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レゴのレンタルサービス「Pley」

知育玩具の代表といえばレゴだ。あなたもきっと子供の頃にレゴを組み立てたに違いない。僕も児童館にあったレゴを友達と奪いあいながら組み立てた思い出がある。

いまでもレゴは子どもに大人気のおもちゃのひとつだが、大人にとってはいろいろと頭を抱える問題もあるらしい。たとえば友人宅では子どもにせがまれて買ったものの、一度遊んだら次のシリーズを欲しがったり、家の中のあらゆる場所にレゴのパーツが落ちていたりして頭を悩ませているそうだ。またレゴにお金をかけだすと結構高いという経済的な問題もある。

そんな悩みもこのサイトなら解決できる。レゴのレンタルサービスをおこなうECサイト、「Pley」だ。子供たちの好みやペースに合ったピース数のロゴを選択し、好きな期間だけレンタルでき、気に入った場合はそのまま買い取ることもできるサービスを行っている。

また子ども向けのサービスであることから、一定のピース数の紛失を問わなかったり、すべてのピースの洗浄に万全を期すなどの配慮をしている。

2013年5月ロンチし、これまでに1万5000人以上の購読者に向け、7万5000以上のセットを配送してきた。2013年にはMom's Best Award Winnersに選ばれている上り調子のサイトだ。

1ヵ月間に何セット借りてもOK

Pleyで利用できるコースは3種類。ミディアムセット15ドル(約1700円)とラージセット25ドル(約2800円)、そしてヒュージセット39ドル(約4500円)だ。どのコースを選んでも15日間の無料トライアルがついてくる。3つのコースの違いはピース数で、もっとも少ないもので300ピースほど。もっとも多いものになると4000ピース近くなるという。

中身はそれぞれ10~15ドル、20~30ドル、50~500ドルほどの価格帯のものが入っているとのこと。毎月1セットレンタルすれば元はとれそうだ。

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利用者はそれぞれのセットを選択後、「Pleylist」と呼ばれるリストに自分がつくりたいレゴのセットを加えていく。少なくとも10セット以上選ぶ必要があり、このリストを元に送付するセットが決められているそうだ。なお選択可能なセットは総計250個にものぼるという。

それぞれのセットは、再利用できるメッシュのバッグに詰められ、ガイドブックと返信用ラベルとともに送られてくる。これらのセットに返却期限は設けられていないので、好きなだけ遊ぶことができる。セットが返却されてくると次の新しいセットが送られてくるが、1か月に何セットまでという制限もないのでより多くのセットに挑戦することも可能だ。ちなみに顧客の多くは10日後には返却しているという。

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気になるのは、子どもが遊びに使う以上、ピースを1つも無くさずに返却するのは難しいのではないか、という点だ。

その点についてPleyは一定の理解を示している。少しのピースが無くなることは「ふつうのこと」とみなしており、10グラム分のピースまではなくしても追加料金を請求されることはない。追加料金を請求されるケースは0.05%ほどのようだ。

また紛失した場合に備えて1ピースごとに0.01グラム単位まで重さをはかっており、どのピースがないか特定できるようにしている。無くなっているピースが特定されると倉庫から予備を持ってきて次の顧客に配送する。次の顧客へ配送の手配は平均2.5分という速さだ。

もし子どもがあるセットを気に入って、そのまま手元に置いておきたい場合は、アカウントページからの手続きで割引価格で買い取ることもできる。

何千ドルというお金をレゴを買うことに費やしていた

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Pleyの創業者は、Elina Furman(以下ファーマン)氏。同氏は7万人以上を超える購読者をかかえるメディア会社A-List Momの創設者でもある。また2児の母親でもあり、家では毎日におもちゃに囲まれる生活だったという。

ファーマン氏は子どもたちがデジタルものに触れる時間を減らし、もっと建設的な遊びをさせたい、創造性や頭を豊かにする時間を増やしてほしいと考え、積極的にレゴのセットを買ってあげていた。ところがある日、レゴにかかっているお金を計算してみて、ぎょっとした。

"私たちは何千ドルというお金をレゴを買うことに費やしていたの。これではダメだと思ってレゴのレンタルサービスはないか調べてみたわ。でも見つけることができなくて、Netflixのようなレンタルサービスを自分でやることにしたのよ"
ファーマン氏

レゴ社は2014年度世界でもっとも大きなおもちゃ会社との調査結果があるほどの大人気企業だ。ということはレンタルサービスの需要も少なくないはず、とファーマン氏は考えた。

しかし、同氏はレンタルサービスの物流ノウハウについて何も知らなかったので、投資銀行家Ranan Nachman(以下ナフマン)氏を紹介してもらい、パートナーシップを結ぶことになった。ナフマン氏も同じく2児の父親で、レゴの創造性を評価する一方で、部屋が散らかることやお金がかかることに懸念を示していたので、ファーマン氏との会社設立に魅力を感じたようだ。

"彼は多くの驚くべきアイデアをもっていたの。出荷を可能にする方法についても本当にすばらしい知識があったわ"
ファーマン氏

この2人の創設者と23人のスタッフではじまった「Pleygo」で、一番力を入れたのが衛生面への配慮だった。

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FDA(アメリカ食品医薬品局)が承認する基準でブロックを清掃し、1500万ものブロックにエコクリーニング液での洗浄と乾燥を課した。同サイトでは、全てのセットにおいてブロックを消毒し、清潔に保たれた商品を送るよう努めているという

ところで、Pleyはレゴ社公認のサイトではない。レゴは自社の売り上げカットにつながりうるこのスタートアップに対してどう思っているのだろうか。

"存在は知られているみたい。だけど私たちがやっていることについては悪く思ってはいないみたいよ"
ファーマン氏

Pleyが購読者に調査を行った結果、40%がこのサービスを申し込んでから子どもがレゴを以前より意識し、26%は実際にレゴのセットを店に買いに出かけているとの回答を得られたという。むしろレゴの売上に良い影響を与えているようだ。

「あそんでいるそのセットが誰かほかの子どものおうちに行く」

Pleyは限られた時間しか活用されない何百ドル分ものレゴを再利用できるようにした。大人の間ではすっかり定着しつつあるシェアリングエコノミーだが、子どもがターゲットとなる「レゴ」のシステムを構築するのは大変だったようだ。

まず、レゴは管理しにくい小さなブロックが数多くある。レンタルのたびに衛生状態にも気を配らなければならない。しかしこうした難所に最初に立ち向かうことによって、Pleyは他の企業が簡単に足を踏み入れることのできないバリアを生み出すことができたのだ。

また、しばらく遊んでいたおもちゃを子どもにあきらめさせることは難しいが、「あそんでいるそのセットが誰かほかの子どものおうちに行く」と考えさせることで承知させやすくなる。また次に使うユーザーがいる、と考える事で、レゴのピースを無くさないよう、責任持って遊ぶよう促すことにもつながっているそうだ。

"旅立つレゴと姉妹関係があるようにそのつながりをこどもたちは喜んだ。私たちが提供するものの一部がこどもたちの単なるおもちゃではなく、目的あるものになっているのよ"
ファーマン氏

Pleyを見ていると、大人だけではなく子どもにもシェアリングサービスの波が押し寄せてきていると感じる。なお今後について、同社はヨーロッパやオーストラリアでの事業展開を検討している。またSTEM教育(科学技術教育)を行いたいと、「LittleBits」や「Modular Robotics」などのより高額な知育玩具の取り扱いも視野に入れているそうだ。

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