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ナショナリズムと民主主義:世界史からみた2014年(中)

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しになりますが、ウクライナが東西の陣取り合戦の場であった、言い換えれば正/悪で単純に色分けできないものだったということです。そこで「普遍的な価値としての民主主義」を持ち出すことで、米国はウクライナへの関与を正当化するだけでなく、暗黙のうちにロシアを「異端」と扱うことになりました。ここにロシアと、もともとウクライナ国内でウクライナ人と摩擦を抱えていたロシア系人の間で、「弁舌の達者な欧米諸国がウクライナをもっていく」という危機感がピークに達し、従来からのナショナリズムが爆発的に高まったとしても、不思議ではありません。それはちょうど、帝政末期のロシアで、ローマ・カトリックの宣教師が上流階級の貴婦人たちを次々とロシア正教から改宗させる様子を、トルストイが苦々しくみていたのと同じです。ウクライナ危機からは、近代以来「都会的で洗練された西欧にしてやられてきた」ことへの反動としてロシアで蓄積されてきた「純朴な農村的スラブ」としてのナショナリズムが、民主主義を掲げる欧米諸国のアプローチによって加熱した様相をうかがえるといえるでしょう。

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ナショナリズムと民主主義:世界史からみた2014年(上 ※Yahoo!ニュースからの転載

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