産(GDP)確報値が5%と約11年ぶりの水準へ躍進し、コアPCEが1.4%にとどまり、原油先物が40%以上も下落し、2015年に開始が予想される米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げが25bpずつであれば、なおさらです。

S&P500(週足、2年間)、10月に落ち込んだものの右肩上がりを維持。
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(出所:Stockcharts)

6900億ドルもの債券運用資産を誇るブラックロックの最高投資責任者(CIO)、リック・リーダー氏は原油安が景気刺激策として消費と雇用に影響を及ぼすとし、失業率は足元の5.8%から2015年末に5.5%へ低下すると予想しています。その一方で原油安のほかやインターネットなど技術革新の恩恵からインフレが抑制的なおかげで景気も過熱せず、企業の利益率は生産性とテクノロジーの進化のほか低金利もあって上昇を続け、日銀や欧州中央銀行(ECB)の緩和策で米国をはじめ世界の長期金利が低推移を維持する見通し。つまりは、米株・米債市場に楽観的スタンスなんですね。

楽観論に水を差すのが、長期停滞論。例えば、労働参加率は2000年の67%から2014年11月までに62.8%へ低下してきました。理由としては 1)ベビーブーマー世代の引退、2)濫用が問題視される障害者保険受給者の増加、3)スキルアップを目指す高等教育希望者の増加——が挙げられます。JPモルガン・アセット・マネジメントのデビッド・ケリー氏、ハナ・アンダーソン氏は他に、前科者の増加を指摘。犯罪歴を抱える人々の割合は1991年の13%から2012年に22%へ急伸しており、社会復帰できず労働参加率を押し下げていると考えています。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのジェームズ・ポールセン米主席ストラテジストは、労働市場のたるみが急速に縮小したために賃上げが加速すると予想。製造業・非管理職の時間当たり賃金は2013年10月に前年比1.28%の上昇に過ぎなかったところ、8月には2.48%へ加速した例があります。

ポールセン氏は、1955年まで遡るFedの利上げサイクルを検証した上で「2015年の米株市場には乱高下のリスクが横たわる」とも警告を発しています。Fedが利上げする局面で、株価収益率(PER)は低下してきました。ただ大抵の場合、利上げは景気拡大期に行われてきたためPERの低下を利益の伸びが打ち消すかたちで株価上昇につなげてきたといいます。

ところが今回、利上げは景気回復サイクルに遅れて実施していくために一段の利益率改善は難しく「2015年は停滞するか、あるいは15−20%もの目まぐるしい下落を迎える場合もありうる」のだとか。

前回の利上げ過程では2004年6月から2年にわたり25bpずつ、1%から5.25%まで緩やかに引き上げていきました。結果、2007−09年の世界的な金融危機を招いた忌まわしい「実績」があります。今回も、同じ過ちを犯すのでしょうか。元市場関係者いわく「Fedは再び、ビハインド・ザ・カーブに陥る」。2004年6月に第1弾の利上げを決断する6ヵ月前、失業率は現在の5.8%とほぼ同水準だったものの、コア消費者物価指数(CPI)は現在1.7%で当時の1.1%よりずっと高い水準にあるためです。賃上げがインフレを押し上げれば、さらに状況を悪化させかねません。

バロンズ誌のアップ・アンド・ダウン・ウォールストリートは、年末最終号まで慎重なトーンを崩しませんでした。

ストリートワイズも、PERに注目し楽観的なスタンスを後退させています。足元、S&P500のPERは17倍。1999年当時の30倍を大きく下回るとはいえ、同指数が時価総額加重平均型でエクソン・モービルのような大型株が12倍と足を引っ張っているためで、中央値でみると21倍へ上昇するんですね。ルースホールド・グループのストラテジスト、ダグ・ラムジー氏は「構成銘柄のうち35%が割安だった2000年当時と異なり、足元は25%が割高」と警鐘を鳴らします。割高だからといって必ずしも株価が下落すると言い切れませんが、不測の事態が起これば砂上の楼閣のように崩れるリスクをはらむ——珍しく、ストリートワイズも弱気寄りで締め括っておりました。

(カバー写真:Money and matters)

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