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<公の場での開催を謳いながら公にしない理由>なぜ「我孫子市版事業仕分け」はネット中継ができないのか?

水野ゆうき[千葉県我孫子市議会議員]

* * *

今、地方議会に注目が集まっている。

都議会のセクハラ野次問題から政務活動費の不正支出に飲酒運転等、政治家の資質やモラルに関わる不祥事が続出していることを背景に、初めて地方議会という組織に関心を持った有権者も少なくないだろう。

しかしながら、日々の通学、通勤、子育てや家事に忙しい有権者は市役所まで足を運んで議会を傍聴してみよう、とまでならないのが現実。地方議員の当事者としては、ぜひとも「生の議会」を見て投票行動に移してもらいたいと願う限りだ。しかしながら、私自身、我孫子から都内の大学に通学し、民間企業に通勤していた身なので、それが難しいことは理解できる。

そこで多くの議会が取り入れ始めているのがインターネットによる中継だ。

我孫子市議会でも早い段階からインターネット中継を行っており、本会議のみならず委員会までも中継している。しかしながら、発言者以外の顔は映らず、周りの声もマイクは拾わない上に、委員会でよく見受けられる進行のための「暫時休憩」中の間のやり取りも配信されない。実はこの休憩中に様々なやり取りがある。だからこそ、直接、生の政治の同じ空間で有権者に読み取ってもらいたいと思うわけだ。

今、我孫子市では事業仕分けを行っている。

「我孫子市版事業仕分け」は年に1度行われ、市民で構成される行政改革推進委員会にて平成20年から公の場で開催しており、誰でも傍聴することができる。民主党政権時代の国の事業仕分けでは「ニコニコ生放送」でネット中継したり、「二番じゃダメなんですか?」などのやり取りが放送され話題となったことは記憶に新しい。

テレビやニコ生による中継では、仕分け人や公務員の顔や言動が如実に映し出された。現在は「行政事業レビュー公開プロセス」という名称となっている。事業仕分けを我孫子市でも開催しているわけだが、ネット中継はされていない。この事業仕分けでは対象事業の廃止や継続、民間委託など様々な決断が委員によって下される。最終決定権はないものの、判決はその後の事業に影響を与える。

税金で運営している市の事業における議論は非常に重要であり、それこそ判決までの経緯は徹底公開すべきと考え、ネット中継を訴えている。しかし、どうやら行政改革推進委員がネット中継に消極的なようだ。行政改革推進委員は市民で構成される委員会であるため、議員と異なりカメラに慣れておらず、意識してしまうなどの意見が出ているとの答弁であった。

ただ、そもそも論として、公開の場での開催が前提で、その場にいる傍聴者には見られている。しかも委員は無作為抽出でもないし、テレビカメラが入るわけでもなし、定点カメラである。行政の「見える化」や情報公開が叫ばれている中、むしろ徹底公開すべき、という委員が選定される時代ではなかろうか。

どういった議論が我々の税金でなされ、どういった結論になり、市としてはどう予算に反映したのか、このプロセスを公開することではじめて情報公開と言える。もちろんその場に行くことが一番良いが、それが物理的にできない市民の為に様々なツールが存在するわけだ。

つまり、異なるのは選挙で選ばれた議員によって構成される議会か、行政より打診があった、又は公募による市民によって構成される組織か、であり、扱う案件は議員と同じ行政の事業だ。公人かどうかの視点に尽きる。

最初から公にしていない委員会であれば話は別であるが、公の場での開催を謳いながら、また事業仕分けをネットで視聴したいという市民の声がある中、市民に直接関係する事業の判決までのやり取りをネットで視聴できないのであれば、ネット中継に拒否反応を示さない委員を選定していくことも時代の流れではないだろうか。

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