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原発撤退、朝日新聞のスクープ

今日、福島第一原発のALPS(多核種除去装置)でまたトラブルが発生し、汚染水が処理できない状態となっています。3月にも同様の状況が発生しています。状況がよくなっているとは考えられません。

そんな中、今朝の朝日新聞の1面と2面に、3・11原発事故当時の東電撤退に関するスクープが掲載されました。事故対応の責任者だった吉田所長の調書に基づくスクープです。

拙著「原発危機 官邸からの証言」に著したように、3月14日から15日にかけて、東電からの撤退要請を受け、菅内閣の官邸は緊迫した時間を過ごしました。
私は官房副長官として、菅総理のもとで行われたいわゆる「御前会議」や東電・清水社長を呼んで撤退をやめるように指示した現場にも同席しました。その後、菅総理とともに、明け方5時半頃、東電に乗り込み、この記事にある6時15分頃の巨大な衝撃音を東電本社内で聞きました。いまだに鮮明に記憶に残っています。その後の顛末はこの記事とほぼ同じです。
あとになって、東電側は全面撤退ではなく、一部退避だと主張していましたが、それが命令違反の結果だったとは・・・。

本日の記事では、吉田調書の中で、
1)「清水社長が撤退させてくれと菅さんに言ったという話も聞いている」と証言されていて、東電が撤退を考えていたとの当時の官邸の認識と一致しています。
2)ところが、衝撃音のあと、幹部を含め9割以上の所員が第2原発まで避難したのは、吉田所長の指示に反した命令違反だったことが明らかになりました。その後に何らかの不測の事態が起きていたら、ほとんど作業員のいない状況で…、と思うとゾッとします。
もちろん、私は、この避難していた所員を殊更に責めるつもりはありません。作業は、生死にかかわる、それぐらい過酷な状況だったということだと思います。

この吉田調書の意味するところは、ひとたび事故が起きれば原発は人間の手でコントロールできず、もし9割の所員が避難している中で、さらに事故が悪化すれば、もう手の施しようのない事態になっていたということです。
また、「撤退要請」をあとになってから「一部退避であり撤退は考えていなかった」と強弁し続けた東電の相変わらずの隠蔽体質の問題です。

この記事を著した木村英昭記者は、あの話題になった「プロメテウスの罠」で「官邸の5日間」という章を綿密な取材をもとに記されました。今回の記事も歴史の検証に貢献しうるものだと思います。

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