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何で共産党ってカジノだけを目の敵にするの?

昨日の「各党公約分析: 観光政策の観点から」なるべく公平に各党公約を分析するという立場でしたので、あまり煽り的な文言は入れませんでした。本日はその「こぼれ話」として私見バリバリで申し上げるのならば、「共産党の公約、意味わかんない」の一言であります。

いや、共産党の公約に書いてある現状分析の部分は、全く間違っているとは思わないんですよ。
厚生労働省の研究班が2014年8月に発表した調査報告によれば、日本人男性の8.7%、女性の1.8%が病的賭博(ギャンブル依存症)の患者にあたるとされ、その合計は536万人と推計されることが明らかにされました。同様の海外の調査では、米国(02年)1.58%▽香港(01年)1.8%、韓国(06年)0.8%――ですから、日本の「病的賭博」患者の比率は際立って高くなっています。

日本でギャンブル中毒者の数が突出して多い最大の原因が、パチンコ(パチスロ)にあります。6種類の公営賭博の売り上げの合計は約6兆円ですが、これにたいしてパチンコ(パチスロ)の売り上げは、その3倍以上の約19兆円に達します。しかも、病的賭博患者をめぐっては、個々人やその周りの親しい人びとの問題だけではないということです。パチンコ駐車場にとめた車内への乳幼児の放置の事件、賭博が原因となる事件・事故、トラブルなどは毎年、毎月のように発生しています。

厚生労働省研究班の発表した国内有症者536万人という「数字」に関しては、専門家の中でも異論/反論が渦巻いていますから、数字そのものの真偽は置いておくとして、おそらく我が国の依存症の有症率はその他の国と比べても高いであろうという点に関しては、多くの人は同意をするところです。また、その依存のうち約8割がパチンコおよびパチスロに対する依存であるというのもまた報告されている事実でありまして、繰り返しになりますが共産党の現状分析は正しいのですよ。

ただね、共産党のロジックが判らなくなるのは、そのような現状分析を示しておきながら、なぜかその批判の矛先を「問題の原因である」として断罪するパチンコではなく、「一足飛び」でなぜか今は日本に存在しないカジノに対して向けているという論理的な飛躍です。

百歩譲って「こうしたときに、カジノを合法化するなどというのは、とんでもない愚挙」とする主張は一つの論であるとしても、少なくとも共産党が断罪する我が国のギャンブル依存症の現状に、今は日本に存在していないカジノは全く影響していないワケで、カジノに反対することは現状の解決策にはなりません。じゃぁそちらに対しては、どのような施策を取るのですか? というのは当たり前に出てくる疑問なワケですが、共産党の公約は「現在の問題」を壮大に煽るわりには、肝心要の「それにどのように対処するのか?」に関する記述は全く見当たらないのです。

実は同じような疑問を持たざるを得ない記述が、公約の別の項目の中にもあります。

スポーツをギャンブルで汚染する「サッカーくじ」を、海外のゲームに拡大し、高額な当せん金で射幸心を煽り、その不安定な収益金をスポーツ予算の主軸にするやり方にストップをかけ、財政の健全化に努めます。
彼らに言わせれば「サッカーくじ(いわゆるtoto)」は、スポーツをギャンブルで汚染する悪の根源という事なようですが、よーく見てみると、この公約って「サッカーくじを海外のゲームに拡大すること」に反対しているのみであって、現存する「サッカーくじそのもの」への対処に関してはなんら言及はしていないんですよね。サッカーくじが彼らの言うところの「スポーツをギャンブルで汚染する」存在であるのなら、その存在そのものを「無くす」となぜ公約化しないのでしょうか?

・ 「ギャンブル依存症の最大の問題はパチンコだ」としながら、既存のパチンコに対する施策は全く表明せず、なぜか今はない「カジノ」のみに矛先を向ける。
・ 「スポーツをギャンブルで汚染するサッカーくじ」としながら、サッカーくじの存続そのものには言及せず、なぜか新しく導入された「海外ゲームへの拡大」のみに矛先を向ける。

要は、彼らが問題だとして示している現状分析と、そこから出されている公約が完全に食い違っているのですよ。彼らがやっている事は、結局「変化」に反対をしているだけであり、己自身が問題提起した事柄には全く持って真正面から切り込んでいないのです。

先日、twitterで以下のようなツイートが流れてきたワケですが、「言い得て妙」だなぁと改めて思っておるところです。

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