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12月調査の日銀短観に表れた企業マインドをどう見るか?

総選挙の開票も終わり、本日、日銀から短観が発表されています。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは9月調査から▲1ポイント低下して+12を記録しました。また、設備投資計画は大企業全産業が前年度比+8.9%増と9月調査の+8.6%増から上方修正され、ちょっとびっくりしました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用するといかん通りです。

12月の日銀短観、大企業製造業DIプラス12 2期ぶり悪化 先行きプラス9
日銀が15日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス12だった。

前回の9月調査(プラス13)から小幅に悪化した。DIの悪化は2四半期ぶり。急ピッチの円安による原材料コストの増加に加え、消費増税前の駆け込み需要の反動減が一部業種で続き、企業の景況感は停滞している。輸出回復の遅れも景況感の悪化につながった。もっとも、反動減は全体として収束しつつあり、悪化幅は小さかった。

3カ月先については、大企業製造業がプラス9になる見通し。素材産業を中心に、円安による原材料コスト高への懸念があり、企業マインドの悪化につながった。

2014年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=103円36銭と、前回の100円73銭よりも円安・ドル高方向に修正された。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。回答期間は11月12日-12月12日で、今回の回答基準日は11月27日だった。

大企業非製造業のDIはプラス16と、前回から改善した。改善は3四半期ぶり。消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動減が収束に向かっているうえ、訪日外国人の増加などを背景に宿泊・飲食サービスなどが持ち直した。

3カ月先のDIは小幅悪化し、プラス15を見込む。小売業などで改善を見込む一方、公共事業の減速で建設業のDIが悪化したことなどが影響した。

中小企業は製造業が前回(マイナス1)から改善しプラス1、非製造業は前回(ゼロ)から悪化しマイナス1だった。非製造業DIは5期ぶりにマイナス圏に沈んだ。先行きはいずれも悪化を見込む。

14年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度比8.9%増だった。9月調査の8.6%増から上方修正され、QUICKがまとめた市場予想の中央値(8.1%増)を上回った。先行きの海外経済回復の期待に加え、企業収益は堅調で、これまで先送りしていた設備更新や能力増強投資を再開する動きが出てきたことが、増加につながったようだ。大企業のうち製造業は11.4%増、非製造業は7.6%増を計画している。

大企業製造業の輸出売上高は前年度比1.2%増となり、9月調査から上方修正された。円安基調が続いていることで輸出企業が先行きについて強めの計画を設定したとみられる。

大企業製造業の販売価格判断DIはマイナス3と、9月調査(マイナス4)からマイナス幅が小幅に縮小した。DIは販売価格が「上昇」と答えた企業の割合から「下落」と答えた企業の割合を差し引いたもの。仕入れ価格判断DIがプラス19と、前回(プラス17)からプラス幅を広げており、円安を背景にした輸入コストの増加分を価格転嫁する動きはさほど進んでいないようだ。

やや長いんですが、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。

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ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIについては、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスが最近で+13、先行きも+13でしたから、最近はほぼ横ばい圏内でいいとしても、先行きが+9と悪化するのはネガティブであり、ハロウィン緩和による株高や円安の効果がまだ実感されていない可能性が高いと受け止めています。ただし、大企業非製造業については市場の事前コンセンサスよりも上振れし、住宅関連の「建設」や「不動産」が改善を示すとともに、円安に伴う海外旅行客増があり「宿泊・飲食サービス」も改善に転じました。また、グラフは示しませんが、大企業の売上計画は9月調査の+1.8%増から+2.0%増に上方修正され、経常利益も9月調査の▲3.0%と減から+1.6%増と増益に転ずる見込みです。ということで、大企業はまだいいんでしょうが、問題は中堅企業・中小企業です。上のグラフでも、一貫して規模別に業況判断DIは規模の小さな企業に厳しく出ていますが、先行き3月時点では中小企業は製造業・非製造業ともマイナスに転ずる見込みとなっています。円安に伴うコストアップも負担になりつつあるとメディアなどで報じられていますが、下のグラフに見る人手不足の影響も無視できないと私は考えています。

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ということで、上のグラフは製造業の設備判断DIと全産業の雇用判断DIをプロットしています。プラスが過剰超でマイナスが不足超を示しています。設備についてはまだ過剰超のプラスが記録されているという意味で、過剰感が完全に払拭されたわけではありませんが、過剰から不足に向かう方向感は続いていますし、何といっても、雇用については企業規模が小さくなるほど不足感が強いという結果が示されています。2006-07年のサブプライム・バブルの時期にも設備の不足感よりも人員の不足感の方が強かったんですが、現在の景気回復期でも人手不足が深刻になりつつあります。しかも、前回は景気の山付近では大企業の人手不足感が強かったんですが、現状の足元では中堅企業・中小企業の人手不足感の方が上回っています。あるいは、大企業では人手不足に設備で代替する動きが始まっているのかもしれません。また、従来から主張している通り、賃上げの素地が広がっている気がします。

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ということで、上のグラフは2007年度から2014年度までの大企業の設備投資計画を調査時期ごとの修正を踏まえてプロットしています。設備投資計画については、6月調査の上方修正についてはやや疑問視していましたが、9月調査と12月調査で続けざまに上方修正されたことから、今年度はかなり伸びる可能性が高いと私は受け止めています。上のグラフを見ても、リーマン・ショック前の2007年度計画に匹敵する水準を示しており、かなり強気な設備投資計画に見えます。設備投資については人手不足感の強い中堅企業・中小企業の製造業にも裾野が広がっており、大企業だけでなく全規模全産業の設備投資計画も上方修正されており、9月調査の前年度比+4.2%から12月調査では+5.5%を記録しました。大企業の設備投資計画は日銀短観の統計のクセとして、上のグラフに見られるように、9月調査から12月調査で下方改訂される可能性も予想されていただけに、私は少し驚きました。

先週金曜日の日銀短観予想でお示しした通り、業況判断DIは横ばいないしやや下方改定と見込まれており、おおむね、足元はその通りで、先行きについてはさらに消極的な企業マインドが示された一方で、設備投資については積極的な姿勢がうかがわれます。それも含めて、前回の9月調査の後には「景気後退」もエコノミストの間でささやかれましたが、この12月調査結果ではそろそろ景況感も下げ止まる兆しが出て来たように見るエコノミストもいそうな気がします。

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