厚生労働省は、多くの患者が門前薬局で薬を受け取っている現状を改め、今後は患者がどの医療機関を受診しても、身近なところにある「かかりつけ薬局」を利用するよう、医薬分業の在り方を転換すると発表しました。
■参考記事
・厚労相 かかりつけ薬局で過剰投薬防止へ – NHK NEWSweb
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150522/k10010088...
・医薬分業等に関する資料 – 規制改革会議健康・医療WG 厚労省提出資料
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/...
かかりつけ薬局のメリットとして、厚労省は
〇薬剤師が専門性を発揮して、患者の服用薬について一元的な薬学的管理を実施
〇これにより、多剤・重複投薬の防止や残薬解消なども可能となり、患者の薬物療法の安全性・有効性が向上するほか、医療費の適正化にもつながる
と説明しています。
具体的な制度化は今後検討される予定ですが、厚労省は例として以下のような薬局の評価を挙げ、「患者がメリットを実感できるような調剤報酬」を目指すとしています。
・在宅活動や24時間対応など、地域医療に貢献することの評価
・処方薬の一元的・継続的管理に対する評価
・後発医薬品の使用促進に対する評価
・いわゆる門前薬局の評価見直し
とはいえ、患者側にとっては、薬局に行く際の利便性が損なわれるうえ、国の評価が高い(基本調剤料等も高くなる)薬局を利用すると、門前薬局より負担金が増えてしまうという矛盾も生じます。
このため薬剤師の間では、この厚労省案に対する反発が根強く、
・規制改革会議で提案された「リフィル処方箋(複数回使用できる)」制度を日本でも解禁し、患者側が直接薬局に行くことで調剤を受けられるようにする
・同じ薬局で月2回目以降は負担金を減額するなど、かかりつけ薬局を利用するインセインティブを設ける(医科の初診料・再診料のイメージ)
といった、別の方法を採用するよう求める声が広がっています。
読者の皆さんは、こうした厚労省の手法を評価されるでしょうか?
どのような制度・料金体系であれば、「かかりつけ薬局」を利用しようと思いますか?
また、患者さんがメリットを実感するためには、どのような薬局の姿が望まれるでしょうか?ご意見をお聞かせください。