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在沖海兵隊グアム移転予算について

2日、在沖縄米海兵隊4000名のグアム移転に関し、米上下両院軍事委員会が、執行を一部凍結していた日本政府拠出の予算について、全額を凍結解除することで合意した、と公表された。

グアム移転予算については、米議会が普天間飛行場の移設を含めた米軍再編全体の先行きが不透明だとして、2012会計年度の法案で予算執行を凍結し、13、14会計年度の法案でも一部を除いて凍結が継続されていたが、本年5月、米下院が資金の支出禁止条項を削除し、政府要求の予算約5100万ドルを承認する法案を可決。

同月の米上院軍事委員会は、資金支出禁止措置を継続する方針を可決したが、グアムにおける全ての計画検討・設計事業の実施、南アンデーセン地区特殊車両走行訓練及び都市型訓練施設整備工事の実施、米国政府による予算要求事業などについては例外として承認されており、2日(米国時間)、米議会上下両院で、合意した修正案が公表されたもの。

今後、12月中旬頃までに、米議会上下両院で、米国防長官授権法案の審議が行われ、議会承認後、国防授権法案への大統領署名となる見込みだ。

今回の合意は、日本政府が普天間飛行場の辺野古への移設を推進する方針を明確にしていること、米国防総省が施設整備費の見積もりなどを盛り込んだ基本計画を議会に提示したことが評価されたものであり、この合意によって、沖縄県の基地負担軽減が、目に見えるかたちで図られるものと期待されるが、あとは、わが国内での移設へ向けた進展が問われることとなる。

グアムは、伊豆諸島、小笠原諸島から伸びる、いわゆる「第2列島線」上に位置する枢要な地域であり、防衛大綱においても、日米同盟の抑止力および対処力の強化として、西太平洋における日米のプレゼンスを高めつつ、グレーゾーンの事態における協力を含め、平素から各種事態までのシームレスな協力態勢を構築するとされており、その一環としてグアムおよび北マリアナ諸島連邦(テニアン島、パガン島など)に自衛隊および米軍が共同使用する訓練場を整備することとしており、それらの進展も期待される。

また米政府は、リバランス(再均衡)戦略の柱として、2020年までに米軍艦船の60%をアジア太平洋地域に振り向ける計画であり、米太平洋軍の次期司令官に指名された日系米国人のハリー・ハリス海軍大将が、同日、上院軍事委員会の指名公聴会で、米軍艦船全体の56~57%、潜水艦の60%が、アジア太平洋地域に配備済みであり、「現在289隻の艦船は、20年までに308隻になる」と証言するとともに、日本、タイ、フィリピン、オーストラリア、韓国の同盟5カ国に対し、中国が敵対的な行動をとった場合、「同盟国を支えるため、条約義務を履行する」と述べた、と報じられている。

前述のとおり、防衛大綱において、日米同盟の抑止力および対処力の強化として、西太平洋における日米のプレゼンスを高めるとされており、わが国の太平洋正面の態勢の整備も課題であろう。

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