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米国の眼はごまかせなかった読売新聞の慰安婦謝罪記事 

 慰安婦問題に関する記事の謝罪といえば朝日新聞と相場は決まっている。

 ところがその朝日新聞の天敵である読売新聞が、11月28日の紙上で奇妙な謝罪をしていた。

 すなわち読売新聞はこう謝罪していたのだ。

 読売新聞発行の英字紙「デイリー・ヨミウリ」(現ジャパン・ニュース)が1992年2月から2013年にかけて「性奴隷」(SEX SLAVE、SERVITUDE)など不適切な表現を多用していたことが社内調査でわかった、誤解を招く表現を長く使って来た事をお詫びするとともに、訂正させてもらうと、そう謝罪して訂正したのである。

 これは朝日の謝罪のどさくさに紛れて、自らの矛盾をたくみにごまかそうとした謝罪記事である。

 つまり読売新聞は、みずから認めているように、慰安婦の英訳はCONFORT WOMENという表現にしたかったが、この表現では関連知識のない外国人読者には理解困難だったため、外国通信社の記事に倣ってSEX SLAVEなどと安易に書いてしまった。しかしこれでは自ら否定する強制性を求めるようなものだ、SLAVEとはまさしく強制された奴隷だからだ、だからこの際それを使った事をお詫びして訂正するというのだ。

 これは強制性を否定する右翼の読者に向けられた謝罪と訂正である。

 しかし、こんなごまかしの謝罪と訂正は、読売新聞の読者や、問題意識の希薄な多くの日本国民には通用するかもしれないが、「性奴隷」という言葉を最初に使った米国はもとより、多くの国際社会には通用しない。

 慰安婦が「性奴隷」であった事は事実であり、その最も適切な表現であるSEX SLAVE という言葉は、次期米国大統領の最有力とされているヒラリーク・リントン自身が国務長官時代に率先して使っていた言葉であるからだ。

 だから SEX SLAVE という表現を撤回して、今後は使わない、とする読売新聞の謝罪記事は、いよいよ読売新聞がその本性をあらわしたか、と警戒されて受け止められた。

 すなわち共同通信が配信し、それをきょう11月30日の産経新聞が報じた。

 米国のワシントンポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙らが、この読売「新聞の謝罪記事を次のように警戒心を持って報じた、と。

 (この読売新聞の訂正記事の動きは)「日本の戦争中の歴史を再評価しようという安倍晋三首相が主導する大きな動きの中で起きた」と。

 米国の眼はごまかせなかったということだ。

 墓穴を掘るとはこのことだ。

 またひとつ、安倍首相とその応援紙である読売新聞は、米国の不信感を高める事をしてしまった(了)

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