篠田 英朗の記事一覧

木村草太教授の『自衛隊と憲法』の問題点(5)「軍事権」学説による「戦前」の肯定

「軍事権のカテゴリカルな消去」は、憲法学者・木村草太教授の誇るオリジナルな学説だ。着想は、石川健治・東京大学法学部教授の言説から得ているようだ。だが石川教授の論説は、思想的な概念を使いながら色々と評論しているだけだ。とても真面目な憲法学説を展開するものには見えない(石川健治「軍隊と憲法」水島朝穂『立憲的ダイナミズム』[2014年]所収、石川健治「前衛への衝迫と正統からの離脱」[1997年])。しか...

2018年05月22日 17:17

木村草太教授の『自衛隊と憲法』の問題点(3)「芦田修正説」レッテル貼りの虚妄

イデオロギー対立の中で他者否定の際に使う「紋切型」には、いくつかのパターンがある。たとえば「戦前の復活だ!」などが、誰でも知っているお馴染みの紋切型だ。憲法学者特有のややテクニカルな例では、「芦田修正...

2018年05月16日 15:59

木村草太教授の『自衛隊と憲法』の問題点(2)国際法の軽視

木村草太教授の『自衛隊と憲法』では、第1章が「国際法と武力行使」と題された国際法の話になっている。それをあえて第1章に持ってきたのは、「集団安全保障や個別的自衛権・集団的自衛権の概念そのものを悪者扱い...

2018年05月15日 17:33

木村草太教授の『自衛隊と憲法』の問題点(1)集団的自衛権の扱い

木村草太教授の新刊『自衛隊と憲法』(晶文社)は、「憲法と自衛隊の関係について、適切に整理」し、「改憲論についても、ポイントを解説」したものだという(6-7頁)。確かに、他の木村教授による著作と比べると...

2018年05月09日 10:32

金正恩氏は、憲法学者の言うとおりに、まだミサイルを発射するか?

石川健次・東京大学法学部教授は、10カ月前、次のように予言していた。―――――――――「安倍政権の支持率が下降すると、必ず絶妙のタイミングで、北朝鮮からミサイルが寸止めの形で発射されてきます。敵対関係...

2018年05月05日 13:01

木村草太教授の学説は憲法学界を代表しているのか

米・英・仏3カ国が、ダマスカス近郊の施設に攻撃を行った。米国による昨年の4月の攻撃の際、ブログで書いたことだが、http://agora-web.jp/archives/2025413.html 国連...

2018年04月15日 09:49

あらためて木村草太教授の集団的自衛権違憲論に疑問を呈する

昨日のブログで、北岡伸一JICA理事長と私との対談記事を掲載していただいた『中央公論』を紹介しつつ、木村草太教授の「メディアにもてはやされている極端な意見を言う人」発言について、ふれた。http://...

2018年04月13日 15:09

「必要最小限の実力」という概念について

自民党の憲法改正推進本部が、「必要最小限の実力組織」という表現を取り除いて、改憲案をまとめる方針を固めた。それを見て、非常に曖昧で混乱を招いてきた概念なので、憲法典に挿入しない方がいい、というブログを...

2018年04月03日 02:33

西部邁氏と日本における国際法の理解

大学人にとって、3月は調査出張シーズンだ。私も、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカと渡り歩いてきている(ブログも海外から更新している)。ただ国立大学に勤めていると、試験監督などには戻ってこなければならない...

2018年03月26日 07:17

自民党憲法改正推進本部の動きについて

自民党の憲法改正推進本部が、改憲案をまとめる方向を固めたという。今月に入ってから、「森友祭り」を理由にして、多くの論者が「憲法改正は不可能になった」と論じていただけに、自民党案を一本化して提示する方向...

2018年03月23日 15:33

「森友祭り」と憲法改正

日本では「森友祭り」が華やかなようだ。つくづく日本には、政策ではなく政局にしか関心がない人たちが多いのだな、と感じる。意識して記事をフォローしているわけではなくても、お馴染みの人たちがお馴染みのポジシ...

2018年03月17日 14:35

石破案と安倍案は、どう違うのか

石破茂氏が、2項維持案に賛成する意向だ、と報じられた。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27401440W8A220C1MM8000/ 言うまでもなく、石破氏の...

2018年02月28日 02:55

9条解釈「通説」と、目的と手段の倒錯

平昌オリンピックが閉幕した。パフォーマンスのみならず、自らの可能性を極め、お互いを尊重しあうアスリートたちの姿は美しく、胸を打った。それに比べて醜悪なのは、オリンピックをめぐって駆け引きを展開させる政...

2018年02月26日 08:13

合衆国憲法修正2条と日本国憲法9条

フロリダ州の高校銃乱射事件で、アメリカでは銃規制の問題が、あらためて大きな議論を巻き起こしている。世論の3分の2が規制強化を支持しているというが、全米ライフル協会の影響力もあって、規制は進まない。それ...

2018年02月23日 22:07

目の前の現場の憲法9条の問題

1993年に殉職された高田晴行警視を含むカンボジアPKOに派遣された文民警察官の方々の経験を克明につづった本の書評を書かせていただいた。blogos.com/article/277437/ 日本におけ...

2018年02月22日 20:53

国際法を守る「護憲章派」の提唱

―――――――――――――「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法に...

2018年02月20日 17:05

四半世紀の時を経て明かされる「検証しない国・日本」への警鐘―書評『告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実』

20年以上封印されていたカンボジアPKOの「真実」読みながら、何度か目に涙を浮かべた。事実を淡々と記述することは、これほどまでに胸を打つことなのか。徹底的に事実を積み重ねることにこだわる姿勢がひしひし...

2018年02月14日 09:37

「芦田修正」という憲法学の陰謀

前回のブログでは、「芦田修正」についての記述が舌足らずだったかもしれない。「芦田修正」というと、憲法学では、9条2項に「前項の目的を達するため、」という文言を入れて自衛戦争の留保を狙った、姑息だが失敗...

2018年02月10日 00:13

石破茂氏と憲法学の陰謀

自民党の石破茂氏は、現在の政府の憲法9条2項解釈はわかりにくいので、削除が望ましいと主張している。興味深いことに、そこで石破氏は、『あたらしい憲法のはなし』(1947年文部省中学1年生用教科書)や「芦...

2018年02月04日 10:48

「若い」ことが侮蔑語となる、日本社会の今

私が一年半ほど前からブログを書いているのは、『集団的自衛権の思想史』という本を書いてみて、少しは普通の日本人の方向けの話ができるかな、と思ったからである。ようやく幾分かの反応をいただいているが、その内...

2018年02月02日 14:31

三たび言う。自衛隊は軍隊である。

一人の言論人として気ままにブログを書いているが、真面目に反応していただける方がいらっしゃるとすれば、大変にありがたい。先日、「再度言う。自衛隊は軍隊である。」という記事を書いたところ、弁護士の早川忠孝...

2018年01月28日 09:10

再度言う。自衛隊は軍隊である。

9条改憲の行方は、どうなるかわからない。自民党は、3項で「自衛隊」を明記する案と、2項を削除する案の二つを軸に議論しているようだが、世論調査結果も曖昧なようだ。気になるのは、2項削除案が「自衛隊の軍隊...

2018年01月25日 06:42

日本の野党に感じる閉塞感

民進党と希望の党の統一会派が破談になった。今後も、野党の間での比較一位を争いながら、結果としてさらなる細分化も発生していくのだろうか。 衆議院選挙前、小池百合子東京都都知事(当時希望の党代表)は、「安...

2018年01月24日 17:40

小西ひろゆき参議院議員の「篠田はホロコースト否定論者と同じ」説を見て

前回の私のブログ記事についてhttp://agora-web.jp/archives/2030362.html、小西ひろゆき参議院議員が批判していると聞いたので、見てみた。1月4日に二回にわたり、私を...

2018年01月11日 14:43

ほんとうの立憲主義の危機の話

丸山眞男が、1969年の東大紛争で研究室を荒らされた後、全共闘の学生たちに「君たちのような暴挙はナチスも日本の軍国主義もやらなかった」、と述べたことは、有名である。 全く不謹慎な表現である。第二次世界...

2018年01月03日 10:00

9条改憲と、立憲主義の危機

2018年の国政は、憲法改正が大きなテーマになるという。言うまでもなく改憲の本丸は9条である。平和国家の仕組みを話し合う議論が成熟する機会となれば、素晴らしい。  しかし野党第一党の立憲民主...

2018年01月02日 07:50

2017年の日本の国政を振り返る

『現代ビジネス』に、2017年の世界情勢について振り返る拙稿を掲載していただいた。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53952 それにしても、世界情勢の中で、日本...

2017年12月28日 16:14

映画『ダンケルク』で考える集団的自衛権の歴史

先日、映画『ダンケルク』を観ることができた。私の場合、なかなか映画館に行く暇もないため、なんとか機内で観たりする。気になっていた映画だが、どのような評論がなされているのかは、よく知らない。ただ国際政治...

2017年12月18日 14:31

トランプの大使館エルサレム移転承認に関する雑感

トランプ政権のエルサレムへの大使館の移転決定が事件となっている。前提となる情勢理解から入らなければならない国際問題は、ブログ記事にしにくい。しかしこの問題は、日本国内では、あまりに杓子定規的に捉えられ...

2017年12月12日 07:09

立憲民主党「憲法に関する当面の考え方」でわかること

前回・前々回のブログでは、山尾志桜里議員の改憲案について、批判的な文章を書いた。http://agora-web.jp/archives/2029686.htmlhttp://agora-web.jp...

2017年12月09日 13:13

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