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- 2014年12月10日 09:06
各政党マニフェスト若者度評価。若者は本気で「ワカモノ・マニフェスト」をぶつけなければいけない
2/2世代間格差の原因は高齢者の声を過度に反映する政治!
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少子高齢化の進展と、若者の低投票率、若者が政治や社会に声を上げないことが、高齢者の声を過度に反映するシルバーデモクラシーを生み出している。こうしたシルバーデモクラシーの状況は、高齢化によって、今後ますます進展していくことが予想される。
世代間格差の是正や、持続可能な社会システムへの転換など、中長期的なスパンを視野に入れての政策判断には、未来をより長く生きる若者が当事者として社会参加・政治参加することで、シルバーデモクラシーに歯止めをかけることが求められる。
少子高齢化の中でさらに低下しかねない若者の政治的影響力を高めるために、若者参画基本法を制定することで、立法過程や意思決定過程(審議会等)に若者の意見を取り込むことの義務化や、合わせて若者政策全般を確実に実施するための若者政策担当大臣を設置する。また、シルバーデモクラシーに歯止めをかけるために、選挙権年齢を16歳、被選挙権年齢を成人年齢へ引き下げると共に、選挙区を地域別でなく世代別に分ける世代別選挙区制度や、子どもの選挙権を親が持つドメイン投票を導入することで、各世代の年齢構成に近い形で若者の声や代表者を議会に送る仕組みを構築する。同時に、SNS等ICTを活用した直接参画の仕組みの整備や、政治リテラシーを育成するための政治教育の義務化など、ユースデモクラシー構築のためのインフラ整備を行う。
01 若者の意見反映を義務付ける若者参画基本法の制定と若者政策担当大臣の設置
02 世代別選挙区制度とドメイン投票の導入、選挙権を16歳・被選挙権を成人年齢へ年齢引き下げ
03 SNS等ICTを活用したオープンガバメントや直接参画の仕組みの構築
04 政治教育の義務化
05 官邸フェローや政治任用促進による政策人材の流動化
日本の社会保護支出は高齢者に偏っている!
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日本では、労働や子育て・教育等への社会保護支出が少なく、雇用状況の悪化が、結婚・子育て・育児・教育環境の悪化に直結する状況になっている。統計からも非正規労働者は結婚・出産が困難であることが示されている。また、出生率も低迷から抜け出せていない。日本の終身雇用・年功賃金制度の下では、女性が出産・育児を経て、再び職場復帰することが非常に困難になっており、仕事と育児の両立支援や、ワークライフバランス施策も不十分である。
「高齢者=弱者」、「若者=強者」というステレオタイプはすでに崩壊しており、むしろ若者こそが大きなリスクにさらされている。その結果、結婚・出産・育児が困難になっている。日本の社会保護支出は高齢者向けに偏っており、この配分を若者向けに振り替えていくことが必要である。労働・経済のリスクの上昇が、出産・育児にまで影響を与えてしまっている今の状況を緩和することが必要となる。具体的には、給付つき税額控除等による子育て世帯への再分配の強化や公教育の立て直しによって、出産・子育てのコストを引き下げ、子育てを「社会化」していくことが求められる。また、出産・育児のコストの大部分は、女性の就業継続が困難になることによる機会費用増大である。労働・雇用の流動化を進めると共に、仕事と育児の両立支援・ワークライフバランス施策の推進によって、出産・育児の機会費用を引き下げていかねばならない。
01 若者向け社会保護支出の対GDP比を引き上げ
02 給付つき税額控除などによって子育て世帯への再分配を強化し、子育てを社会化
03 公教育の立て直し
04 仕事と育児の両立支援・ワークライフバランス施策の推進
世代間格差是正政党は一つもない。各政党マニフェスト若者度評価
冒頭でも少し触れたが、今回の総選挙における各政党のマニフェスト、残念ながら、世代間格差の是正や、持続可能な社会システムへの転換という視点から見ると、これまで少しずつ進んでいた時計の針が、逆に戻ってしまった感が否めない。
本来議論すべき最も大きな社会課題である税と社会保障の問題などについても、抜本的な改革には触れない政党が多いほか、
また、「マニフェスト」そのもののイメージが悪くなったこともあってか、多くの政党がこのマニフェストを使わなくなっている。問題は、タイトルを「マニフェスト」にしなくなったことではなく、これに乗じて、期限や予算などを記すという「マニフェスト」で進化した公約は、旧来通りの抽象的で総花的な「選挙公約」へと戻った感がある。
また、面白いことにタイトルでは「マニフェスト」という言葉を避けながら、多くの政党の公約を政党ホームページからダウンロードすると、そのファイル名の多くが「manifesto2014.pdf」などとなっている事だ。
有権者、国民は、タイトルなどはどうでもいいが、少なくとも期限や財政的な裏付けなどを明確にして行く必要性については、求めていく必要があるのではないだろうか。
今回も「各政党マニフェスト若者度評価」は、ワカモノ・マニフェスト策定委員会のメンバーで「労働・雇用」、「財政・社会保障」、「政治参画」の3分野について、各政党のマニフェストを、世代間格差の是正など若者にとってどうかという「若者度」と、政策の妥当性、政策の明確性、財源の裏付け、実現のための具体策やロードマップといった「政策評価」の2つの軸で評価し、各メンバーの評価を平均化してまとめた。
2014総選挙版「各政党マニフェスト若者度評価」は、以下の通りだ。
① 労働・雇用
若者度(▲100~+100点)
自民17.5・公明12.5・民主11.3・維新65.0・次世代42.5・共産▲17.5
政策評価(▲100~+100点)
自民11.3・公明5.0・民主▲5.0・維新40.5・次世代25.5・共産▲17.5
労働雇用については、非正規雇用労働者の待遇改善や「同一労働同一賃金」の法制化や労働法制に関する規制緩和などについて具体的に明記された政党がプラス評価につながり、一方で、一見若者にとってプラスにつながりそうにも見える、非正規雇用の正規雇用化は、一流企業など二階建て部分に入る企業においては効果がある様にも感じるが、多くの国民が働いている中小企業はじめとした一階部分を考えれば、むしろ若者にとってはマイナスに働くと評価された。
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② 財政・社会保障
若者度(▲100~+100点)
自民7.5・公明7.5・民主21.3・維新63.3・次世代33.8・共産▲25.0
政策評価(▲100~+100点)
自民8.8・公明6.3・民主8.0・維新33.8・次世代11.3・共産▲21.3
財政社会保障については、これまでもワカモノ・マニフェストでも提案してきた「事前積立」など年金の抜本的な構造改革に踏み込んでいる政党、またさらに、持続可能な社会システムへの転換へ給付削減など痛みを伴う改革に踏み込んだ政党が高評価となった。歳入庁の設置や、マイナンバーなども評価につながっている。
消費税については、増税をうったえる政党がなくなり、期日をつけて延期とした政党が若干の評価につながる一方で、軽減税率はマイナス評価に、逆に経済弱者に対してはコストが低く抑えられる給付付き税額控除がプラス評価になった。
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③ 政治参画
若者度(▲100~+100点)
自民11.3・公明43.8・民主10.0・維新0.0・次世代0.0・共産10.0
政策評価(▲100~+100点)
自民20.0・公明48.8・民主10.8・維新0.0・次世代0.0・共産12.0
若者の政治参画については、すべての政党にとって関心が弱い。一方で政権政党がはじめて「18歳選挙権」についてマニフェストに明記したほか、さらに2016年までと期日を切った政党の評価が高くなった。また政治教育についての記載も評価対象となった。
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合計点
若者度(▲100~+100点)
自民12.1・公明21.3・民主14.2・維新42.8・次世代25.4・共産▲10.8
政策評価(▲100~+100点)
自民13.3・公明20.0・民主4.6・維新24.8・次世代12.3・共産▲8.9
この「各政党マニフェスト若者度評価」解説についても『「ワカモノ・マニフェスト」大激論! 若者(元)VS 若者(現)』で説明しているので、納得のいかない方、疑問のある方、興味のある方は、ぜひご覧いただければと思う。
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高橋亮平
ワカモノ・マニフェスト策定委員会
中央大学特任准教授
NPO法人Rights代表理事
NPO法人 万年野党 事務局長
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Twitter: @ryohey7654



