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日銀「展望リポート」に見る驚くべき強気の物価見通し

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上の表の明らかな特徴として、成長率が今年7月の時点からかなり下方修正された一方で、物価見通しはほぼ7月調査を踏襲し、もしくは上方改定されている部分すら見かけます。すなわち、成長率見通しは「こんなもん」という気がしないでもない一方で、私は余りに強気の物価予想にあ然としています。繰返しになりますが、成長率が下方修正されたにもかかわらず、物価見通しはほぼ維持されたので、やや世間の考えとズレを生じた可能性があると見るべきです。例えば、経済企画協会が実施しているESPフォーキャスト調査の10月調査結果では、生鮮食品を除くコア消費者物価の上昇率は、エコノミストの予想値の平均で2010年度▲0.90%、2011年度▲0.17%の後、2012年度になって+0.21%となり、四半期別では2012年1-3月期まで前年同期比でマイナスを続けると予想されていますが、日銀政策委員の大勢は2011年度中にプラスに転ずると考えていることから、私を含む世間一般のエコノミストの予想とのかい離が生じています。報道ベースでは、2012年度になってもコア消費者物価上昇率は1%に達することなく、現在の白川総裁の任期中にゼロ金利を解除することは難しい、といった論調が見られるんですが、市場の受止めは全く反対で、場合によっては、カギカッコ付きで「過激に物価が上昇するシナリオ」と受け止める向きもある可能性を考慮すべきです。少なくとも、期待に働きかける時間軸効果がグッと短くなった印象を私は持っています。10月5日付けのエントリーで前回の日銀金融政策決定会合の「包括的な金融緩和政策」の実施についてを取り上げた際に、「金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検」というただし書きから、時間軸コミットメントに大きな疑問を呈しましたが、ますます、「やっぱり、日銀は早めに金利引上げに走る」可能性が高まった、とより多くのエコノミストや市場関係者は受け止めるんではないかと私は想像しています。私と同じ視点を提供しているのはみずほ総研のリポート「金融政策決定会合(2010/10/28)の評価 - 政策効果を減殺しかねない強気の物価見通しに疑問 -」です。

最後に、ひとつだけ期待を持って私が見ているのは、11月4-5日に次回の金融政策決定会合を前倒し開催することを決めた点です。もちろん、米国の連邦準備制度理事会 (FED) の連邦公開市場委員会 (FOMC) が11月2-3日に開催されることを受けて機動的な政策対応を行うための前倒しなんですが、今日の総裁記者会見でも質問されているような諸点、すなわち、長期国債の買切り枠の拡大がなされるかどうか、マチュアリティのより長い2年以上国債の買取りに踏み込むかどうか、などの点に注目したいと考えています。

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