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東北電力・東通原子力発電所 ~ “活断層でないとは言えない”って、原子力規制委・有識者会合は有識なのか???

 既に各紙などで報じられているが、今日の原子力規制委員会「東北電力東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 第12回評価会合」において、同有識者会合は東通原発(青森県)の敷地内に活断層がある可能性を否定できないとの見解で一致したとのこと。

 最初にこの情報が私のツイッターに流れてきたのは午後の共同通信ネット記事で、そこには「東通原発の断層に関する原子力規制委調査団は、主要断層の活動性はないとは言えないとの案でおおむね一致」と書かれていた。この有識者会合は、日本原子力発電・敦賀原発2号機の敷地内破砕帯の調査に関しても言えることなのだが、「・・・可能性は否定できない」だの、「・・・ないとは言えない」だの、とにかく断定しない論調が多い。

 今日の会合で提示された「東北電力株式会社東通原子力発電所敷地内破砕帯の評価について(案)」を読むと、愕然としてしまう。これはとても科学的な評価とは言えない。

 こんなことでは、日本の原子力規制も原子力規制委員会も、内外から信用を得ることはできないのではないか。このような結論で大量の低廉安定電力を産み出す東通原発の存続の可否を決したら、日本の原子力規制を信ずる国は日本自身も含めて無くなるだろう。 

 ところで、東北電力も、女川原発1~3号機(計217.4万kW)と東通原発1号機(110万kW)が停止させられ続けている。主にLNG火力発電の追加燃料費等が嵩んでおり、2013年9月1日に値上げした。この時は、東通1号機が2015年7月に再稼働する前提で、家庭用は8.94%、産業用は15.24%の値上げ幅であった。女川再稼働は2016年度以降を見込んでいる。

 震災前に比べて、この値上げ分(追加燃料費等)は予定外の出費である。ではいったいどのくらいの金額に上るのか、公開資料(☆)を素に試算してみたい。  震災前2010年度の燃料費等と、前回値上げ認可時の原価(算定期間:2013~15年度)の燃料費等を比較する。そして、その金額の差(追加燃料費等)を、女川・東通の年間稼働日数(365日×稼働率)で割ることで、1日当たりの追加燃料費が算定される。

 1年間の追加燃料費等 = 2013~15年度平均の燃料費等 - 2010年度の燃料費等                  = 約8,625億円 - 約7,112億円 = 約1,513億円

 1日当たりの追加燃料費等 = 1年間の追加燃料費等 ÷(365日×稼働率)  = 約1,513億円÷(365日×(女川65.6%×217.4万kW+東通85.1%×110万kW)÷(217.4万kW+110万kW))  =  約5.75億円/日

 これは、東北電力の需要家のおカネが「1日6億円」も予定外に海外の資源国に流出していることに他ならない。政府は、こんなことをいつまで続ける気なのだろうか?

<☆:参照した公開資料>
○女川・東通の設備利用率http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/data/3_c.html
○東北電力の燃料費http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/__icsFiles/afieldfile/2013/08/06/130806_gaiyou.pdf

 因みに、東通1号機が震災前5ヶ年平均稼働率(2006~2010年平均で78.86%)から米国並みの稼働率90%()で稼働するとなれば、

   原子力発電量 : 110万kW × 24h × 365日 × 〔稼働率78.86%~90%〕 = 75.99~86.72億kWh/年
   原子力燃料費の増額分 : 12億円 × (〔75.99~86.72〕億kWh ÷ 23億kWh) = 39.65~45.26億円

 この原子力発電量(〔75.99~86.72〕億kWh/年)が、2013~15年度平均のガス発電量(293億kWh、3,169億円)に代替できるとなれば、

   ガス発電費用の減額分 = 3,169億円 × (〔75.99~86.72〕億kWh ÷ 293億kWh)
                  = 821.89~937.93億円

 よって、全体の減額分(利益増効果)は、
   ガス発電費用の減額分-原子力燃料費の増額分=〔821.89~937.93〕億円-〔39.65~45.26〕億円
                                  =782~893億円

 東通1号機は、将来的に年間780~890億円の輸入燃料費の節減効果を産み出す。これは国富の温存そのものだ。安倍政権は、原子力規制委員会の規制運用を早期に改善し、一刻も早い発電再開を容認すべきだ。安倍首相がその旨を会見するだけで十分である。原発停止は、アベノミクスの最大の足枷の一つとなっている。

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