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国民投票は選挙制度の欠陥を補う

 一昨夜の老人党護憲+の例会では、先ごろの「スコットランド独立の可否を問う国民投票」を現地取材してきた大芝健太郎さんの報告を聞きました。豊富な映像資料を上映しながら、住民投票の投票日を迎えるまでの、現地へ行かなければわからない、さまざまな事情を知ることができました。

 スコットランドは、1707年に併合されてイギリス「連合王国」の一部分になるまでは、独立国だった歴史がありました。地理的にも、北欧の国からの影響が強い位置にあります。人口規模はイギリス全体の9%程度ということです。国内政治の上では、労働党の強い地盤でもあります。労働党は独立運動に理解を示して住民投票で意思決定する道を開いたのですが、独立そのものに対しては、保守党とともに反対の立場でした。スコットランドが独立したら、有力な支持地盤を失うからです。このあたりに、現地へ行ってみなければわからない微妙な問題があるのでした。

 投票を前にして、住民の間では盛んな学習と集会が行われるようになりました。政治課題で住民投票をすれば、民主主義の民度が格段に高くなるというのが、世界を取材して歩いている大芝氏が実感し、日本国内にも根づかせたいと思っていることなのです。最後的にはYESかNOかを多数決で決めるにしても、それまでの間に学び論じる時間を充分に使うことができます。そして勝敗が決まったあとでも、不満と分裂ではなくて、自分たちで決めた納得が得られるというのです。

 今回は周知のようにスコットランド独立は小差で否定されました。それでも本気で引止めにかかったイギリス政府から、自治権拡大などの大幅な譲歩を引き出すことができました。住民が直接投票をもって意思表示する「直接民主主義」は、それだけの力を持っているのです。

 関連する資料として、世界各国での国民投票の事例なども紹介されたのですが、スイスでの国民投票制度が印象的でした。一年に4回の国民投票が、法律により制度化されているのです。かけるべき議題がなければ行われませんが、ウィキペディアによると、有権者5万人または8州以上から請求があれば、その議題は自動的に国民投票に付託されるようです。こういう方法が制度化されていれば、代議制民主主義が民意から乖離する問題を、ほぼ根本的に解消することができるでしょう。

 選挙制度は、どのように工夫しても、常に完全に民意を正確に反映することはできません。政権与党の党略によって制度が歪められている日本にあっては、なおさらです。間接民主主義の欠陥を補う国民投票制度の導入は、今の日本にこそ欲しいものです。原発について、集団的自衛権について、消費税について、ぜひ国民投票をしてみたいものです。国民投票制度に賛成する政党は、どことどこでしょうか。

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