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どこにも書いていない、国会議員の本当の収入

 東日本大震災と消費増税を契機に導入した国会議員の歳費2割カットが今日で終わり、明日から満額支給されることになりました。この間様々な報道に接しましたが、国会議員の収入については誤りが少なくありません。秘書経験者として本当の姿を明らかにしたいと思います。

 国会議員の歳費、つまり給料は法律で決まっています。その月額は129万4000円。このほかにいわゆるボーナスである期末手当が約635万円支給されますので、年収ベースの総額は2200万円ほどとなります。これが本来の国会議員の給料です。

 現在の2割カットは東日本大震災が最初のきっかけです。国会財政が厳しい中で震災の復興費用をねん出するため、2012年5月1日から12.88%削減。さらにその年の12月からは「定数削減を実現するための暫定措置」として削減幅が20%に上乗せされました。

 カット後の年収は約1750万円。ただしこの措置は法律上、暫定措置として定められているため、今日までに新たに法律を成立させなければ元に戻ってしまいます。野党には2割カットを続けるべきだとか、3割カットに上乗せすべきだという声もありましたが、国会で主導権を握る自民党の決断によって削減措置の廃止が決まりました。

 今朝の日経新聞は社説で「復興特別法人税も廃止した。歳費の12.88%削減も終わりにするのは自然だ」と指摘。定数削減の代替措置である7.12%の上乗せ分だけは継続すべきだと主張しています。正論のようにも聞こえますが、私には異論があります。

 復興税が廃止されたのは「法人税」だけ。個人に対する所得税には2013年1月から25年間、住民税には2014年6月から10年間、特別税が上乗せされています。安倍政権はアベノミクスの一環として法人に対する特別税を廃止しましたが、個人には引き続き上乗せが続くのです。

 国民の皆さんに特別税をお願いしておきながら、法人特別税だけ終了したので「削減を終わりにするのが自然」なのでしょうか。自分の古巣ではありますが、いかにも産業界を重視した日経ならではの主張に思えます。

 日本維新の会とみんなの党、結いの党は2割削減の継続だけでなく、さらに3割削減に上乗せすべきだと主張し、法案を提出しました。日経は「ポピュリズムを感じる」と切って捨てていますが、それが国民の感覚でしょうか。筆者は国会議員の収入の実態をわかって書いているのでしょうか。

 さきほど国会議員の本来の給与が年収ベースで約2200万円だと紹介しました。しかし、議員にはこれ以外にも手当がたくさん支給されます。その一つが「文書通信交通費」。月額100万円で非課税、さらに領収書を提出する義務が一切ありません。

 かつては通信費などが非常に高額だったので必要だったのかもしれませんが、通信網が発達した現状にはふさわしくありません。

 政界では文書通信交通費を一切経費にあてず、議員個人の口座に全額振り込んでいる事務所もあります。本当に必要な経費なら堂々と領収書を提出し、国民に内訳を明らかにすればいい話。それすら求めないという現状の文書交通費のあり方には多くの疑問があります。

 さらに国から政党交付金として議員一人当たり年間約4000万円、立法事務費として月額65万円が会派に支払われます。報道をみるとここに誤解が多いのですが、このお金のほとんどは政党が使い、議員個人に支給されるわけではありません。しかし、政党によって異なりますが、政党交付金の一部、年間数百万円から1000万円程度は各議員に支給されています。

 こうした経費を含めると、仮に政党交付金が年間1000万円だとして、年間4400万円ほどのお金が議員本人の口座や政党支部の口座に分けられて振り込まれます。

 こうした多額の経費が認められていながら「議員は窮乏している」と主張する自民党の石破茂幹事長の感覚は、国民の感覚に沿ったものでしょうか。国家財政が改善するまでの間、給与を3割削減して1500万円程度にカットすることくらい、我慢できないのでしょうか。

 そもそも国会議員が「お金がかかる」というのは、ほとんどが地元秘書の人件費や事務所経費。つまり、自分が次の選挙で当選するための費用です。有権者に政策を説明するのは重要ですが、それと議員の就職活動を混同するべきではありません。議員が「政治活動に金がかかる」というのを丸呑みしてはいけません。

 政治家にいくら払うべきなのかというテーマについては、様々な意見があると思います。優秀な人材が集まってこないのも事実です。ぜひこうした実態を踏まえ、冷静に考えてみてはどうでしょうか。

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