- 2014年12月18日 10:07
欧米のスタートアップ起業家が語るアジアの現状
5/5TNW: どのようなクライアントを抱えており、また、クライアントが多く存在する地域はどこですか?
ロブ・ゼペダ: クライアントは全てタイの大企業です。現在、タイの複数の大手銀行、電話会社、小売業者をクライアントに抱えています。シンガポールとマレーシアでも、事業を展開しており、間もなく、この地域でも大きな企業に製品を購入してもらえそうです。
ターゲットのマーケットはアジアの企業であり、今後もアジアのクライアントを増やしていくつもりです。しかし、マーケットの需要が大きいため、アジア以外の地域にも製品の一部を売り込む計画を立てています。
TNW: アメリカで事業を運営することが出来たと思いますか?可能であったなら、どのようなことに魅力を感じて、アジアで会社を経営しているのですか?
ロブ・ゼペダ: 既に米国では、複数のゲーミフィケーションのプラットフォームが確固たる地位を確立していますが、アジアでビジネスを運営する最大の面白さは、消費者の特徴にあります。アジアの消費者は、ソーシャルメディアとモバイルデバイスを多用し、ゲームに熱中し、若者の層が多く、新しいことを積極的に試します。Playbasisのようなスタートアップにとって、これは素晴らしい環境だと言えます。事実、ゲーミフィケーションのコンセプトは、タイの消費者に幅広く受け入れられています。
スマートフォンの浸透率が順調に伸び、ローカライズされた製品とサービスが求められており、タイは、Playbasisにとって最高のマーケットなのです。
アジアで偶然大成功を収めたアメリカの企業もあれば、西洋では成功しているものの、アジアのマーケットでは苦戦している企業もあります。 どちらのケースにおいても、地元のオーディエンスに製品を合わせれば、成功する可能性は大幅に増えます。また、反対に、多くの典型的なアジア生まれの機能やイノベーション(ステッカー、バーチャル通貨等)が西洋社会に進出しています。このように、アジアでは興味深い現象が起き始めています。
TNW: 地元の人材を採用する際に問題に直面したことはありましたか?海外の人材も採用していますか?タイに迎える上で、あるいは、本国を去る点を納得してもらう上で、苦労したことはありましたか?
ロブ・ゼペダ: かつて、有望な卒業生が、大きな、有名な企業にほぼ自動的に就職していた時代、あるいは、 家族が経営する会社を継いでいた時代がありました。しかし、時代は変わり、ある程度軌道に乗っていることが条件ですが、スタートアップが優秀な人物を引き寄せられるようになりました。最初の数名を採用するのは、今でも大変です。雇用される側は、企業の価値ではなく、報酬を重視します(リーンスタートアップの弱点)。しかし、一般的な意見ですが、誰もが格好良い仕事を求めています。また、スタートアップ業界で活躍する人達の大半は愛着の少ない、若い世代であり、年を重ねた落ち着いた人達よりも、リスクを取る余裕を持っています。
確実に、アジアに活躍の場を見出す海外の人材は増えており、エコシステム全体に大きな影響を与えています。経済が停滞し、機会が枯渇しているヨーロッパ等の地域から、アジアに機会を求めて若い人材が押し寄せているのです。私達の会社の従業員の多くはタイ人ですが、ヨーロッパ出身の社員も数名いますし、私自身もカリフォルニア出身です。
TNW: アジアで事業を運営する主な欠点を教えて下さい。
ロブ・ゼペダ: 当然、タイで営業をすることで発生する問題もあります。例えば、政情が安定していないことです。しかし、大方、西洋のメディアは事実を誇張して報道しています。言語も障害になり得ますが、ビジネス、そして、スタートアップの世界では英語が幅広く用いられています。もちろん、特定の業界には規制がかけられ、海外の起業家が立ち入ることが出来ない聖域もあります。
一部のマーケットでは、クレジットカードの浸透率が今でも低く、また、誰もがスマートフォンで3Gや4Gのデータプランを契約しているわけではありません。しかし、このような問題は全て対応可能であり、毎年状況は改善されています。
TNW: 事業を、アジア、アメリカ、または、別の地域に拡大する予定はりますか?
ロブ・ゼペダ: Playbasisはアジア太平洋地区に力を入れています。たとえ中国とインドを除外しても、大きな市場だと言えます。ヨーロッパと米国に大々的に進出するとは思いませんが、可能性はゼロではありません。Playbasisの企業の顧客は、多国籍のグローバルな大企業である点を考慮すると、東京、ソウル、香港、そして、シドニーへの進出は理にかなっていると言えます。事実、次回リリースする開発者プラットフォームに関しては、世界展開していきます。
TNW: アジアにビジネスを移すことを考えているファウンダーに、あるいは、アジアで事業を始めようとしているファウンダーに、どんなアドバイスを送りますか?
このアドバイスが全てのスタートアップに当てはまるとは思えませんが、消費者を対象とするスタートアップにとって、アジアは恐らく世界で一番重要な地域であり、消費者の行動と文化面のニュアンスを理解することは、成功する上で絶対に必要です。
まさにこの理由で私は4年前アジアにやって来ました。私にとって人生で最高の決断でした。アジアのマーケットは規模が大きく、ユーザー一人当たりの収益は低いですが、ユーザー獲得にかかるコストも低い傾向が見られます(発展した一部の国々を除く)。その結果、サービスを賢く収益化する方法を解明すれば、大きな利益を得られるのです。
スタートアップを運営し、初期のユーザーベースを獲得する取り組みに関して、タイのような場所はコスト効率の面で有利です。この地域のユーザーを収益化するためには、フリーミアムモデルを採用し、パートナーとスポンサーを探し、バーチャル通貨やバーチャルグッズの導入等を巧みに実施する必要があります。このような技術は、米国やヨーロッパ出身の起業家にとっては盲点ではありますが、アジアで成功を抑える上では欠かせません。
ビジネス戦略、そして、この地域で人気の高いソーシャルアプリを調査し、利用可能なシステムを確認して、アプリに導入しましょう。このようにしてPlaybasisは生まれました。皆さんの成功を心より祈っています。
この記事は、The Next Webに掲載された「4 Western founders discuss what it’s like to run a startup in Asia」を翻訳した内容です。
皆さん、それぞれ、様々な理由でアジアでスタートアップをしているようですが、誰もインタビューとはいえ夢と希望に満ちていて私が起業した頃を思わず思い出してしまいました。東京、地方、東南アジアの新興国、そして米国であっても何らかの障害は必ずあるわけで、それを乗り越えメリットを生かして頑張りたいですね。 — SEO Japan



