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経団連が「政策をカネで買う」通信簿方式の献金を再開

●「通信簿方式」の政治献金が復活

 日本経団連は、9月8日の会長・副会長会議で、会員企業・団体に対し「政策評価」にもとづいて献金を促す「通信簿方式」の献金を復活させることを正式に決めました。これは、まさに「政策をカネで買う」露骨な意図を示したものです。

 榊原定征(さだゆき)会長は、この日の記者会見で「今は徹底的に政治と経済が手をつなぐことが必要だ」と述べ、経団連の政治献金への関与を正当化しました。榊原氏のいう「経済」とは、日本経団連のことでしょう。

 さっそく9月9日、榊原会長は自民党本部を訪問し、谷垣禎一幹事長と会談しました。そのとき谷垣氏は榊原氏に謝意を表明し、記者会見で「議会制民主主義の健全な発展に必要なコストとして企業も責任を果たすということだと理解している。自発的な寄付の呼び掛けは大変ありがたい」と述べました。
 この会談では、自民党執行部と経団連幹部による政策懇談会を継続していくことも申し合わせました。

 日本経団連は、自民党への巨額の献金などによってひもをつけ、財界・大企業にいっそう露骨に奉仕させる政策を実行させようとしていることは明らかです。

●財界・大企業による政治献金の経緯

 振り返ると経団連は、1950年代から、主に自民党への献金総額を決め、会員や企業や業界団体に割り振るあっせんを行ってきました。それは多いときには総額100億円に達していました。しかし、1993年に自民党が下野すると、政財界の癒着批判も高まったことから、あっせんも中止になりました。

 ところが2004年に、各党に対する政策評価を始め、それを「献金の目安」として会員企業に示すことで、関与を再開したのです。その後、民主党に政権が移った後に一旦中止していましたが、2013年7月の参院選で自民党が圧勝した直後の10月に、政府・与党の「政策評価」を再開したのです。

 そのときの日本経団連の「政策評価について」(10月23日)という文書には、「今般、経団連として、政策実現の観点から、自由民主党を中心とする与党の政策・取り組みの評価を、別紙の通り実施することとした」とし、「政策評価結果」では自民党が「経団連が主張する政策を積極的に推進しており、高く評価できる」と書いています。

 榊原氏は、今年6月、日本経団連の会長に就任した直後の記者会見で「経団連は現在、政治献金に中立な立場だ。それがいいのかどうか、しっかり検証したい」と述べ、今後、政党の政策評価をA~Eの5段階で示し献金を促す「通信簿方式」への変更も含め「検討する」としていました。

●企業・団体献金は禁止し、献金は個人の浄財に限る

 主権者は国民であり、支持する政党に対し政治献金をする自由があります。個人献金は、主権者国民の政治参加の一つの手段であり、権利でもあります。

 しかし、企業献金というのは、主権者国民の個人献金とは異質です。企業は利潤を求める存在だからです。企業が、政治に金をだせば、当然“投資”にみあう“見返り”を求めることになります。したがって、企業献金は、必然的にワイロ性をもつものです。

 榊原会長は、8日の記者会見で「『政策をカネで買う』といった低レベルな話では全くない。非常に心外だ」と語気を強めたそうです(「朝日」8月9日)。何という開き直りでしょうか。

 いま、日本経団連は、法人実効税率のいっそうの引き下げ、消費税の10%への引き上げ、社会保障制度の「重点化・効率化」(=切り捨て)、TPPの推進、原発の再稼働、労働法制の改悪などを強く求めています。
 これらの政策課題を、政府が実行に移せば「政策評価」が高まり、それに応じて自民党への政治献金も増やされていくという仕組み、これが「通信簿方式」です。 まさに「政策を金で買う」やり方そのものではないでしょうか。
 ――「通信簿方式」の政治献金については、『変貌する財界 日本経団連分析』(2007年、新日本出版社)の第4章「政治資金の流れにみる財界支配」を参照して下さい。――

 財界が「政策をカネで買う」ことによって自己の利益をはかれば、国民が望まない方向に政治と政策がねじ曲げられてしまいます。こんなことは到底、認められません。
 企業というのは、主権者ではありません。選挙権ももっていません。その企業が、経済力にものをいわせて政党や政治家にカネをだして政治に影響をあたえ、自己の利益をはかれば、結果として、国民に耐え難い負担と生活破壊を押しつけることになり、主権者国民の基本的権利を侵害することになることは、どこから見ても明らかです。

 国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止がどうしても必要なのです。

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