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近代国家の原理とはある種矛盾する地域創生

 安倍内閣が、「地域創生」を最重要課題としたことから、地域の再生がいろいろ話題となっているようなので、これについて少し。

1 政策


 石破茂地方創生担当相は5日に行われた閣議後の記者会見で、秋の臨時国会に省庁間の縦割りを排し自治体の取り組みを支援することを目的とした地域再生法改正案を提出する方針を明らかにしたそうです。

 つまり、今回の地域創生はあくまで政府が上からいろいろ手助けをして行うことを想定しているわけで、これまでの政策とどう違うのか疑問に思ったというのが本当のところです。

 これまでの何度過疎と過密の問題が取り上げられ、地域の発展のためと称して多大の税金が投じられてきたのかという話です。

 交通網の整理が行われ、交通の便が良くなると、よそから人が気安くなるので、地域が活性化するという話もありましたが、結果はよそから来る人より、出ていきやすくなっただけというのが本当のところのようです。

2 地域


 念のため誤解のないように断っておくと、私は地方にお金を落とすべきではないと言っているわけでも、地域の再生をしなくては良いと言っているわけではありません。

 私が心配しているのは、このまま中央(大都市、東京と言い換えても良いかもしれません)に住んで中央の価値観を持っている人の政策で地域を活性化しようとしてもこれまでと同じ結果になるだけではないかということです。

 つまりこのままでは都市に近づけることを目的として、都市化こそが素晴らしいという価値観で政策が行われているわけで、結果田舎の現実が嫌になり、東京の一極集中が進むという悪循環に陥っているのではないかという話です。

3 国民


 当然田舎には田舎のその地方にしかない魅力があるわけですが、近代国家の一つの目的が「国民」の創造である以上、言語の統一や価値観の統一、中央への資源の集中という現象は仕方のない面があります。

 結果、方言などは国民創生という立場からしてみれば邪魔もの以外の何物でもないわけですが、そこまでいうといろいろ角が立つので、オブラートに包んでいるだけの話かと思います。

 そういう意味で日本は日本人という国民、日本という国家の創生を結構うまく行ったと思いますが(島国という利点もあったのでしょうが)、最近の地方の衰退をみるとうまく行き過ぎたというところでしょうか。

4 地方


 当然こうした面は近代国家にはどこの国にも多かれ少なかれ起こっているわけですが、同じ「国民」である以上、これを見過ごすわけにはいかないというジレンマに陥ってしまいます。

 当然、これが特定の一部であれば、切り捨てるという選択肢もあるのでしょうが、多くの「地方」が同時に衰退してしまっている以上、ほおってはおけません。

 かといってこれまで通り、ただ1つの価値観で政策を行っても、都市部とのかい離が目立つだけで、あれもないこれもない(その最たるものは人と金)、という話になるだけの様な気がします。

5 最後に


 そういう意味で、私は政府が音頭をとって上から行う、地方創生にはあまり期待はしていないという話です。

 土台中央が地方を助けるという発想そのものがどうかと思っています。中央とは違う地方独自の発想による地方創生が必要だと思うのですが、そうなると結果、地方とは全く異なる価値観で運営されることが必要となってきます。

 現実、金も権力も地方に握られている地方でどこまで独自のことができるかという話で、そういう意味でもあまり期待していないというのが本音です。

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