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固定価格買取制度の見直しの方向性について②:経産省から示された方針案

12/2の新エネ小委員会において経済産業省の再エネ政策の見直しの方向性が概ね示され、前回の記事の内容から進展したので簡単にまとめることにする。(資料・画像は全て同会議より引用)まず「国民負担の適正化に向けた対応について」ということで二つの方針が示された。

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(1)調達価格(売電価格)決定後のコスト構造の変化への対応

論点になっていた「太陽光発電の運転開始前案件における、売電価格の変更を伴わないでできる設備の軽微な変更の範囲」だが以下の設備仕様の変更は運用を変え、今後は大幅な変更として処理され、その時点で売電価格が見直される(=年度をまたいだ場合は価格が下がる)との案が経済産業省から示された。

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☆出力の変更。ただし、20%未満又は10kW未満の出力減少は除外。

☆太陽陽電池の基本仕様(メーカー、種類、変換効率)の変更。ただし、メーカーの倒産等によるやむを得ない変更、変換効率を向上させる変更は除外。

☆これらの変更に当たっては、変更認定手続きを経ることとし、50kW以上の設備については、原則180日以内に変更後の設備の確保を条件とする。

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大きな影響を与える変更ではあるが、内容に関してはそれほどおかしいものではないし、運用変更のタイミングについても「必要最低限度の猶予期間」と言及されているので、若干の例外の修正が処された後に、遅くとも年度内には新ルールに変更されると思われる太陽光発電の運転開始後の設備の変更の場合も同列として、出力の増加があった場合は売電価格を見直す方針が示されたので、今後は出力を増加する場合は別の設備として別途認定を受ける方向にインセンティブが働くことになる。こちらは新ルール適用に向けて「相当程度の猶予期間」が置かれるとされていることから、対応は来年度中の運用変更が予測される。

なお他の小水力、風力、バイオマス、地熱については特段の方針が示されておらず、これまで通り「出力2割の範囲の増減」は軽微な変更で認められるモノと考えられる。

(2)調達価格(売電価格)の決定時点の再検討

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売電価格の決定時期については「接続契約の申し込みと(経済産業省による設備の)認定のいずれか遅い時点」という現行の制度から大きく転換し、一定の条件付きで「接続契約時と認定のいずれか遅い時点」に売電価格が決まる案が示された。経済産業省の表現は以下の通り。

「原則として接続契約の締結と認定のいずれか遅い時点の調達価格とするが、電力会社側の理由で、接続申込みから相当期間(9か月)を経過しても接続契約の締結に至ってない旨の電力会社からの証明があれば、当 該期間が経過した時点と認定のいずれか遅い時点で調達価格を決定。」

ということでモデルケースはある年度に太陽光発電事業を始めようと思った場合、「①始めの4〜6月に電力会社との事前調整をして、②並行して6月までに経済産業省の設備認定を取得して、③その後9ヶ月のうちに電力会社と接続契約を結ぶ、」ということになる。こちらは告示改正手続きが必要なので、年明けに改正案が示されることになる。

(3)滞留案件への対応について

つづいて「滞留案件の対応について」という項では経産省が積極的に動きが止まっている案件の契約を解除していく意思が強く示された。

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この点複雑なので、説明を交える。まず「滞留案件とは何か」ということなのだが、発電事業者から電力会社への系統接続契約の申し込みが行われていながら何らかの事情で動きが止まっている案件のことを指す。大きく滞留案件は三つに分担され、

①電力会社からの「連携承諾」が得られ、系統への接続枠が確保されたがその後の契約締結に向けた動きが止まっているもの、

②契約交渉は行われ電力会社が事業者に示した工事負担金を支払わない案件、

③工事負担金は払ったが工事が進まず完成・運転しない案件、

がある。

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これらの滞留案件をそのままにしておくと、接続枠のみ確保され、実際の再エネの導入が進まないことになる。 そのためガシガシ契約の解除を進めて接続枠を解放する方針が提示された。また、そもそもこれらの滞留案件が生まれてしまうのは、連携承諾、工事負担金の支払い、完成、というそれぞれのステップに明確な期限が設定されていないことに起因する。そこで経済産業省としては今後このような滞留案件を生まないため、工事負担金の請求がされてから一ヶ月以内に支払いが無い場合は電力会社が契約を解除することを奨励する方針も提示した。

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 (4)その他(地方自治体への情報提供、送電線増強)

その他林地開発等で地方自治体の許認可を得ない違法な開発案件が多発していることから、行政側の運用面での見直しの方向性として、地方自治体に経済産業省の認定情報を提供する仕組みを構築することも示された。

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また特定の地域で複数の大型発電所案件が並行して展開され、送電設備の増強が必要となる場合、これまで電力会社は事業者単独で設備増強することを前提に負担金を請求していたのを、今後は複数事業者単位で取りまとめて入札方式で工事負担金を決めるものと変更することにした。これは群馬県等に先例が見られるものを、拡大するものである。

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総じてこれほど山積みの問題に対して、上手く経産省は対応しているように思われるが、変更手続きの運用変更は現場に混乱をもたらすので周知期間を置いて欲しいと改めて思う次第である。

他方で今後太陽光発電から政策の重点を、地熱、小水力、バイオマスに振り返ることが何となく資料から透けて見えるのだが、具体論は示されていないため、この点に向けて議論が深まることを期待する。

ではでは今回はこの辺で。

■関連記事
固定価格買取制度の見直しの方向性について①:調達価格の決定メカニズムに関して

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