こんにちは、ソーシャルメディアラボの渕上です。
2014年もあと10日ほど。今年もソーシャルメディア界隈ではいろんな出来事がありましたね。もはやインターネットでニュースを読むのは当たり前になり、あらゆる情報の収集をインターネットに頼っている方も多いのではないかと思います。
さて、皆さんは今年、自分の欲しい情報を収集するためにどのような方法を選んだでしょうか?
- ■目次
メディアのトレンドは水平から垂直に!
1.情報収集は「検索」から「キュレーション」へ
2.これからのトレンドはバーティカルメディア!
3.成功しているバーティカルメディアを分析してみる
4.バーティカルメディアは忍耐のメディア
5.広告という収益モデルとの相性の良さ
6.成功するメディアとは?
情報収集は「検索」から「キュレーション」へ
2012年くらいまでは「Googleで検索してるよ」という方がほとんどだったかもしれません。しかし2014年も末の今、同じ質問をして返ってくるのは、安定のYahoo!ニュースに続いて「グノシー」「SmartNews(スマートニュース)」「NewsPicks(ニューズピックス)」といったニュースキュレーションアプリではないでしょうか。
キュレーションという言葉がIT業界に流布し始めたのは2010~2011年頃と言われています。
それから3年ほど経った今、ゴールデンタイムのテレビCMでこれらのニュースキュレーションアプリを見かける程に一般層への認知度を高め、この言葉も随分と根付いた感がありますね。
優良なキュレーションメディアには『価値』がある
そんな中、業界を大きく揺るがした出来事が10月1日にありました。急成長を遂げているキュレーションメディア「iemo(イエモ)」と「MERY(メリー)」が、IT企業大手の株式会社ディー・エヌ・エーに50億円という破格の値で買収された件です。参考記事:DeNAがiemoとMERYの2社を計50億円で買収、キュレーション事業に参入
これからのトレンドはバーティカルメディア!
玉石混交な情報を人の手によって(あるいはアルゴリズムを備えたロボットによって)キュレーションしたものがコンテンツである「キュレーションメディア」は、いわゆる一次情報が著しく少なくなりがち。そんな中、注目を集めているのが領域特化型=バーティカルメディアです。
ではバーティカルメディアとはどういったものを指すのでしょうか?実際のメディアを例を出しながら解説していきましょう。
【グルメニュース】特化型:macaroni(マカロニ)
リンク先を見るグルメのニュースキュレーションメディア『マカロニ』。
前述のiemoのようなサイトデザインで、とにかく写真が美しいのが特徴。「グルメ」であれば外食・家食を問わず幅広く取り扱っています。
メニューやレシピの紹介だけでなく、人気店・新店、イベントのレポートなど「グルメ」に関係したコンテンツが豊富で、利用者の9割近くが女性ユーザーであることが納得のクオリティですね。
【サッカー動画】特化型:socsoc(サクサク)
リンク先を見る国内外で行われたサッカーの試合動画から、神業プレーやハプニング、感動ネタなどをキュレーションしたメディア。サイトの構成はとてもシンプルで、いわゆるバイラルメディアに近い位置付けになるかと思います。
サッカーが好きな30代上がユーザーの中心であり、シンプルでわかりやすい神業動画や心に刺さるキャプテンの言葉といった、ソーシャルメディアでシェアされやすいコンテンツがヒットし、今年9月1日のローンチから1ヶ月で100万PVを叩きだしたことがニュースにもなりましたね。
【ニッチなニュース】特化型:カメリオ
リンク先を見るいわゆるニュースキュレーションアプリの系統ではありますが、こういったサービスでは基本的に「政治」「エンタメ」「経済」といった大カテゴリをフォローすることが多いのに対し、カメリオは「iPhone6」「エボラ出血熱」「スニーカー」といった小さなカテゴリでフォローすることができます。
閲覧履歴などからユーザーの嗜好も理解していく機能も付いていますが、カメリオは「自分好みのニッチなニュース」をバーティカルにキュレーションしてくれるメディアと言えるかもしれません。
【オタクコンテンツ】特化型:ハッカドール(Hacka Doll)
リンク先を見る今までありそうでなかった、「アニメ」「ボーカロイド」「声優」といったオタクコンテンツに特化したキュレーションアプリ。興味のあるテーマを登録することで、ユーザーの好みにあった記事をキュレーションし配信してくれるサービスです。嗜好を分析する機能もあり、使えば使うほどユーザーを理解していくようになります。
おもしろいのは、アプリ内で秘書的な役目をする女の子のキャラクターとコミュニケーションが取れるところ。積極的にコミュニケーションを図ることで記事選出がより良くなっていくのは、オタク心理を見事に突いたシステムですね。
成功しているバーティカルメディアを分析してみる
いかがでしょう?何となくバーティカルメディアがどんなものか掴んでいただけたのではないでしょうか。しかし当然ながらバーティカルメディアのすべてが成功しているわけではありません。次に、オリジナルコンテンツの質を磨いて輝きを放っている2つのメディアを深く掘り下げて分析してみたいと思います。
ひとつは前述の「住」に特化したバーティカルメディア「iemo」。もうひとつはレシピ検索に特化した「クックパッド」です。