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母乳が出ないママのためのクッキー「Milkin'Cookies」

赤ちゃんに授乳するべきか、ミルクを与えるべきかという問題について、WHO(世界保健機構)は、「育児の際には6カ月まで授乳のみで育て、2歳に到達するまでは母乳も加えながら子育てをすることが理想である」としている。

授乳の効果については栄養学的な見地や「授乳を続けることによって心理的に母子のつながりが強くなる」という意見もあり、こちらが理想とする意見が主流であるようだ。

しかしそうした効果を承知しながらも、米国の母親が赤ちゃんの生後6ヶ月まで授乳をつづけたケースは半数ほどに留まっている。その背景には、仕事や育児のストレスなどが原因で、母乳そのものが出ない母親が増えているという問題が挙げられるそうだ。

今回紹介する「Milkin'Cookies」は、そうした「母乳が出ない」ことに悩みを持つ母親をターゲットとしたECサイトだ。同サイトでは母乳の増加を促す効果を持つクッキーを製造・販売している。同じような効果を持つ薬やハーブなどはこれまでも存在するが、それらに比べて安全なものが使われており、副作用のリスクが低いのが特長だ。

母乳効果を高め、安全で副作用のないクッキーを

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現在Milkin'Cookiesでは母乳を増やす効果のあるクッキー4種類を販売している。ラインナップはクランベリーアーモンドとチョコレートチップ、その両方が半分ずつ入ったバラエティパック、そして乳製品不使用のクランベリーアーモンドだ。

これらのクッキーはただ母乳増加の効果があるだけでなく、できるだけ美味しく、体に良く、安全であるようにと工夫されている。クッキーは手作りの味を維持するため、小さなかまどで焼成。またできるだけ鮮度を保つため、1枚1枚を袋に詰めているのだ。

また母親や子どもの体に影響を及ぼす食べ物であることから、すべて自然原料から製造しているので、保存料や人工添加物、薬、ハーブ類などは使用していない。ただしそのために消費期限を2週間と短く、期限を越える場合は冷凍保存すると良いそうだ。

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いずれも全粒小麦粉、オート麦、亜麻仁(見た目はゴマに似ており、食に不足している栄養素を補えることで人気がある)など母乳を増やす効果のあるもので作られている。また赤ちゃんの肥満につながることのないよう、カロリーは意図的に低めに抑えているらしい。

商品の価格は14枚入り21.99ドル(約2600円)、30枚入り46.55ドル(約5500円)の他、21日ごと、30日ごとに30枚のクッキーが送られる定期購入も利用できる。なお、母乳を増やす効果を得られる摂取量は1日1枚以上とのこと。つまり14枚入りは2週間分、30枚入りは1ヶ月分に相当することになる。ただし効果を早く得たい場合は1日2枚からスタートする形でも構わないという。

クッキーをどの時間に摂取するかは特に定められていないが、午前のおやつとして食べるのが最適だそうだ。また朝食代わりに食べる人もいるという。もちろん授乳を行う母親以外の人が食べたとしても害は起こらない。

同サイトでは、授乳に悩む母親本人だけでなく、医療関係者からの注文も受け付けている。患者の母乳を増やしたいと考えている医師がこのクッキーを試したい時には、連絡をすることでサンプルの送付をしてくれるのだ。

こうした健康食品が、医療関係者と積極的に連携を図るのはなかなか珍しいが、Milkin'Cookiesはどの程度母親や医療関係者からの理解や支持を得られているのだろうか? 以下でこのサイトの成り立ちとともに詳しく見てみよう。

同僚らとともに試食し、クッキーの効果を実感

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Milkin'Cookiesの創業者はLennox McNeary氏(以下レノックス氏)とCheri Wiggins氏(以下チェリ氏)。2人はともに内科に勤務する医師で、家に帰ると育児に追われるという多忙な生活を送っていた。チェリ氏は既に子育てをした経験があったので、初めて子どもを持つレノックス氏にとっては格好のメンターだったという。

2人には、子育てについてある共通の悩みがあった。それが「子育てに充分なだけの母乳が出ない」ということだった。これはレノックス氏らのみならず、米国でもよく見られる問題だ。

先天的に母乳の量が少ない女性は5%程度と少ないが、育児や仕事のストレスなどが原因となって、母乳の量が減ってしまう母親が多いのだという。母乳量の増加に効果のある処方箋やハーブはあるが、副作用への懸念から警戒する人も多いそうだ。

レノックス氏らも、チェリ氏があるハーブ由来の補助食品が母乳の増加に効果があると聞きつけ、2人でこの食品を試してみたのだが、メープルシロップのような匂いがするようになって結局やめてしまったという。また他の催乳効果のある薬についても副作用が心配で使うことができなかった。

母乳を増やしたい、けれどもその方法が分からないで困っていた2人。ある時レノックス氏は、チェリ氏がよく家族のためにチョコレートクッキーを焼いていたことから、クッキーを使って母乳を増やすことができるんじゃないか、と提案した。食品であれば薬やハーブに比べて副作用の心配が少なくなるからだ。

「食品を使って母乳を増やす」ことを考えついた2人は、それからそうした効果のある食品や物質について研究をするようになる。特に授乳婦がこれまでどのようなものを試してきたのか、伝統的に授乳婦が食べてきた食品や飲んでいるお茶などについて調べていったという。

こうしてデータを集めた結果、それらの成分を守る上で一番相応しい食品がクッキーであることが分かったという。レノックス氏らが特に「母乳を増やす効果が高い」と見なしたのは酵母と小麦胚芽、オートミール、亜麻仁、そして全粒小麦粉だった。

2人はチェリ氏のチョコチップクッキーをベースに成分を調整し、クッキーを焼いては試食した。またクッキーを持ち出して母乳で赤ちゃんを育てている同僚にも試してもらった。そして彼女たちが「クッキーを食べるようになって母乳が増えた」と報告するに至って、このクッキーの効果を確信したという。

販売するクッキーの種類はオートミールチョコチップとクランベリーアーモンドに決定。また乳成分を受け付けない赤ちゃんのために、乳成分の入っていないクランベリーアーモンドも作った。

彼女たちのつくったクッキーをバカにしたり眉をひそめるものもいたが、全体として医学会からの反応も良好で、米国小児科学会、米国家庭医学会などからの支持も得られたそうだ。また2011年にレノックス氏らが行った追跡調査では、同サイトのクッキーを食べた顧客の98%が母乳量が増えたという報告も得られたという。

「実際のお母さんたちによってテストされているから、お金を払う価値がある」

健康食品は、本当に効果があるかどうかや副作用への懸念から、購入や利用をためらってしまうことも多い。赤ちゃんや母親の体に影響を与えうる食品であればなおさらだろう。

しかしこのサイトでは、医学に精通、しかも実際に母親でもあった2人が創業し、クッキーを自分たちや同僚の母親たちと試食しながら効果を確かめている。こうした創業者たちのバックグラウンドと試みが、クッキーやサイトに対する信頼性を何倍にも高めているのだ。

同サイトを取り上げたStuff Parents Needの記事では、このクッキーが安全であり美味しく、妊娠中の体に良い繊維がたっぷり入っていることなどを紹介するとともに、このサイトの持つ信頼性に言及している。

"私は、このクッキーが実際のお母さんたちによってテストされており、素晴らしい結果を生み出しているので、お金を払う価値があると思っています"
Stuff Parents Needの記事より

レノックス氏らの思いのこもったクッキーは根強いファンをつくった。この成功は彼女たちの経歴と、より良いクッキーを作るために試行錯誤したストーリーへの信頼性がもたらしているといえるのではないだろうか。

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