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「私は国益を害すことのないよう、非常に注意を払っている」舛添都知事が外国メディアに向け会見

舛添要一・東京都知事が7月30日(水)、東京・有楽町の外国特派員協会で会見を行った。都知事選候補者として2014年1月に、また当選後は3月に会見を行い、今回が三度目の登壇。東京国際金融センターの設置などの新政策、2020年東京オリンピックに向けた構想、また注目を集めている中国や韓国を含む都市外交について、英語でスピーチを行った。(翻訳・構成:塩川彩)

東京都だけができる外交を実行したい

舛添氏は、冒頭のスピーチで6月に開業した虎ノ門ヒルズの地下に通る環状2号線を更に東京湾岸部まで繋ぎ、『オリンピック(パラリンピック)ロード』とするなど、2020年東京五輪に向けた都市づくりの構想を語った。また、外国人旅行者数増加のため、東京の魅力を最大限アピールできるような情報アクセシビリティの重要性を説き、「私たちはWi-Fi環境の更なる強化が必要です。韓国から帰国したばかりですが、その点で韓国は東京よりも非常に発展していますから、私は韓国の経験に学びたい」とした。

会見の中盤では、北京およびソウルとの都市外交についても以下のように、展望を語った。

「都市外交の振興もまた、主要な政策です。ソウルの管轄である外交と安全保障に意識を向けたい。東京都だけができる外交を実行したいと思います。東京の専門的知識や技術を外交の強力な資源として扱いたい。一方で、過去開催都市であるロンドンなどから五輪の伝統を学びたいと考えています。国際交流を教え、習う施設の建設は友好関係を深める鍵となり、また東京の市民への利益にもなるでしょう。

更に、そのような都市間の外交は、経済における民間部門交流の基礎も形成するものと信じています。この領域に関するポジティブなインパクトは、日本の首都としての東京の重要性からくるものです。これは正に、ある種の都市外交であり、首都外交であり、私はこれを追究したいと考えています。

都市外交の体制づくりとして、東京都では国際情勢の特別顧問として『外務長』、また『都市外交担当部長』を7月16日付けで設置しました(※『外務長』は『儀典長』からの改名)。初代外務長には外務省幹部を招聘しました。英国および中国の専門家もいて、私のソウル出張中、(同行し)既に仕事をしてもらいました。

一方で中国についてですが、こうした都市外交の第一歩として、私は今年の4月に北京市を訪れました。北京市市長から招待を受けて都知事が訪問するのは18年ぶりでした。21世紀における東京と北京の友好の扉が遂に開かれたと感じました。

私は王安順(オウ・アンジュン)市長と、PM2.5を含む環境問題、交通渋滞、水道下水道などの解決を含む協力関係発展の合意に到達しました。特に北京市およびアジア都市からの留学生向け宿舎である太田記念館が来年設立25周年を迎え、それに北京市市長をお招きしたいと考えています。また北京市をアジア大都市ネットワーク21(ANMC21)に戻るよう励みたいとも考えています。北京市は、理由は皆さんご存知のようにANMC21を脱退しました。

私は地方政府間の中国と日本との民間部門の経済交流に期待しており、それは今回の訪問を通じて活性化されます。中国政府は完全に政策を変更しました。彼らは経済を政治から分離させるでしょう。また地方政府間、個別の関係を再始動させるでしょう。中国と日本の間には355もの友好都市間交流がありました。しかし今年5月以降、それらはすべて途絶えています。これは大きな転換です。

先週、私はソウルを訪れました。北京と同様に、都知事として招待され公式訪問するのは18年ぶりのことでした。これはある意味で普通ではない。ソウル特別市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長と、安全保障や環境問題、福祉、オリンピックおよびパラリンピック、産業、文化について相互確認を行い、合意書を締結しました。

付け加えて、私はソウル大学にて講演を行いました。現在及び将来的な日本と韓国の関係についてお話しし、また学生と討論を行いました。朴槿恵(パク・クネ)大統領ともお会いし、セウォル号転覆事故に関すること、また日韓関係の改善を望む安倍首相の意思をお伝えしました。今回の訪問が、東京とソウルの関係の進展に寄与することを願っています。日本に戻ってすぐ、朴大統領との会談について、首相はラテンアメリカに訪問中でしたので菅官房長官に報告しました。来週、首相が帰国されたらまた伺い、朴氏からのメッセージを直接お届けするつもりです。

この秋、ANMC21総会がロシアのトムスクで開催されます。私はアジア諸都市との外交のため、あらゆる努力をしていきます。9月にもトムスクを訪れますし、2014年アジア競技大会の開催地である仁川にも森喜朗・東京オリンピック組織委員会会長と訪問する予定です」

私自身が日本政府の障害にはなりたくない

こうした一連の発言に続き、舛添氏は、欧州の各都市との外交についても所見を述べた。また、質疑応答では、以下のようなやり取りがあった。

記者:「東京都だけができる外交」とおっしゃったが、安倍首相と韓国・中国との仲介に、どの程度の自信があるか。特に従軍慰安婦問題を抱える韓国との関係において、どのような役割を果たすつもりか。

舛添:「そもそも、私は首相の特使ではありませんし、政府の仲介役になるつもりはありません。東京都は国益を守らなければならないと意図していますし、私自身が日本政府の障害にはなりたくないと考えています。

私は国益を害すことのないよう、非常に注意を払っています。北京やソウルに出かける前にも首相官邸を訪れ、安倍首相と私は親しい友人ですから率直に話し合いました。首相の意図を確認し、首相も私に中国・韓国政府へのメッセージを託し、承知しました。

中国・韓国政府も私が首相と友人であることをよく知っています。彼らは私に対しても、安倍政権への厳しい見方を伝えてきました。そして私も日本に戻ってすぐ、彼らの安倍首相への厳しい批判や、低い評価、取り巻く状況の厳しさについて安倍首相に直接伝えました。私が行っている都市間外交―都市と都市との対話、人と人とのやりとりーを通じて、友好関係は強化されると考えています。

これは非常に扱いにくい話題ですが、ソウル大学でも同様の講演を行いました。私の意見は非常に簡単で、日本、韓国、中国といった国だけでなく、私たちは明確に学問を政治から分離させなければならない。これが重要です。 学問も政治も政治的に解釈されてはなりません。それなので日本人学生、中国人学生、韓国人学生に言ったのは、歴史的研究に基づいた事実を学んでほしいということです。その上で何か意見を言う。

いま私は政治的指導者で、言えることは大学で指導していた頃の意見とはいくつか相違があります。けれども日本、韓国、特に中国において言えますが、学問が政治から分離されていない。これが問題です」。

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