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あの日から3年半、東京と被災地をマッチングする“覚悟が必要な自分探し”実践編「WORK FOR 東北」

自分らしい働きかたをみつける。あなたは、今の仕事が好きですか?

先日、「WORK FOR 東北 - 個人向け説明会」という、首都圏の人材と被災地の職を結ぶ転職マッチングイベントに参加してきましたので、レポートをまとめます。

「WORK FOR 東北」とは、被災地が必要とする人材を、復興庁や民間支援団体などが中心となり、被災地の外から現地に派遣する事を目的としたプロジェクトのこと。今回のイベントは個人向けでしたが、先月には企業向けの説明会も行われたりしています。

プロジェクト自体の活動として、CSR(企業の社会的責任)や人材育成等を目的として社員の派遣を検討している企業担当者、および被災地で働き直接復興に関わることを希望する個人へ向けて、WEBサイトやイベントの開催、個別の訪問を通じて、着任へ向けた情報提供や各種調整を行っているとのこと。

今回のイベントは、簡単に言えば、被災地への転職説明会です。参加者の方は、熱意さえあれば引っ越しもいとわない若い人が多いのかなと思いきや、30代半ば〜50代くらいの方が多かったでしょうか。幅広い年齢層の方がいました。

またイベントでは事務的な説明だけではなく、自治体やNPOなど、様々な組織が「こういう人材欲しいぜ!」というプレゼンテーションや別途行われたブースごとの相談会などをしていました。

ちなみに、BLOGOSブロガーの方が去年から定期的に、WORK FOR 東北を追っているので以下の記事も参考にどうぞ。

■関連記事
・復興、そして未来へとつなぐために、「WORK FOR 東北」が行うプロフェッショナルな人材を派遣する持続可能な人材マッチング(江口晋太朗)
国と民間の距離を縮める「WORK FOR 東北」で、“ソフト”の充実した復興を目指す(鳥井 弘文) 

震災から3年半たち見えてきた“ソフト”の不足

冒頭の説明を行う、事業統括の日本財団・青柳光昌氏
事業の統括を行っている日本財団の青柳さんは「ソフト面はまだまだ足りていない。復興のスピードを加速できないのはソフト面をサポートできる人材が不足しているのが原因の一つ。特に民間でプランニングやマネジメントの経験がある方が現場に必要」としており、ハード面に関しては、3年で随分整ってきたという印象があるが、復興の現場での人材が足りない点を指摘。人材確保の重要性を訴えた。

復興活動は数日間滞在するボランティアだけでは対応できず、現場で指揮をする人材がもっと必要とのこと。まちづくり、産業復興、コミュニティ支援などは、誰でもできる仕事ではなく、専門的なノウハウを持った、スペシャリストが求められているという。

パネルディスカッションで経験を語る、元NPOスタッフの諸戸彩乃氏
パネリストの浪江町役場職員・菅野孝明氏
この日、パネルディスカッションに出演した震災以降、被災地に移り住み活動している諸戸さん、菅野さんは、かなりの行動派で、震災直後から積極的な行動をしていたところ、今の仕事をしているという感じでした。

今回は被災地と東京との人材マッチングイベントなので、事例として分かりやすいのですが、誰でもできるわけでもなく、もうちょっと普通の方の実際の話が聞いてみたかったです。震災直後は日本有数の行動派な人たちが個人個人で動いていたようですが、時間が経ち、組織的なマッチングが必要なフェーズになってきたのかもしれませんね。



人手不足の本質的な原因

最初は、現地の話を日常的に見聞きしないので、そもそも、首都圏から人を東北に連れて行かなくても、現地で職を失ってしまった人も多いだろうし、なぜその人たちを雇わないのだろうと思っていました。

実際はコミュニティの崩壊や、その他様々な理由があり、今も人材が不足しているという事を聞き、初めて3年半経った現状を理解できた気がしました。3年半たった今でもといいますか、3年半たった今だから必要になったという側面もあるでしょう。

例えば、工場を作れば自動的に雇用が生まれ、産業が活性化するわけではないようです。職がないと言っているのに、「働く意欲のない人が増加している」という話題も一時期ありました。

募集をかければいいってわけでもないようです。これらの問題の根本に「働かないほうが(手当などで)収入が多くなる」という現象が一部であるからという指摘も様々メディアであったのを覚えています。

ただ、被災地で働くという事は、悲しみを背負って生きている人も多く、難しい課題です。他にも、時間の経過とともにボランティアが減っているという話も聞きましたので、そういうことも被災地の人材不足につながっているのかもしれませんね。

課題

今回のイベントを通じて、私が感じたことをまとめます。第三者として見ると結構課題が多いかなぁ。

○就業期間
「最短1年、通常2〜3年」がだいたいの目安だそうです。しかし、企画立てて、実行して、とPDCAをまわしていくとなると、1年ではどう考えても足りないですよね。最低ラインとして半年という募集もありますが、現実的には2〜3年くらいみたほうがよさそうです。

○募集概要
首都圏在住の人に「3年勤務、乗用車準備」ってハードルが高い気がします。地方なので、車の免許と乗用車が必須なのはわかるのですが、都内在住の人の中には、僕みたいに免許は持っているけど、年数回レンタカー借りる程度みたいな20〜30代も結構いそうですけどね。給料は案件によって差があるものの、地方ということもあってか、ご結婚されて小さいお子様がいるご家庭では難しいかもしれません。

○スキル
マネジメント能力やスペシャリスト(専門職)を求めるものから、語学(英語)スキルを求めるものまで、かなりハイスペックなスキル(経験や実績)を求める案件が多いです。個人的には、間口はもう少し広くしてもよいと思います。 ただでさえ「東京から被災地へ」という時点でかなり絞っているのに、高めのマネジメントスキルと語学スキルを求めても、絞りすぎだから人材が集まらないということもあると思います。

全体的には、高度なスキルを求めるわりにリターンが少ないかな、と。人によって、仕事に何を求めるのかというのは異なるので一概には言えませんが、自己犠牲というか、個人の社会貢献的な意識に依存しすぎている感じはありました。

イベント終了後、事務局の方にもヒアリングさせていただいていたのですが、自治体なども、復興支援の人材募集なんて歴史上初めてやるわけで、どんなスキルや実績、ネットワークをもっている人を呼べばよいかわからない、という側面もあるのでは?とのことです。

ただですね、それぞれの人材募集要項を見ていると、そこまでハードな条件でない案件もあります。スキルもそこそこあればいけるんじゃないかなという、20代でもチャレンジできそうなヤツです。マネージャー職、スペシャリスト職は30〜40代での募集が多いようですが、他にもいくつも案件があるので、ウェブサイトをチェックしてみて下さい。

まとめ

改めて、働くことを考えることは、人生を見つめ直すことでもあると感じました。
今回のイベントを通じて、参加者は具体的な復興現場のニーズを知ることができたと思うし、被災地での就業のイメージが湧いたかと思います。

このプロジェクトを通じて、被災地に就業することは正直ハードルが高いです。だからこそ、気軽に半年だけというものではなく、何年もかけて盛り上げてやるぞ!という、本気の本気で希望する人に、エントリーしてもらいたいです。

こちらのページ「復興現場が求める人材一覧 」で随時人材募集もしています。また、年何回か、企業向け・個人向けの説明会をしていくとのことですので、興味がある方は、チェックしてみて下さい。

現実的にある程度の覚悟も必要でしょうが、それによって得られるものも多いと思います。我こそは!という猛者は、まずは以下の関連サイトをチェックしてみて下さい。あなたの「自分らしい働きかた」が見つかるかもしれません。

○参照サイト
WORK FOR 東北 
復興庁 

(取材協力:日本財団)

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