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民主党化する自民党

2009年の総選挙。日本国民は「一度任せてみればいい」という安易な言葉に乗って民主党に政権を与えてしまった。

当時のことを思い出すと僕は以下のことで民主党政権に反対した。

①寄せ集めの理念なき烏合の衆であり政権を取りたい目立ちたいという欲だけが彼らの目標であること
②いわゆる「売国」的な政治家が多いこと
③リーダーたる人物がいないこと
④ばらまけばそれでよしというバラマキ重視の政党であること

などが理由だったように思う。(もうずいぶん前のことだがこのブログでもいろいろ指摘してきた)

だが、国民は一度任せればそれでよいと民主党に任せてしまったわけだ。

自民党はあまりにひどい民主党のおかげで何もせずとも棚ボタ的に前回の衆議院選挙で大勝利を収めた。

小泉時代の自民党には明らかに勢いがあった。行政改革や規制緩和。日本の潜在成長率を高めるために政策が加須多く俎上にあげられ実施に移された。誰もできないと思った郵政民営化も実現された。無駄だといわれ続けた公共事業は大幅に削減されたし、小泉首相は反対・批判を押し切って靖国神社に参拝した。そして米ブッシュ大統領ともしっかりとした人間関係を築いたのも記憶に新しい。

自民党は単なる利権団体のための政治ではなく国民のために改革を行うこともできる政党に生まれ変わったのだなと多くの人に印象付けたはずだ。

だが、その後の首相たちの器が足りなかったためか不運に見舞われたためか民主党に政権の座を譲り渡した。

野党時代のつらさが身に染みたのだと思われる。自民党は小泉時代(あるいはそれ以前も橋本内閣など行政改革や規制緩和をなんだかんだ進めてきた時期も多かった。いや、もっと言えば自民党こそが共産勢力に対抗するために日本の資本主義・自由主義を守ってきた党だったのだ)とは今の政策は打って変わってしまっている。

民主党時代に一部の支持団体は民主党に鞍替えをしてしまった。加えて民主党の手法は「一般市民にばらまくこと」であった。「子育て世代」、「女性」、「低所得者層」など様々な理由で一般市民に広く薄くばらまくことで彼らは票を伸ばした。

従来の自民党はなんだかんだで自己責任や市場機能重視の面があったので一般市民にばらまくという発想は少なかったように思う。だが、民主党のやり方から、支持団体・利権団体以上に一般市民にばらまくことがいかに重要かを自民党は学んだように思う。

だから、今の自民党の政策をみるとあの手この手のバラマキ政策がオンパレードで自分たちの支持率向上・維持をうまくやっているように見える。

そして、「第三の矢」といわれる成長戦略。規制緩和には全く着手する姿勢が見えない。一つ一つの効果は薄く、効果が出るのにも時間がかかるそれが規制緩和(改革)。一方で業界団体や利権団体・監督官庁をを敵に回すことになるし市場重視の姿勢は格差を助長すると低所得者層の反発を買う可能性が高いからだ。政治家としては実はやるメリットはあまりない。

だから安倍首相は金融緩和と公共事業などの財政政策で経済がうまくいっているように見せることでひたすら政権を維持する。これしか考えていないのだろうと思う。いや、安倍首相だけではなく自民党はまったくそういったポピュリズム政党になり下がってしまった。

日本経済の潜在成長はかなり低い。これからもマイナスからせいぜい+1%程度を行ったり来たりするのが関の山だろう。そして少し成長が弱くなるたびに自民党政権はあの手この手でバラマキをやっていくことは間違いない。

行きつく先は財政破たん以外の何物でもないだろう。自民党は完全に民主党化している。しかも全方位外交の民主党だ。これほど恐ろしいものはない。僕は今でもあの時に民主党に政権を取らせるべきではなかったと思っている。ポピュリズムがここに極まりつつある。

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