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ドリフターズやクレイジーキャッツを目指すー元JUDY AND MARYのTAKUYAが結成した「商店街バンド」の挑戦

今年2月にクラウドファンディグサイトで見かけた「商店街バンド」の文字。魚屋さんや八百屋さんの集まりかと思いきや、元JUDY AND MARYのギタリスト、TAKUYAが中心となって集まった、芸人とミュージシャンのエンターテイメントユニットだという。

「音楽×お笑い×演劇」という3つの要素を融合した新しいコミックバンドは何を目指すのか、3ヶ月連続マンスリーライブを控えたTAKUYA氏に話を聞いた。(編集部:田野幸伸)

ー商店街バンドを始めたきっかけは?

8年前くらいに、お笑いコンビのアメリカザリガニ(以下アメザリ)から、ボクに出囃子(ステージに登場する時の曲)を作ってくれないかと相談がありまして、それがきっかけでその年の僕の誕生日ライブに「対バン」として出演してもらって、前座で漫才をやってもらったんです。

そのライブの打ち上げで、来年はもっとコラボしようと盛り上がって、翌年2007年の誕生日ライブの打ち合わせで3人でネタを考えたのが始まりです。

その後、誕生日ライブを何年もやっていくうちに、音楽コントの時間が長くなっていき、気がつけばアメザリとのコーナーが1時間を超え、誕生日ライブが3時間半になっていました。

毎年お客さんもこのコーナーを楽しみにしてくれていたのですが、曲の練習が何十曲もある商店街バンドの部分のリハが大変になってきて…そんなこともあって2年前に誕生日ライブをやめたんです。自分の誕生日になんでこんな疲れるのかなと(笑)

そうしたら誕生日ライブをお休みしている間に、「商店街バンドを見たい!」という声が大きくなって。自分としても6年間やってきて、ネタも溜まっていたので、「商店街バンド単独公演に向けて動きます」と発表したのが去年の夏です。

「商店街バンド」というネーミング

もともと、商店街という設定はなかったんですよ。最初のネタが、アメザリの2人が結婚式場に下見に来る新郎と式場のマネージャーで、「うちの式場は生バンドサービスがあります」と僕らが登場するものでした。

新郎新婦入場からケーキ入刀から両親への手紙まで、全部間違った曲でボケるというものだったのですが、その中で、「この演奏している人たちは誰なんだ!」というくだりがあって、アメザリの2人がアドリブで「この商店街でバンドをやってる人たちです」「じゃあ!職業は何やってんだ」「この人は新聞配達です、こっちはパン屋さん、こちらは学習塾の先生で…」とやったら異常にウケまして。

それがきっかけで、次の年から「商店街」という設定になっていったんです。

ーTAKUYAさんの商店街での職業は?

僕はニートです(笑)

「商店街バンド」の目指すところとは

ドリフターズやクレイジーキャッツ、ビジーフォー…子供の頃見ていたコミックバンドを目指しています。
「音楽×お笑い」の伝統芸。今、誰もコミックバンドをやってないから椅子が空いてたんですよね。

商店街バンドはいろいろな曲を演奏するんです。TVの主題歌だったりゲームのBGMだったりCMソングからクラシックからありとあらゆる曲を。たぶん20代の僕だったらテクニック的に演奏できなかっただろうと思います。ここまでキャリアを積んできて、メンバーが達人揃いのバンドだからこそできる技です。

半沢直樹のテーマだったり、ドラえもんの主題歌だったり、やってみるとすごく難しいんですよ。

ドラえもんすごかったなー。イントロからみんなで曲を解析したんですけど、知れば知るほどすごく良く出来た曲で。昔のミュージシャンや作家の仕事のクオリティの高さに感心するんです。イントロの「テテテ テレレ テテテ テレレ〜♪」って難解な音階で、やってることはプログレなんだけど、なんでこんなに楽しく聞こえるんだろうと、音楽理論やコード進行など先人の偉業を再発見する場にもなっていますね。

新しい事をどんどんやっていこう

元々JUDY AND MARYをやっていたころから、アルバムを出す度に新しいほう新しいほうと追っていっていたし、明らかに僕が保守派じゃない。

常に新しいこと、誰も聞いたことのないことをやろうと思っていて、実際にやるまでは毎回不安なんですけど、生で演奏していて新しいことほど面白いことはないんです。

ー新しいことへの挑戦といえば、今年1月にお亡くなりになった、JUDY AND MARYも手がけていた音楽プロデューサーの佐久間正英さんにインタビューさせていただく機会が2年前にありまして、音楽業界への思いを聞かせていただいたのですが、佐久間さんも新しいことがお好きな方だったんですか?

・関連記事:音楽プロデューサー・佐久間正英氏が語る「音楽業界の危機的状況」(2012年6月)

佐久間さんは特に機械ものについては「最新が最良」ってタイプで、もちろん古くていい機材を大事にもしているんですが、だれよりも海外サイトの新製品をチェックしていたし、ある意味機材オタクでしたね。

ー音楽のネット配信については「ストリーミングに向かっていく」と話してくださいました。

僕もネット配信は賛成の方かな。ただ、つけられてる値段が安すぎるところが問題。

iBooksとかで見ると、漫画はむしろ紙より高いくらいで売っているものもあるのに、なんで音楽だけCDより安くなるのよって。これを取り決めた人たちに「ミュージシャンが迷惑被ってる」と言いたいんですけど。

ーシングルCDが1枚1200円ちょっとで、ダウンロードになると250円とかですよね。もちろんCDはカップリングやカラオケなどが入っていますけれども。

僕もそんなことをつぶやいたか書いたかした時に、読んだ人から「CD1枚に650MBの音源が入ってるのに対して、MP3とかの音源って1曲5MB程度で10曲あっても5〜60MBなんで、それだけ情報量の落ちたものは安くて当たり前だ」って返ってきて。

ーちょっと何言ってるかわかりません(笑)

いや、これ、一般の人の良い意見だなと思ったんです。 僕らは音楽作る時って、生楽器演奏を収録する場合、近年は高音質(88.2Khz※CDの倍のサンプリングレートとか、時にはそれより高サンプリングレート)で作っているので、1曲あたりのデータは10GB(10000MB)とか30GB(30000MB)をも越える時もある。それが発売するときには5MBになるってなんだよみたいな(笑)

ハイレゾ(High Resolution:高解像度の音楽)技術が進んだら、もっと高品質で出せるようになる。いい音で聞いて欲しいっていうのがミュージシャンの本音なんです。

ー商店街バンド、12月16日(火)、1月20日(火)、2月24日(火)とマンスリーライブを東京・Shibuya eggmanにて3ヶ月連続開催です。今回のゲストはムッシュかまやつさんに堀江貴文さん。

ムッシュかまやつさんは「なるべく全部出ます」って言ってくれてます。本当のコミックバンドを横で見ていた人なので、ありがたいですね。

ーあの…なぜ…堀江貴文さんが?

商店街バンドのコンセプトの1つに「音楽で楽しみましょう」というのがあって、上手でも下手でもどっちでもいいから、音楽でコミュニケーションして楽しもう!と。歌手やミュージシャンじゃなくても、ここに来れば楽しくやれる場にしたくて、今回の堀江貴文さん…タカポンは、前から知り合いなんですけど、ギター演奏するようなBarで、練習しているのを見かけて誘いました。

ー堀江さんがギターを練習していたんですか?

僕もちょっとギターを教えたりしまして、夏くらいにネタを考えていた時に「12月の出演を目標にして練習したら?」って声をかけたら「ぜひやりたい」って言ってくれて。タカポンはギター演奏も歌もやる予定です。アメザリにボロクソ突っ込まれるのが面白いだろうな(笑)

商店街バンドのLIVEを楽しむポイント

気軽に見てください(笑)あんな曲、こんな曲をコピーして、ここでしか聞けないものが笑いになっています。なんて言うんだろう、うーん…「喜劇ミュージカル」というか、なかなか他には無いものなので、貴重な機会かなと。

ー商店街バンド、超一流のメンバーが揃ってますよね

元REBECCAの友森昭一さんなんて35年以上プロやってる。僕が16歳くらいの時に見た氷室京介さんのファーストライブで弾いてた人ですよ。そのクラスの人たちだからとんでもなく演奏が上手いんです。なのでうっかり聞き惚れてると笑い忘れるので、とにかく気軽に。

ライブハウスでこんな活動してても、ぶっちゃけお金にならないわけですよ。むしろ労力が上回るんです。そこはすごく気になっていて、今回やるにあたってメンバーに「それでもやりますか?」って聞いたら、「ぜひやりたい」という返事をもらって。商店街バンドをやっていたら楽しすぎて辞められなくなったと言ってくれました。

昨日ポロッとリハーサル中に一言でたんですけど、「商店街バンドがもっと人気が出て、これをずっとやっていけたら、ホントに良い老後を迎えられるな」って(笑)

本番中はバンドメンバーも笑いをこらえてるんですよ。笑ってしまったらコントが成立しないので。だからライブ終わった後、横隔膜の疲労感がハンパ無い。

やっているメンバーが誰より楽しんでいます。

今年2月にやった1回目の公演は休憩挟んで3時間くらいでしたが、今回は90分くらいにギュッとまとめました。会場がShibuya eggmanなので、今後もライブハウスらしいゲストとやろうと思っています。

若手の芸人枠なんかも考えています。この記事を読んだ「音楽好きだな」っていう各界の方、出演者募集してますので僕まで連絡下さい(笑)

ーありがとうございました。

「3ヶ月マンスリーライブ!eggmanだよ!全員集合!」12月公演

日時:2014年12月16日(火)18:00開場 19:00開演
会場:東京・Shibuya eggman
料金:椅子席3800円 立ち見3000円(ともに2ドリンク代別)
出演:TAKUYA(ex. JUDY AND MARY) / 五十嵐公太(ex. JUDY AND MARY) / 友森昭一(ex. REBECCA) / 坂巻晋(THE VANILA、the wells) / nishi-ken / アメリカザリガニ / ムッシュかまやつ(ゲスト) / 堀江貴文(ゲスト) ほか

LIVEのダイジェストは「お笑いTV」で配信予定。

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