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- 2014年12月10日 09:06
各政党マニフェスト若者度評価。若者は本気で「ワカモノ・マニフェスト」をぶつけなければいけない
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総選挙もいよいよ終盤に差し迫ってきた。自民党は300議席を大きく超えるなどと報道され、低投票率が予想されている。
中でも、追い打ちをかける様に、マスコミは「とくに若者の投票率が低い事が問題だ」と煽る。気持ちはよく分かるが、重要なのは、「若者は選挙に行け!」ではなく、「なぜ若者が選挙に行かなければならないのか」を伝え、若者に「選挙に行かなければ!」と思ってもらうことなのだろう。
6年前の2008年、私たちは当時まだ社会的に問題として「世代間格差」という言葉が認識されていなかった中、この「世代間格差」の現状と、その解決のために必要な持続可能な社会システムへの転換を行うための時間軸を加えた長期的視点を持った政策を「ワカモノ・マニフェスト」として発表した。
当時、私たちが意識したのは、「若いのに凄いね」と言われたら、「貶されていると思え」、政府や官僚たち、国会議員たちが、「むしろ本質的には、このワカモノ・マニフェストの方が正しい」と評価されるような、さらに誤解を恐れずにいれば、「本気で潰しに来られる様な政策を提示しよう」と言ってきた。
若者でありながら、こうした質の高い政策を作ろうと、当時、政治家、官僚、研究者、コンサルタントなど各分野を専門とする多くの同世代を巻き込みながら、一方で、それぞれの組織の中では「シガラミ」の中で、曲げられてしまう様な反響の大きいものも、こうした「シガラミ」のない外で創る事で、「本質的な問題解決策」を政策として提起する事ができた。
「ワカモノ・マニフェスト」発表した頃、我々は、現状レベルの社会保障を維持し続けるとしたら、その財源をすべて消費税でまかなうなら25%~30%にしなければならないと指摘し、増税と同時に本質的な社会保障改革や歳出削減の必要性を訴えた。
当時増税を率先して訴える政党は一つもなかったが、少なくとも前回の総選挙までには多くの政党が、我々が提案してきた方向へと政策を転換してきた。
我々は、現在の与野党各党に、政策のレクチャーなどにも呼ばれた。
もちろんこうした背景には、様々な要因がるのであろうが、個人的には、現状の問題の提示と、将来的に長いスパンで考えられたあるべき政策をシガラミなく提示していく事は、少なくとも良識ある政治家や官僚には伝わっていくのではないかと感じた。
当時からの歴代「ワカモノ・マニフェスト」についても、「ワカモノ・マニフェスト策定委員会」のホームページに掲載せれているので、興味のある方は、見てもらえればと思う。
後ほども各政党マニフェスト評価についても掲載するが、残念ながら、今回のほとんどの政党のマニフェストは、本来議論すべき税と社会保障の問題などについても、抜本的な改革には触れないなど、これまでの流れから見たら、時計の針が戻った感が否めない。
しかし、こうした選挙だからこそ、自分たちはもちろんだが、さらに若い、将来を担うような世代の人たちには、声を大にして上げていってもらいたいと思う。
こうした中、今回の総選挙の公示直前の11月30日に、我々が「ワカモノ・マニフェスト」を提示し、解説するとともに、若い現役の大学生から質問や指摘、さらには提案をもらうというイベント『「ワカモノ・マニフェスト」大激論! 若者(元)VS 若者(現)』をニコ生で行ったところ、3時間半を超す長時間にも関わらず、来場者は3万3千人以上、コメントも1万6千件以上と、この手の放送としては、極めて多くの皆さんに観てもらうと共に、大きな反響をいただいた。
ニコ生の好意で、この放送をより多くの若者に観てもらおうと、タイムシフトが全公開になり、有料会員にならなくても無料でいつでもどなたでも見る事ができる。
是非、一人でも多くの若者にこうした問題提起を共有してもらいたいと思う。
今回は、放送でも紹介したこの総選挙に対する「ワカモノ・マニフェスト2014」と「各政党マニフェスト若者度評価」を紹介していく事にする。
※「ワカモノ・マニフェスト2014」と「各政党マニフェスト若者度評価」のPDFはこちら
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日本の労働・雇用慣行の特徴は、年功序列・終身雇用と、それに付随する新卒採用偏重にある。日本の労働・雇用慣行の維持には経済成長が必要となるが、現在はそれが厳しくなっている。失われた10年においては、中高年の正規雇用を維持するために、新卒採用が抑制され、就職氷河期世代が生まれた。正規雇用の削減は、非正規雇用の増加によって代替された。日本の賃金は年齢によって決定される年齢給であるため、一度非正規雇用になってしまうと、正社員になることは非常に困難である。
日本の正社員の解雇の難しさはOECD加盟国中第一位であり、ILOやOECDからもたびたび非正規雇用労働者との格差是正勧告を受けている。よって労働契約法を改正し、金銭による解雇を明文化することで、両者の格差是正につなげる。なお、従来も(厳しい条件付きながら)一カ月分の賃金に相当する予告手当の支払いにより解雇は可能とされていたが、これを数カ月~半年分に拡大することを目指す。よって、従来から必ずしも終身雇用が保証されていなかった中小・零細企業労働者にとって、これは明白な規制強化である。
雇用調整助成金のように、特定の正社員だけを優遇する制度は廃止するべきだ。これから就職する学生や失業者の参入を妨げず、万人に公平な失業給付や職業訓練という形で幅広くサポートを提供すべきである。長期的には、給付付き税額控除のような形で、就労意欲を損ねない形での現役世帯向け社会保障の導入を図りたい。人材市場の流動化を妨げているものは、国の制度の中にもある。退職金優遇税制はその代表だ。退職時の「ご褒美」を手厚くしていると、年功序列の「後払い」システムがなくならず、社員が企業に従属せざるを得ない。長期勤続にメリットがあった時代なら意義のある制度だっただろうが、技術革新の早い昨今、早急に見直すべき制度だろう。既に2011年度より「3年内既卒者の新卒扱い」という形で企業側への要請がなされているが、これを一歩進めて新卒採用自体の見直しにつなげたい。日本社会は3月末に卒業して4月1日より新組織にシームレスに進む前提で成り立っているが、バブル崩壊以降、このラインに綻びが生じ、多くの既卒未内定者を生み出している。彼らに対するキャリアパスを整備するのは喫緊の課題である。
01 金銭解雇の明文化および規制強化
02 「同一労働・同一賃金基本法」の制定
03 雇用調整助成金の廃止
04 全労働者対象の、再就職訓練と雇用保険のセット
05 退職金優遇税制の廃止
06 新卒一括採用の見直し
【小見出し】
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高齢世代が受け取る生涯の純受益額(=受益-負担)は約5,000万円のプラスだが、将来世代の純受益額は約4,500万円のマイナスと、高齢者と若者で1億円近い格差が生まれている。その原因の一つが賦課方式の社会保障システム(年金・医療・介護)にある。賦課方式の社会保障システムでは、高齢化の進展によって若年世代に過重な負担を強いることになる。世代間格差のもう一つの原因が、財政赤字の拡大である。消費税が8%に増税せれたが、これは「止血剤」に過ぎない。現状のままでは、いま200%の日本の公的債務残高の対GDP比は引き続き上昇していくことが見込まれており、日本の財政破綻リスクは依然高い。
政治的影響力の弱い若者・将来世代は、社会保障負担の増加や財政赤字の先送りによって、政治的影響力の強い高齢・現在世代から搾取される可能性を持つ。それを防ぐために「世代間公平に関する基本法」を制定すべきである。「基本法」には、「社会保障の受益と負担の調整を担う独立機関」の設置を盛り込む。社会保障の受益水準やベース財源(社会保障給付を賄うための財源)は、政治が決定するが、その受益・負担の調整は「独立機関」が行うことで、若者・将来世代に及ぶ不利益を緩和するのである。実際には、社会保障に事前積立を導入することが求められる。また、財政赤字による将来世代への安易なツケ回しを防ぐために、消費税などを増税することで公債残高の対GDP比を引き下げていかねばならない。
01 世代間格差を是正するため、世代間公平に関する基本法の制定
02 社会保障の受益と負担の調整を担う独立機関の設置
03 受益水準やベース財源(公債は除く)は政治が決定し、社会保障予算をハード化
04 世代間公平の観点から、社会保障に事前積立を導入し、その負担水準や積立の経路は独立機関が決定する
05 公債残高の対GDP比引き下げの観点で消費税を増税
中でも、追い打ちをかける様に、マスコミは「とくに若者の投票率が低い事が問題だ」と煽る。気持ちはよく分かるが、重要なのは、「若者は選挙に行け!」ではなく、「なぜ若者が選挙に行かなければならないのか」を伝え、若者に「選挙に行かなければ!」と思ってもらうことなのだろう。
6年前の2008年、私たちは当時まだ社会的に問題として「世代間格差」という言葉が認識されていなかった中、この「世代間格差」の現状と、その解決のために必要な持続可能な社会システムへの転換を行うための時間軸を加えた長期的視点を持った政策を「ワカモノ・マニフェスト」として発表した。
当時、私たちが意識したのは、「若いのに凄いね」と言われたら、「貶されていると思え」、政府や官僚たち、国会議員たちが、「むしろ本質的には、このワカモノ・マニフェストの方が正しい」と評価されるような、さらに誤解を恐れずにいれば、「本気で潰しに来られる様な政策を提示しよう」と言ってきた。
若者でありながら、こうした質の高い政策を作ろうと、当時、政治家、官僚、研究者、コンサルタントなど各分野を専門とする多くの同世代を巻き込みながら、一方で、それぞれの組織の中では「シガラミ」の中で、曲げられてしまう様な反響の大きいものも、こうした「シガラミ」のない外で創る事で、「本質的な問題解決策」を政策として提起する事ができた。
「ワカモノ・マニフェスト」発表した頃、我々は、現状レベルの社会保障を維持し続けるとしたら、その財源をすべて消費税でまかなうなら25%~30%にしなければならないと指摘し、増税と同時に本質的な社会保障改革や歳出削減の必要性を訴えた。
当時増税を率先して訴える政党は一つもなかったが、少なくとも前回の総選挙までには多くの政党が、我々が提案してきた方向へと政策を転換してきた。
我々は、現在の与野党各党に、政策のレクチャーなどにも呼ばれた。
もちろんこうした背景には、様々な要因がるのであろうが、個人的には、現状の問題の提示と、将来的に長いスパンで考えられたあるべき政策をシガラミなく提示していく事は、少なくとも良識ある政治家や官僚には伝わっていくのではないかと感じた。
当時からの歴代「ワカモノ・マニフェスト」についても、「ワカモノ・マニフェスト策定委員会」のホームページに掲載せれているので、興味のある方は、見てもらえればと思う。
後ほども各政党マニフェスト評価についても掲載するが、残念ながら、今回のほとんどの政党のマニフェストは、本来議論すべき税と社会保障の問題などについても、抜本的な改革には触れないなど、これまでの流れから見たら、時計の針が戻った感が否めない。
しかし、こうした選挙だからこそ、自分たちはもちろんだが、さらに若い、将来を担うような世代の人たちには、声を大にして上げていってもらいたいと思う。
こうした中、今回の総選挙の公示直前の11月30日に、我々が「ワカモノ・マニフェスト」を提示し、解説するとともに、若い現役の大学生から質問や指摘、さらには提案をもらうというイベント『「ワカモノ・マニフェスト」大激論! 若者(元)VS 若者(現)』をニコ生で行ったところ、3時間半を超す長時間にも関わらず、来場者は3万3千人以上、コメントも1万6千件以上と、この手の放送としては、極めて多くの皆さんに観てもらうと共に、大きな反響をいただいた。
ニコ生の好意で、この放送をより多くの若者に観てもらおうと、タイムシフトが全公開になり、有料会員にならなくても無料でいつでもどなたでも見る事ができる。
是非、一人でも多くの若者にこうした問題提起を共有してもらいたいと思う。
今回は、放送でも紹介したこの総選挙に対する「ワカモノ・マニフェスト2014」と「各政党マニフェスト若者度評価」を紹介していく事にする。
※「ワカモノ・マニフェスト2014」と「各政党マニフェスト若者度評価」のPDFはこちら
労働ビックバンで労働雇用の世代間格差の解消を!
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日本の労働・雇用慣行の特徴は、年功序列・終身雇用と、それに付随する新卒採用偏重にある。日本の労働・雇用慣行の維持には経済成長が必要となるが、現在はそれが厳しくなっている。失われた10年においては、中高年の正規雇用を維持するために、新卒採用が抑制され、就職氷河期世代が生まれた。正規雇用の削減は、非正規雇用の増加によって代替された。日本の賃金は年齢によって決定される年齢給であるため、一度非正規雇用になってしまうと、正社員になることは非常に困難である。
日本の正社員の解雇の難しさはOECD加盟国中第一位であり、ILOやOECDからもたびたび非正規雇用労働者との格差是正勧告を受けている。よって労働契約法を改正し、金銭による解雇を明文化することで、両者の格差是正につなげる。なお、従来も(厳しい条件付きながら)一カ月分の賃金に相当する予告手当の支払いにより解雇は可能とされていたが、これを数カ月~半年分に拡大することを目指す。よって、従来から必ずしも終身雇用が保証されていなかった中小・零細企業労働者にとって、これは明白な規制強化である。
雇用調整助成金のように、特定の正社員だけを優遇する制度は廃止するべきだ。これから就職する学生や失業者の参入を妨げず、万人に公平な失業給付や職業訓練という形で幅広くサポートを提供すべきである。長期的には、給付付き税額控除のような形で、就労意欲を損ねない形での現役世帯向け社会保障の導入を図りたい。人材市場の流動化を妨げているものは、国の制度の中にもある。退職金優遇税制はその代表だ。退職時の「ご褒美」を手厚くしていると、年功序列の「後払い」システムがなくならず、社員が企業に従属せざるを得ない。長期勤続にメリットがあった時代なら意義のある制度だっただろうが、技術革新の早い昨今、早急に見直すべき制度だろう。既に2011年度より「3年内既卒者の新卒扱い」という形で企業側への要請がなされているが、これを一歩進めて新卒採用自体の見直しにつなげたい。日本社会は3月末に卒業して4月1日より新組織にシームレスに進む前提で成り立っているが、バブル崩壊以降、このラインに綻びが生じ、多くの既卒未内定者を生み出している。彼らに対するキャリアパスを整備するのは喫緊の課題である。
01 金銭解雇の明文化および規制強化
02 「同一労働・同一賃金基本法」の制定
03 雇用調整助成金の廃止
04 全労働者対象の、再就職訓練と雇用保険のセット
05 退職金優遇税制の廃止
06 新卒一括採用の見直し
【小見出し】
高齢世代と若者世代の格差は1億円!
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高齢世代が受け取る生涯の純受益額(=受益-負担)は約5,000万円のプラスだが、将来世代の純受益額は約4,500万円のマイナスと、高齢者と若者で1億円近い格差が生まれている。その原因の一つが賦課方式の社会保障システム(年金・医療・介護)にある。賦課方式の社会保障システムでは、高齢化の進展によって若年世代に過重な負担を強いることになる。世代間格差のもう一つの原因が、財政赤字の拡大である。消費税が8%に増税せれたが、これは「止血剤」に過ぎない。現状のままでは、いま200%の日本の公的債務残高の対GDP比は引き続き上昇していくことが見込まれており、日本の財政破綻リスクは依然高い。
政治的影響力の弱い若者・将来世代は、社会保障負担の増加や財政赤字の先送りによって、政治的影響力の強い高齢・現在世代から搾取される可能性を持つ。それを防ぐために「世代間公平に関する基本法」を制定すべきである。「基本法」には、「社会保障の受益と負担の調整を担う独立機関」の設置を盛り込む。社会保障の受益水準やベース財源(社会保障給付を賄うための財源)は、政治が決定するが、その受益・負担の調整は「独立機関」が行うことで、若者・将来世代に及ぶ不利益を緩和するのである。実際には、社会保障に事前積立を導入することが求められる。また、財政赤字による将来世代への安易なツケ回しを防ぐために、消費税などを増税することで公債残高の対GDP比を引き下げていかねばならない。
01 世代間格差を是正するため、世代間公平に関する基本法の制定
02 社会保障の受益と負担の調整を担う独立機関の設置
03 受益水準やベース財源(公債は除く)は政治が決定し、社会保障予算をハード化
04 世代間公平の観点から、社会保障に事前積立を導入し、その負担水準や積立の経路は独立機関が決定する
05 公債残高の対GDP比引き下げの観点で消費税を増税



