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ジョブズが語る失敗について。

今日は、スティーブ・ジョブズ伝記本に追記されたわずか10ページの終章の邦訳が公開されたことを知り、とても感銘を受けました。ぜひ読んでみてください。彼のCEO辞任からその生涯を終えるまで。

http://bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/jobs/pdf/lastchapter.pdf

これを読みながら、自分がよく観るジョブズのインタビュー動画を観返していたのですが、その1つをご紹介します。

追放されたアップルに復帰する前、1994年にシリコンバレー歴史協会から受けたインタビュー動画。失敗について。

Steve Jobs on Failure – YouTube

“I’ve actually always found something to be very true, which is most people don’t get those experiences because they’d never ask.”

”私が実際いつもまさにその通りだと思うことがあるんだが、それらはほとんどの人が経験しないことだ。なぜなら、そういう人は決して人に助けを求めようとしないからだ。”
“I’ve never found anybody that didn’t wanna help me if I asked them for help. I always called them up, this’ll date me, but I called up Bill Hewlett when I was twelve years old.”

”自分はいままで人に助けを求めて、力を貸すことを嫌がる人に会ったことがないんだ。私はいつも電話で人に助けを求めていた。この話をすると歳がバレるな・・・、ま、いいや。私がビル・ヒューレット(世界最大級のIT企業、ヒューレット・パッカードの共同創業者)に電話したときは12歳の頃だった。
”He lived in Palo Alto and his number was still on the phone book, and he answered the phone himself, “Yes” “Hi, I’m Steve Jobs and twelve years old, and I’m a student in high school, and I wanna build a frequency counter. And I was wondering if you had any spare parts I could have.” And he laughed and he gave me the spare parts to build this frequency counter and gave me a job that summer at Hewlett Packard working on the assembly line putting nuts-and-bolts together on frequency counter. He got me a job in the place that build them and I was in heaven.”

”彼はパロアルトに住んでいて、その頃って電話帳に自宅の番号が載ってたんだよね。「もしもし」と彼自身が電話に出たので、「こんにちわ、スティーブ・ジョブズといいます。12歳の学生です。周波数カウンタを作りたいんですが、スペアのパーツをお持ちじゃないかと思って・・・」そしたら、彼は笑って、周波数カウンタ用のスペアパーツをくれて、しかもその夏にヒューレット・パッカードにある周波数カウンタの組立ラインでの(パートタイムの)仕事までくれたんだよ。もう天にも昇る心地だった。”
“I’ve never found anyone who said no or hung up the phone when I call. I just asked. When people asked me, I tried to be as responsive to pay that debt of gratitude back. Most people never pick up the phone and call, most people never ask. That’s what separates sometimes people to do things from the people that just dream about them.

”私は誰かに頼み事をしようと電話して、断られたり、電話を切られたことはない。ほんとにただお願いしているだけなんだよ。だから自分も頼まれたら、なるべく応えるようにしている。それが今まで(シリコンバレーの様々な人に助けを求めてみんなが応えてくれたという)自分が受けてきた恩を返していくことになるから。ほとんどの人はそもそも電話を掛けたり、誰かに助けを求めたりしない。でもときにはそれが、何かを成す人間と、いつか何かを成したいとただ夢見ている人の違いになるんだ。”
“You gotta act, and you gotta be willing to fail. You gotta be willing to crash and burn, you know. With people on the phone, with starting a company, with whatever. If you’re afraid of failing, you won’t get very far.”

”失敗を恐れず動き出すんだ。立ち直れないぐらいの大失敗だって喜んでやろう。誰かに電話をしてお願いをする、会社をつくる、なんだっていい。失敗したらどうしよう・・・なんて考えていたら、たいしたことなんてできないよ。”
Screen Shot 2014-04-27 at 20.24.52

ジョブズだから、みんな力を貸してくれるんだよ、ってツッコミがあるかと思いますが、ビル・ヒューレットに電話したとき、ジョブズはまだ12歳、ただの一般人。

いくら近所に住んでたからといって、わずか12歳で大企業の創業者にいきなり電話して、お金を払うわけでもなくパーツをくれとお願いするって、どれだけ肝っ玉が座っとるねん!とは思いますが(笑)

見ず知らずの有力者に電話してお願いするというのは1つの例として挙げられていることで、ヒャッハー!おれたちもジョブズの言葉を信じて、どんどん色んな人にお願いしようぜぇぃ!!という単純な話ではもちろんありません。

ただ仲が良いわけでもなんでもない人に何かをお願いする、ということは当然断られたり、嫌な顔をされたり、というリスクがあります。だけど、そんなことを気にしていたら何もできない。どんどん動くんだ!という彼のメッセージがよく伝わるアドバイスです。

挑戦する人を応援する文化はアメリカ的ですし、この互助というか先人が次の世代に対して協力を惜しまない精神は、特にシリコンバレーに顕著なものでもあります。そしてこのインタビュー自体はカレッジや大学生に向けてのものです。(リスクに関しても、家族とか仕事とか失うものもほとんどないなら、全ては良い経験になるからがんがん挑戦しろ、というメッセージを、同じインタビュー内の別の箇所で言っていたりもします。)

しかし逆に言えば、そんな挑戦することに対して恵まれた環境にあるはずのアメリカの学生に対してすら、「失敗を恐れちゃダメだよ」ってわざわざジョブズがアドバイスをしようと考えるということは、それだけ普遍的で多くの人が囚われてしまうテーマなのでしょう。

しかも1994年のインタビュー当時、ジョブズはまだアップル復帰前のどん底の状態です。復帰後の奇跡のような大躍進を遂げている時ならいざ知らず、ある意味挑戦して大失敗している状況で語られるからこそ、重みがある。

そんな彼が語る、くよくよ失敗を恐れず、どんどん動け!という言葉には大きな意味があると思います。

最後に、冒頭にご紹介した伝記本に追加された10ページに書かれていた言葉を紹介します。ジョブズの妹で作家であるモナ・シンプソンがジョブズの追悼式で語った一節。

“We all — in the end — die in medias res. In the middle of a story. Of many stories.”

”我々は皆――必ず最後には――道半ばで倒れるのです。物語の途中で。たくさんの物語の途中で”

誰もが自分にしか紡げない物語を生きているはず。

いつか倒れるその日まで。

動き続けよう。

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