幻冬舎が始めた(正確には子会社だが)40代独身美魔女誌「DRESS」、創刊号を読んであまりの気持ち悪さに泣いた話を書いたのは、もう1年半ほど前だ。
なんたって最高顧問・秋元康、名誉会長・松浦勝人(エイベックス)、取締役会長・見城徹(幻冬舎)、取締役副会長・藤田晋(サイバーエージェント)、代表取締役社長・山本由樹(元光文社)という人脈からもわかるような「四半世紀遅れて出てきたバブル女性誌」ぶり。
案の定、創刊以来右肩下がり。編集長はなんとか起死回生を図っていたようだが、結局、貧すれば鈍すで、コラボ商品をやたら持ち上げるだけの苦し紛れ展開。そもそもターゲットもコンセプトも間違ってたんじゃないですかね。
貧すれば鈍すどころか、直近は多少正気を疑うところがある。企画内容もそうだし、最新号2015/1月号の表紙キャッチコピーなんて
「欲しいの! いいよね? 私におねだり!」
――熱にうなされてんのか?
いい年したオッサンがこんなコピー、夜な夜なうんうん唸りながら捻り出してるのかと思うと、気持ち悪いぞ。
こんなウワゴトつぶやきながらブランド品買う40代肉食系独身女なんて、気味悪すぎるだろ。いるわけない。ターゲットミスだ。
ついにgiftは債務超過に陥っていたようで、幻冬舎が他社にバイアウトした。
買ったのは決済代行大手のパス。どうやら自社で新規に始めるEC事業の打ち上げ花火にしたいようだ。
新天地は出版カルチャーなど知らないネット通販関連事業者だ(ネット通販の決済代行)。いろいろ新しい血も入るだろうし、これを奇貨として内容を大幅にリニュアルするのがいいだろう。編集部においては、新天地でぜひ頑張ってもらいたいと思う。
記事
- 2014年12月12日 08:31
40代独身肉食美魔女誌「DRESS」発行のgift、債務超過で幻冬舎に売却される
- tokyo editor
- 出版社の編集者。出版業界の実態について執筆している。