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ロシアのプーチン大統領がすごいことになっている

1998年のルーブル危機が再来

ロシア中央銀行は11日、主要政策金利を1%上げ10.5%にすることを決めた。ロシア通貨ルーブルの暴落やインフレを防ぐためだ。強気の姿勢を崩さないプーチン大統領は1998年のルーブル危機以来となるクライシスに直面している。

クリミア編入に端を発するウクライナ危機でロシア国内から資本が流出、米国や欧州連合(EU)による経済制裁に加えて、石油輸出国機構(OPEC)の原油増産でルーブルの下落が止まらない。

2011年5月には1ドル=27.40ルーブルだったのが、今や1ドル=55.67ルーブルにまで下がっている。

ロシアでは輸出の約7割、連邦予算の歳入の半分を原油・天然ガスに頼る。2年半前は1バレル=120ドルを超えていたブレント原油価格は1バレル=64ドルまで下がってしまった。ロシアの財政は1バレル=100ドルでは赤字に転落し、60ドル台では大幅赤字になる。

来年の経済成長見通しも1.2%からマイナス0.8%に下がる恐れがある。

CDS保証料率は危険水域に

98年のルーブル危機でも同じことが起きた。ロシアの状況がどれだけ、まずいのか数字を拾ってみる。ロシア国債の金利とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証料率を見てみると――。

10年物 12.4% 425.41

5年物 12.69% 411.48

2年物 13.02% 421.41

CDS保証料率が400を超えるのは非常にまずい状態だ。

長期信用格付けは、

S&P BBB-

ムーディーズ Baa2

フィッチ BBB

と投資適格を維持している。

ロシアの外貨準備高は10月末で4286億ドル。経常収支も大幅黒字。通貨下落が「負の連鎖」にはつながりにくいという見方もあるが、プーチン大統領の強面で獰猛な市場を抑えこむことができるのか。

クリミア編入の強行に続いて、ウクライナ東部で「共和国」創設を宣言した親ロシア派勢力への支援を示唆するプーチン大統領はロシアにとって最大のリスク要因だ。

2014年の資本流出は1200億ドルを超える見通しだ。このため、プーチン大統領は4日の年次教書演説で、ロシア人が保有する国外資産を国内に戻せば、司法責任の追及を免除する方針を表明。ルーブル下落で一儲けしようという輩は許さない方針だ。

プーチン大統領へのボディブロー

産油国サウジアラビアが原油価格の下落を容認しているのは、プーチン大統領を窮地に追い込むことで、シリア内戦、米国家安全保障局(NSA)の監視システムを暴露したエドワード・スノーデン容疑者の身柄引き渡し、ウクライナ危機をめぐってことごとくロシアと対立する米国のオバマ大統領に恩を売るためとの観測も流れる。

また、米国のシェールガス・オイル潰しとの見方もあるが、真偽はわからない。ただ、確実に言えるのは、米国やEUの経済制裁でロシアの生命線である原油・天然ガスの開発が思うように進まなくなっていることだ。

プーチン大統領は、ロシアから黒海海底を経由して欧州中心部まで天然ガスを輸送するパイプライン敷設計画「サウスストリーム」の中止を発表。

ロイター通信によると、ロシア石油最大手の国営ロスネフチと米エクソンモービルが北極海大陸棚の共同探査計画を中断。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルも政府系ガスプロムネフチとのシェールオイルの共同開発を停止した。

ロシアも米国やEUなどの経済制裁に対抗して農畜産物の輸入禁止を発動しており、ウクライナ危機は「経済戦争」の様相を呈し、ロシア経済だけでなくEU経済にも暗い影を落とし始めている。

再びルーブル危機ともなれば、プーチン大統領は一段と苦しくなり、国内での立場を守るため態度をますます硬化させる恐れがある。

(おわり)

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