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勝ったのは自民ではなく民主が負けたのだ

総選挙の結果が出た。自民、公明の与党の勝利が伝えられているが、批判の受け皿になれなかった民主党の敗北でしかない。

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■なんとなく投票

 今回の争点はアベノミクスが中心となり、政権2年間の評価が論点となったように思う。しかし選挙中にいろいろな人の意見を聞いてみたのだが、結果が出てはおらず以前より良くなった感じがする、良くなって欲しい。安倍政権が危ない雰囲気はあるけれど、自らの暮らしにはあまり関係なさそうといった意見が多かった。

 特に言えるのは、他に選択肢がないとの意見だ。本来であれば、二大政党と言いたい民主党が批判票の受け皿になるべきだが、批判以外に訴えることはないのかとの意見を聞くことが多く、政権運営の失敗から未だに信用を得られていないばかりか過去は横に置いたとしても将来を任せても大丈夫そうだという期待も持たれていなかったからだ。

 つまり、どうしてもという選択肢はなく、今のままでも、まぁいいじゃないかという、「なんとなく投票」の結果だったように思えている。

■ぬるま湯民主

 民主党が投票の対象にならなかった理由はなにか。

 前回の総選挙の敗北から目に見える改革、立て直しを見える形で行ってこなかったからだと党内にいるからこそ思えている。政権運営の失敗を真摯に反省せず、何時かは世の中の雰囲気が変わって支援が増えるだろうとの楽観論が続いていたからだ。
 考えてみれば、最も厳しい選挙で生き残ってきたのだから、次は風が変わっているから大丈夫と当選した国会議員の多くが考えていたのではないのだろうか。あまりにも危機感がなかったのだ。

 信用も期待も得られていないことは、直接国民と接することが多い地方議員のほうが肌で感じている。だからこそ、党内改革や今後の方向性を国民に伝えるためにも代表選を行い、リニューアルスタートを切るべきと地方議員の仲間から提案したが、面倒なことはしたくないという理由が強く、何ら対応がなかった「ぬるま湯体質」が今になって思えば、今回の敗北のスタートだったと思う。

 直近になり執行部体制が変わり、党内改革の芽が出てきていたのだが、その芽が伸びる前に刈り取られてしまったのが今回の総選挙だった。敵側からすれば、いいチャンスでの総選挙だったことになる。戦略は数百倍も自民党が上だったのだ。民主党には戦略を考え動かすことのできる「軍師」が必要なのだとも思った。

■勝負は選挙前に決まっていた

 今回の総選挙全体で思うのは、候補者が訴えかけても有権者にはなかなか届かないことだった。メディアをうまく使うなど、普段からの広報戦略が実は一番大きな武器になっているように思えている。選挙期間になってからでは、流れを大きく取り戻すことが難しかった。勝負は選挙前に決まっていたのだろう。

 それは、新聞を読む人は少なくなり、テレビやインターネットで選挙があることを知るような人が増え、さらに普段は自宅にいない。となれば、日中の遊説などで政策を訴えても聞く人が少ないのが伝わらない。さらには、報道も少ないとなれば、テレビなどに登場する機会の多い現職総理のほうが印象強く、有利なのは明白だろう。なんだか分からないがアベノミクスという魔法の呪文が印象に残り、これから良くなるような雰囲気になる。野党の言っていることは難しい話だしな、との結果だったのではないだろうか。

■菅直人さんと18区の課題

 武蔵野市を含む東京第18区では、菅直人さんが最後の一議席に滑り込み当選することができた。応援していたこともあり、なんとか生き残ったことは喜びたい。だが、選挙期間中に多くの人に言われたのは、原発ゼロは分かった。他には何をしたのか、したいのかを知りたい。何よりも、なぜ次の人を育てていないのか、という批判意見だった。長年、応援している人でも同様のことを話していた。
 
 このこともあり、訴えの内容を変更し反応も良くなった。各種メディアの事前調査データを入手していたのだが、終盤になり当初の差をかなり縮め、このままで行けば小選挙区でも勝てそうだと思っていた。だが、時はすでに遅かったのだ。次の人は、これからの最大の課題だろう。本人だけではなく18区全体の大きなテーマとなりそうだ。

 しかし、今の民主党を動かす突破力を誰が持っているか、さらに、社会的に脱原発の流れを止めないためにはどうすべきかを考えると、まだまだ菅直人さんの力は必要不可欠だ。最後の一議席をいただくというしぶとさは、本人の努力や支持者の応援だけではなく、天がまだまだ働けと与えてくれたとも思えている。当選した以上、期待以上の働きをしなければならない。これは、私を含めてだ。

 選挙結果が出たら終わりではない。何を糧にしてステップアップするか問われている。今日から次へと進みたい。
 
写真は総選挙最終日での吉祥寺駅北口での街頭演説。他の日でも熱心に聞く聴衆が多かったが、演説だけでは届かないことが多かった

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