記事
- 2011年03月10日 19:37
わずかに下方修正された10-12月期GDP統計2次QEは過去の数字か?
2/2
さらに、需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列の前期比成長率に対する寄与度で、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された10-12月期の最新データでは赤い棒グラフの民間消費や黄色の公的需要がマイナスの寄与を示していることが読み取れます。
画像を見る
今日発表の2次QEは1次QEからの修正幅が極めて小幅だったこともあり、完全に過去の数字と受け止められています。最大の根拠は、引用した報道に見られる通り、1-3月期にはプラス成長に転換し、今年の年央以降は再び景気回復軌道に復帰する、と多くのエコノミストが考えているからです。もっとも、私は前段の「1-3月期はプラス成長」というのには疑問を持っていて、輸出や生産に着目するだけでなく、消費に注目すれば1-3月期もまだまだマイナス成長を続ける可能性が十分残されていると受け止めています。もちろん、後段の「年央以降は景気回復軌道に復帰」については私も同感です。昨年10-12月期に続いて今年の1-3月期もマイナス成長だからと言って、いわゆる「2四半期連続のマイナス成長に基づく暫定リセッション認定の可能性」はまったく的外れであると考えるべきです。
先行きのリスクは、下振れ・上振れともに考えられ、下振れの方は第1に商品市況の高騰です。そうでなくても力強さに欠ける消費にさらに冷や水を浴びせるだけでなく、昨夜のエントリーで論じたように、より資源集約度の高い産業構造を有する新興国の景気減速を通じた日本経済へのダメージも決して無視できません。なお、商品市況高騰の原因として注目すべき要因として、中東などにおける地政学的なリスクとともに、新興国における景気過熱も一因となる可能性を見逃すべきではありません。第2に我が国の政情不安です。海外論調を見ている限り、リビアと日本の政権はどちらが先に倒れるか分からない、といった趣旨の報道すら一部に見受けられなくもありません。もちろん、政権がどうこうと私は思いませんが、予算関連法案の中には、もしも可決されないと、経済的なインパクトの小さくないものも含まれています。他方、上振れする可能性もゼロではありません。消費の動向次第です。決してサステイナブルではありませんが、家電エコポイント終了の3月末に向けた駆込み、7月の地デジ完全移行の際の駆込みはいずれも考えられますし、景気ウォッチャー調査に見られる国民マインドはかなり高まっていますから、スマートフォンに続いていくつかヒット商品が現れれば、いわゆる「節約疲れ」の反動が出ないとも限らず、何かのきっかけとともに消費が上向く可能性は決して小さくありません。
上振れ・下振れのいずれの目が出るにせよ、あるいは、基本シナリオ通りになるにせよ、今日発表のGDP統計2次QEは過去の数字と受け止められているように私には見受けられます。アナリストの相場観やエコノミストの景況感には特に影響はないと考えるべきです。
画像を見る
今日発表の2次QEは1次QEからの修正幅が極めて小幅だったこともあり、完全に過去の数字と受け止められています。最大の根拠は、引用した報道に見られる通り、1-3月期にはプラス成長に転換し、今年の年央以降は再び景気回復軌道に復帰する、と多くのエコノミストが考えているからです。もっとも、私は前段の「1-3月期はプラス成長」というのには疑問を持っていて、輸出や生産に着目するだけでなく、消費に注目すれば1-3月期もまだまだマイナス成長を続ける可能性が十分残されていると受け止めています。もちろん、後段の「年央以降は景気回復軌道に復帰」については私も同感です。昨年10-12月期に続いて今年の1-3月期もマイナス成長だからと言って、いわゆる「2四半期連続のマイナス成長に基づく暫定リセッション認定の可能性」はまったく的外れであると考えるべきです。
先行きのリスクは、下振れ・上振れともに考えられ、下振れの方は第1に商品市況の高騰です。そうでなくても力強さに欠ける消費にさらに冷や水を浴びせるだけでなく、昨夜のエントリーで論じたように、より資源集約度の高い産業構造を有する新興国の景気減速を通じた日本経済へのダメージも決して無視できません。なお、商品市況高騰の原因として注目すべき要因として、中東などにおける地政学的なリスクとともに、新興国における景気過熱も一因となる可能性を見逃すべきではありません。第2に我が国の政情不安です。海外論調を見ている限り、リビアと日本の政権はどちらが先に倒れるか分からない、といった趣旨の報道すら一部に見受けられなくもありません。もちろん、政権がどうこうと私は思いませんが、予算関連法案の中には、もしも可決されないと、経済的なインパクトの小さくないものも含まれています。他方、上振れする可能性もゼロではありません。消費の動向次第です。決してサステイナブルではありませんが、家電エコポイント終了の3月末に向けた駆込み、7月の地デジ完全移行の際の駆込みはいずれも考えられますし、景気ウォッチャー調査に見られる国民マインドはかなり高まっていますから、スマートフォンに続いていくつかヒット商品が現れれば、いわゆる「節約疲れ」の反動が出ないとも限らず、何かのきっかけとともに消費が上向く可能性は決して小さくありません。
上振れ・下振れのいずれの目が出るにせよ、あるいは、基本シナリオ通りになるにせよ、今日発表のGDP統計2次QEは過去の数字と受け止められているように私には見受けられます。アナリストの相場観やエコノミストの景況感には特に影響はないと考えるべきです。



