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ニセ科学の連鎖は続く

 九州大学の縄田健悟講師が、日米の1万人以上を対象にした意識調査データを分析し、血液型による性格診断に根拠が無いことを明らかにしたという。(*1)

 僕も例外ではなく、日本人の大半は幼い頃から血液型によって軽く区別されてきた。A型はしっかり者で、B型がお調子者、O型が自分本位で、AB型が天才肌。そんな感じだったと記憶している。そうした分類だから、B型はずいぶん酷い目にあったのだろうと思う。

 中高生になると、気になる相手の血液型を知って愛称がいいか悪いかなどということを考えた。そしておとなになると徐々にそういうことを気にしなくなっていく。

 しかし、一部には変な大人もいるもので、そういう連中が人事になれば、履歴書に書かれた血液型によって選考をしたりする。また企業の中には「AB型ばかりを集めた部署」などを作るところもあった。もちろん、何の成果も得られなかったと聞いている。

 すなわち、血液型性格診断の問題というのは、クリティカルでは無いものの、人権問題と結びついて考えられる。今回、こうした研究が行われたことにより、少しでも血液型性格診を利用する人が減っていけばいいなと思う。

 星座占いなどと比べて血液型性格診断が厄介なのは、血液型そのものは実際に存在して、個人の差異として認識されているという点である。つまり、血液型というれっきとした医学に、性格診断という医学っぽい何かが乗っかる事により、さも血液型性格診断は完全に空想の世界である星座占いなどと比べて、科学的な意味があるかのように流布してきたのである。

 これを個人が否定することは実に簡単である。「そんなことあるわけない」とだけ口にすればいい。今回のニュースを聞いて「そんなこと知ってるよ」と笑う人もいるだろう。

 しかし、実際にこれを科学的根拠をもって否定することはとても大変で、手間も時間もお金もかかる。
 世の中には血液型性格診断によって、お金を儲けた人もいるだろう。そうした人たちの不始末をごく一部の良心的な学者などが一生懸命に火消ししている。そんな状況はどうにかならないものかと思う。

 問題は決して血液型性格診断だけにとどまらない、最近でいうと「男性脳、女性脳」などということがまことしやかに流布されているし、かつては「ゲーム脳」などといった、教育側にとって都合のいい偏見に基づくニセ科学もあった。そしてこうした言説を広めて金儲けを目論む人たちがいる。そうした意味で、業界的には「血液型性格診断の賞味期限が切れた」程度の事なのだろう。これが否定されても、いくらでも新しい儲けの種は生まれているのだ。

 ゴミを拾い集めても、新たにゴミを捨てる人がいて、それが金になる限り、良心的な科学者とニセ科学の格闘は続くのだろう。おそらくはニセ科学側が相当有利な状況で。

*1:血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査 (読売新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140719-00050087-yom-sci

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