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円安がさらに進みそうなもう一つの理由(1ドル=121円台に)

 円安が加速しています。1ドル=120円の壁は相当に厚かったような気がするのですが…でも、その壁を突破するとあとはズルズルと。一夜明けたら1ドル=121円台なのですから。

 では、この流れは何時まで続くのか?

 そろそろ円安局面も終わりに近づいているのか? それともまだまだ続きそうなのか?

 どう思いますか?

 いいことか悪いことかは別にして、私は、まだまだ円安は続きそうな気がします。

 何故そのように考えるのか?

 というのも、昨日、米国の市場が雇用統計にポジティブに反応したように、米国の景気は一層改善する可能性が大きいのに対し、我が国の場合には景気がそれほどよくなる気配はないからです。

 従って、米国ではゼロ金利解除の時期が早まる一方で、我が国は、今の量的・質的緩和策が長引く可能性が大である、と。そして、そうなれば日米金利差がさらに拡大し、従って、円をドルに転換して運用する方が有利になるので、ドル高円安が続く、と。

 「日米の金融政策の方向性の違いが今回の円安の原因だ」とNHKのニュースなどで言っているのは、そのようなことを意味しているのです。

 では、それ以外に、今後円安を加速させる要因が考えられるのか?

 もちろんあります。それは日本の経常収支が悪化することです。

 2014年の通年の経常収支が黒字を維持するか、それとも赤字に転落するかは微妙なところですが、仮に赤字に転落してしまえば、そのインパクトは決して小さなものではないでしょう。ただ、このことについては市場関係者なら十分に認識している筈。

 それ以外には、何か円安を加速させる要因はないのか?

 私は、日米の失業率が一つのポイントになりそうな気がするのです。

 昨日、米国の11月の雇用統計が発表になりました。

 そうです、予想以上に雇用者数が増加したのです。だから市場はそのことに反応し株価は最高値を更新した、と。但し、失業率自体は、前月と同水準の5.8%にとどまっています。

 では、日本の失業率は如何ほどなのか?

 日本は、10月時点で3.5%となっています。

 では、日本と米国と比べて、どちらの国が今後さらに失業率が低下する可能性があると考えられるのか? 如何でしょう?

 でも、ここで何となく釈然としない気になっている人がいるかもしれません。それは、日本の方が米国より遥かに失業率は低いのに、その日本はまだまだ量的緩和策を続ける一方で、米国の方はそろそろゼロ金利政策を解除しそうな段階に来ていることについてです。

 日本の方が遥かに失業率が低いのに、景気は米国の方がいいと言うのか、と。おかしくはないのか、と。

 結局、それだけ日本が「量的緩和策」というドラッグに対する依存度が強くなっているということなのです。物価が上がらないことが景気が悪いことの絶対の証拠だと考え、失業率の低さには目を向けようとはしない、と。換言すれば、余りにもデフレに目を奪われ過ぎているということなのです。

 で、今後、日本の失業率がさらにどの程度まで低下する可能性があるかと言えば…これ以上低下するのは相当困難な局面に至っていると言ってもいいでしょう。だって、むしろ人手不足が問題になっているほどですから。その一方で、米国の方はと言えば恐らく4%近辺まで下がる可能性は否定できないので、米国では、今後ゼロ金利解除後に徐々に金融が引き締められる可能性があるということなのです。

 ということで、今後益々円安が続く可能性が大であるとみていた方がいいでしょう。

 但し、円安を止めそうな要因が全くないとは言えないことにも注意をしておく必要があるでしょう。

 それは何か?

 円安を止めそうな一番の要因とは、今後インフレ率が目標値の2%を超えるような事態に至ることです。何故かと言えば、そうなれば日本においても量的緩和策を解除することが予想されるからです。

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