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ペヤングの販売休止でなぜか「被害者」が炎上 「ネット告発」をする際に注意すべきことは? - 田中 結 (プレスラボ)

人気商品「ペヤング」にまさか!ペヤング暴騰にまで発展した混入騒動

 カップ焼きそばの「ペヤング」に虫が混入していたとして、製造元のまるか食品は当面の間、販売中止することを発表した。

 混入が発覚したきっかけは、商品購入者がツイッターに「ペヤングからゴキブリ出てきた」というコメントとともにアップしたフライ麺の中に大きな虫が入り込んでいる写真。このツイートは瞬く間に拡散され、「ペヤングもう食えねえ」「ペヤング終わったな」などの声が多数あがった。人気商品だっただけに人々に与えたショックも大きかったようだ。

 まるか食品が混入経路を調査したところ、工場での製造工程で混入した可能性が高いとの結果になり、ペヤング全商品の生産を自粛。当面は販売中止せざるをえなくなった。ロングセラー商品だったこともあり、販売中止を嘆くペヤングファンが続出。店頭からペヤングが姿を消すと、ネットオークションに「ペヤング」が出品され価格が高騰するという事態に。通常の販売価格だと2000円台の「ペヤング超大盛やきそば 1ケース」が、1万円以上の値段になることもあった。

 混入していたものがゴキブリだったという話題性に、ペヤングファンたちの悲しむ声が合わさり、ここまで大きな話題になったようだ。この話題は販売中止というオチでは終わらず、違う方向にも広がっていった。

 件の被害者である「混入写真をアップしたツイッターユーザー」が叩かれはじめたのである。このユーザーは某大学の男子学生。過去ツイートではペヤングを大量にストックしている様子もうかがえ、ペヤングを日頃からよく食べていたと思われる。男子学生のツイッターには、「本当に(虫が)入っていたのか」「画像はねつ造なのでは」「あなたのせいで(販売中止になった)」などのクレームが殺到。『週刊文春』は彼の食生活を「仰天食生活」として取り上げた。

 男子学生は「この件は事実です。そのような意見や疑問が出ることも理解はできますが人並みに傷つきます」とツイートし、その後ツイッターのアカウントを削除した。インターネットの「誰でも発言できる」機能が逆効果となり、告発者が探し出され叩かれる。「不祥事があってもペヤングを支持し続ける」という意見も多く、ペヤングというブランドにファンが多かったという理由もあるかもしれない。

カビ入りケーキを告発した女子高生 彼女が叩かれた原因とは?

 ペヤングの虫混入事件と同じ時期、商品購入者がツイッターで「カビ入りケーキ」を告発した例もある。ある女子高生が、不二家で購入したホールケーキを切り分ける際、スポンジの底に緑色の塊を発見し、写真に撮ってアップした。女子高生は「誕生日にカビ入りケーキって。電話したら平社員みたいなのが来た。ケーキと500円券じゃどーにもなりませんよ(笑)」などと企業の対応も書き添えていた。

 このツイートに対し他ユーザーからは同情の声もあったが、「カビに見えない」「そのケーキが本当に不二家のケーキだという証拠は?」と、女子高生を責めるような意見も多かった。また、「消す事をお勧めするよ ペヤングの件みたいに拡散されて、大変なことになるよ」というアドバイスも。この女子高生はその後、ツイッターをアカウントごと削除した。ちなみに、不二家は同じ日に同じ店舗に対して同様のクレームが2件あったこと、スポンジの変色について第三者機関で調査すること、当該店舗での当面の製造中止、商品回収などを発表(http://www.fujiya-peko.co.jp/pdf/release20141217_1.pdf)した。

 ツイッターなどネット上は、一個人でも企業の不祥事を告発できるという利点もあるが、その真意を確かめるのは難しい。また、発言主に他の一個人が群がって叩くこともできるというリスクも持っている。自分がトラブルに遭遇したときや憤りを感じたとき、安易に文句を書き込むと逆に痛い目に遭うかもしれないと考えておかなければいけないようだ。

 告発者がなぜ叩かれているのか理由を探るため、叩いている人の意見を集めてみると「企業を陥れようとしてねつ造画像を作った可能性もある」「企業にクレームを入れれば済む話なのに、わざわざSNSにアップするのはただの目立ちたがり」「虫なんて深刻な健康被害はないのだから、工場が停止して働けなくなった従業員などのほうがかわいそう」というのが主だった。告発者を叩く風潮が強くなると「思いつきさえ発言できなくなってしまう」と心配する意見もあがった。「注意喚起が目的なら、いつどこで購入したのか、発見した経緯、社員の対応を書いてほしい。これがないから、写真の信憑性が疑われるのでは」と、情報の不足を指摘する声もある。

 SNSで告発する側も、それを受け取る側も、冷静になることが求められていると感じるが、それだけSNSが普及し、影響力が大きくなっているとも言えるだろう。

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