経緯は以下のとおり。
トステム創業者で、住生活(現LIXIL)グループ元会長が、住生活グループの筆頭株主として保有していた約1347万株を売却。通達どおり類似業種比準価格方式で評価したが、過少評価と判断されたようですね。
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そこで得た約220億円をファミリー会社(非上場)に出資(=上場株式が非上場株式に変換)。
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この取引後に創業者が死亡。長女が非上場株式を相続。
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長女は、財産評価基本通達どおり、非上場株式を時価がわからない株式として約85億円と評価して申告。
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国税は、約110億円の申告漏れを指摘。
以下、朝日新聞(2014/12/8)より一部抜粋。
国税局は一連の取引によって、約220億円の資産が短期間に約85億円に減ったと判断。「通達通りに評価すると極端に低額となり、著しく不適当」と認定した。そのうえで通達中の別の規定を適用し、国税庁長官の指示で、大手監査法人に株式の鑑定を依頼。その結果を踏まえて評価額を算定し直したという。「著しく不適当」と認定された場合、財産評価基本通達総則第6項により、国税庁長官の指示を受けて評価することとされており、この評価との差額が申告漏れと指摘されたようです。
【財産評価基本通達総則第6項】この長女は、おそらく脱税するつもりではなく、税理士さんがルールに従って節税したのだと思われます。
(この通達の定めにより難い場合の評価)
6 この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。
非常に主観的な問題であることが問題だと思います。