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2014.12.01

■12月某日 高倉健さんに続いて菅原文太氏も移住性肝がんによる肝不全で亡くなった。81歳だった。07年に膀胱がんを患ってからは仕事量を減らし、山梨県北西部に農園を開き、有機栽培の農業にも取り組んでいた。菅原氏は宮城県仙台市の出身。地元を襲った3・11東北大震災の復興の遅れに怒りのコメントを口にすることもあった。「仁義なき戦い」や「トラック野郎」などの役者のイメージが強いが、反原発や反戦にも理解を示す社会派でもあった。沖縄の県知事選においても、セーラースタジアムで開かれた翁長雄志陣営の総決起集会でも来賓として挨拶。この時も体調は悪かったが、仲井真候補に向けて「まだ弾は残っているけん」と凄みのある短いセリフを披露してくれた。体調は悪くても役者としての存在感は十分だった。主催者に菅原文太氏を推薦したのは筆者だった。今年の二月にテレビの仕事で上京した折、筆者の友人から「菅原文太夫婦と食事をしないか」と誘われたが、菅原さんが体調が悪いという事で実現出来なかった。文太さん、安らかにお眠り下さい。合掌。

 いよいよ、明日は12月14日投開票の衆議院選の公示日である。大義なき解散総選挙、明確な争点なき選挙戦で有権者の関心は盛り上がりにかけるようだ。あわただしい12月に行われる総選挙は投票率も低いのが通例だ。一強多弱の安倍政権がこの時期に解散を仕掛けたのは、沖縄県知事選敗北のショックを覆い隠すためでもあり、アベノミクスの失敗から目先を変える狙いもあったはずだ。しかもこの時期の解散総選挙なら、野党の選挙準備が整っていないことから勝機と見たのだろう。自民党、公明党で295席の過半数を制することは難しい目標ではないという判断だろう。安倍政権は原発再稼働、特定秘密保護法、集団的自衛権行使のための安保法制など、国論を二分する課題が待ち受けている。今のうちに解散総選挙で、安定政権を築き上げておけば、長期政権に向けた展望も開けるという判断なのだろう。

 しかし、沖縄に限ってみれば、自民党選出の4人の自民党議員は厳しい選挙戦が待ち受けている。4選挙区には県知事選で翁長雄志氏を当選させたオール沖縄の県民党が対立候補を立てて勝負を挑むからだ。一区には国場幸之助氏が立つが、共産党の赤嶺政賢氏と維新の会の下地幹郎氏の三つ巴戦。二区は照屋寛徳氏と自民党の宮崎政久氏の一騎打ち。三区は自民党の比嘉奈津美氏と生活の党の玉城デニー、4区は自民党の西銘恒三郎氏と仲里利信氏の一騎打ち。自民党議員は安倍政権の恫喝で辺野古の県外移設を捨てて、容認に転じた「転向者」ばかり。前回の県知事選で辺野古新基地建設を容認した仲井真氏は辺野古新基地反対派の翁長雄志氏に10万票の大差で負けた人物。県知事選と同様の選挙戦で戦うオール沖縄の県民党の勢いは止まりそうにない。全国的には選挙の争点はバラけるだろうが、沖縄においては、辺野古新基地建設問題は最大の争点になるはずである。そうなれば、転向者の自民党4人組に勝ち目はない。せいぜいが比例で救われるかどうかだろう。

 安倍政権は自らの基盤を立て直すために、沖縄自民党を見捨てたともいえるのだ。この沖縄型の選挙戦が全国的に広がれば、自民党の苦戦は避けられないところだが、野党の選挙戦術がバラバラでは、安倍政権はうすら笑いするだけだろう。見たくない光景である。

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