岩田健太郎の記事一覧

近藤誠氏「ワクチン副作用の恐怖」批評

近藤誠氏の「ワクチン副作用の恐怖」(文藝春秋、以下「恐怖」と略す)を読みました。 放射線医学が専門である近藤氏がワクチンを論ずるのはこれが初めてではありません。これまでも何度もワクチンの問題を取り扱っています。例えば、近藤氏は2001年に「インフルエンザワクチンを疑え」という論考を発表しています(「文藝春秋」2001年2月号)。私は当時ニューヨーク市で内科の研修医をしていましたが、この論考の科学的...

2017年11月27日 13:34

医療界は反省し、総括し、そして近藤誠氏に謝罪してから、各論的に批判すべきだ。

先日、近藤誠氏のワクチンに関する新著批判を「文藝春秋」誌に寄稿した。予想していたことだが、ボツにするという返事すらない。日本のメディアは基本的にポジションステートメントを演説するだけで、真実への肉薄に...

2017年11月17日 14:26

近藤誠氏との対峙の仕方

以下、記憶を頼りに書いていて、裏を取っていないのでまちがってたら教えてください。近藤誠氏と当時のがん治療のオピニオンリーダーたち(外科医)の論争を読んだのはぼくがアメリカで内科研修医をしていた1990...

2017年11月09日 15:41

「優しい人」と一般解の話

ぼくの知っている「優しい人」はたいてい怒りっぽい人だ。いつも笑顔で穏やかでマイルドでナイスな人は必ずしも「優しく」はない。世の悲惨や理不尽を看過せず、我がことのように悲しみ、絶句し、歯噛みし、そして憤...

2017年11月07日 19:25

本当に残酷な教育とは(ビンタ事件に思うこと)

最近、ようやくアクセプトされた質的研究(長かった、、、)。実はその前に、某日本の医学教育学の雑誌にrejectされています。それもeditor's kickで。採択率が10%前後、あるいはそれ...

2017年09月18日 19:26

塩崎大臣の失敗と受動喫煙対策のあるべき姿

塩崎恭久厚生労働大臣が成立させようとしていた受動喫煙対策法案は国会に提出できなかった。結局、受動喫煙対策は1ミリも前進しなかったのである。塩崎氏を応援する医療者は多い。ぼくは塩崎氏を個人的には知らない...

2017年06月22日 11:01

「共通のトイレの使用によってMRSAの感染は拡大するか」

注意! これは神戸大学病院医学部5年生が提出した感染症内科臨床実習時の課題レポートです。内容は教員がスーパーバイズしています。そして本人に許可を得て署名を外してブログに掲載しています。2016年7月1...

2017年04月17日 08:28

忖度の正体

忖度は必ずしも悪いことではない。外的に発動している限り。他者に対して心を配り、気を遣い、相手の気持を慮って行動する。これは日本独特の文化でも何でもなく、洋の東西を問わず英国のジェントルマンシップや孔子...

2017年04月10日 09:29

日本の専門医制度は終わったか?

日本の専門医制度は終わった。最初に日本専門医機構の「専門医制度新整備指針」(2016年12月)を読んだときにはそう思った。ひどい指針である。最悪と言っていい。日本専門医機構ができたのは、日本の専門医制...

2016年12月23日 08:20

日本の新聞・テレビが医学に落とす暗い影

子宮頸がんワクチン副作用を調査する池田班の厚労省発表に捏造疑惑が生じました。報じたのは医師でジャーナリストの村中璃子氏で、Wedgeという雑誌に記事が掲載されました。 本稿執筆時点では、この記事は関係...

2016年06月29日 09:33

「子宮頸がん」ワクチンを総括する

ヒトパピローマウイルス(HPV)は尖圭コンジローマという陰部などにイボができる病気、それから子宮頸がんの原因です。他にも肛門がんなどの原因にもなります。 これを予防するために開発されたのがHPVワクチ...

2016年05月23日 11:40

震災と感染予防。キャッチアップ・スケジュールの制度化を望む

熊本地震からの復興が進んでいる。学校も再開し、避難所も再構成されつつあるようだ。しかしながら、現在も多くの方は避難所に避難しており、また車内で夜を過ごしている。当初から懸念されていた感染症と血栓症のリ...

2016年05月11日 11:10

「選択と集中」は医療にフィットするビジネスモデルか

医療ガバナンスの上氏による、KIFMECなぜ破綻?の記事を読んだ。上氏は、KIFMECにおける移植患者の死亡が相次いだことは非難に値しないと主張する。ぼくも同意見だ。死亡リスクの高い患者を診療していれ...

2016年04月10日 08:15

全員で巡回すればよいのか(感染防止対策加算に関する意見)

以下の要望書を厚労省に提出しました。賛同頂ける皆さん、病院、医師会、学会などは同じような声を上げてください。医療政策にも正当な根拠(あるいはエビデンス)が必要です。要望書厚生労働省保健局医療課 殿感染...

2016年04月09日 09:42

医学部卒業後にTBSに入社してはいけないのか

正直、かなり驚いたのだが、ぼくの周囲では多くの医者がこの件に猛反対している。国立大学医学部を出て、その教育には多額の税金が使われているので、身勝手である、というのだ。しかし、件の卒業生はまったく身勝手...

2016年04月05日 16:19

医者が残業しないために

うちの感染症内科では、医師は「午後8時以降は病院にいないこと」を原則にしている。もちろん、原則だから例外はある。当直はあるし、入院患者の急変はある。コンサルテーションも1年365日、1日24時間対応だ...

2016年04月04日 09:06

インフルエンザの治癒証明書を医療機関/医師に求めてはいけない理由(教員、教育委員会に学んでほしいこと)

インフルエンザ罹患後、回復を待って治癒証明書を医療機関/医師に作成させる、というプラクティスが日本では横行している。これは間違いだ。学校、教育委員会、および教員はこのようなプラクティスを生徒/保護者に...

2016年04月01日 09:04

原因について。メンタルな強さについて なでしこの敗戦に思う。

オーストラリアと中国の試合はテレビで見た。韓国戦はキンチョウスタジアムで観た。おかげで?風邪を引いたけど、それはよい。一連の報道に考えさせられている。今回の一連の敗戦を「気持ちの弱さ」だと評しているメ...

2016年03月06日 11:53

大学病院こそ「総合的」であるべきだ

MRIC Vol.036の森田麻里子氏の論考を興味深く読んだ(JBpressにも掲載)。断片的には首肯できる点もあるが、全体的にはロジカルではなく、その結論も正しくはない。とくに「大学は最も総合的でな...

2016年02月10日 20:20

ジェネリックを容認する、という話

ジェネリックについて詳しくは「薬のデギュスタシオン」の金城紀与史先生の論説をご覧頂きたい。結論からいうと、ぼくはジェネリック(後発医薬品)容認派である。「容認」というのは積極的にジェネリックだけを使う...

2015年11月17日 07:31

推薦入試について

東大などの推薦入試施行の報道は、公平性や公正性を希求して入試を規定していた人には到底容認しがたいことでしょう。実際、運用上も大学サイドからしたら手間がかかって、面倒くさいことはこの上ありません。しかし...

2015年11月02日 12:21

津田先生からコメントいただきました。

先のブログについて津田先生からコメントをいただいたと聞きました。良いことだと思います。日本には議論の文化がなく、一方的に演説するのみ、というパターンが多かったですから。日本の学術誌の中にはレターすら存...

2015年10月20日 05:42

福島で甲状腺がんが増えている、という論文の考察

岡山の津田先生の論文です。このトピックはすでに議論されていると思っていましたが、ザラッと見るとあまり議論がないようで、かつ某MLで議論になったのでそこでのコメントと同じコメントをここでします。http...

2015年10月13日 16:56

留学について(「優雅な留学が最高の復讐である」を読んで)

優雅な留学が最高の復讐であるという本を献本いただいた。感謝。で、読んで考えたこと。本書はタイトルからして奇妙である。で、いきなり1章から「留学はするな」である。奇妙な本だ。本書が述べるように、我々の言...

2015年09月10日 09:56

数字と情感と教育

某県某知事が「サイン、コサインを女の子に教えてなんになる」といった発言をしたのが話題になっている。「口が滑った」のだそうだが、もちろん本気でいつもそう思っているから「口がすべる」のである。でも、彼を個...

2015年08月30日 08:37

相手の前提を肯定するということ 

暑い日々が続いており、最高気温が32度くらいだと「涼しい」と錯覚してしまうくらいだ。原発が停止状態で電力がもたないという悲観的な見方は以前からあった。今年の4月ですら電気事業連合会は、今夏は、各社にお...

2015年08月11日 10:40

支持する政党や政治家がなくても選挙で投票するべき理由

NHKの調査によると、本稿執筆時点で、安部内閣支持率は不支持率を下回っている(41% vs 43%)。しかし、支持政党ナンバーワンは圧倒的に自民党で34.7%。支持率2位の民主党を大きく上回っている(...

2015年07月19日 10:21

アメリカの感染対策はうまくいっていないのか(だから日本はよいのか)

「アメリカの感染対策はうまくいっていない(だから日本の感染対策はこれでいいのだ)」という夜郎自大な言説をよく耳にする。本当だろうか。昔は事実だったかもしれない。しかし、現在は必ずしも事実ではない。 た...

2015年07月03日 10:46

リスクマネージメントについて 邦人人質事件検証委員会、群馬大学病院、そして若者の失敗

この週末は沖縄で、HAICS主催の講演である。ICNのためにリスクマネージメントについてしゃべる。http://www.haicsjp.com/12download/Okinawaぼくは講演や授業にお...

2015年05月27日 19:38

製薬メーカーとの付き合い方

外科系、内科系問わず、医療において薬はなくてはならないものです。そのことは、現代医学における「薬」がなかった時代を思い出していただければ、すぐに理解できます。現代医学における「薬」とは、抗生物質とビタ...

2015年04月30日 09:19

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