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「NHKの番組は低俗になっていないか?」ロンブー淳さんの反論でも話題の質疑全文

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NHKの2014年度予算案審議が始まった25日の衆院総務委員会において、維新の会の中田宏氏が質疑を行った。質疑は、「NHKの娯楽番組の内容」「海外コンテンツの扱い」「パラリンピックの扱い」を中心に行われた。この様子を書き起こしでお伝えする。なお、質疑の様子は、衆議院インターネット審議中継で確認できる。 ※可読性を考慮して、一部表現を整えています。

「NHKの番組は低俗になっていないか?」

中田宏議員
日本維新の会所属:中田宏衆議院議員(以下、中田): NHKの予算審議ということで、私も久しぶりにかっての逓信委員会以来、この場に立たせていただいております。今日は話題の籾井会長にもお越しをいただいておりますが、籾井会長におかれましては、この総務委員会、NHK予算審議だけではなく、今年は予算委員会から含めて相当な時間を国会で費やされているという状況でありますから、ややこの総務委員会で番組の話とか、闊達に本来なら議論したいところが、むしろ籾井会長の口が閉ざされた状態になっていて、やりにくいなという風にも逆に感じているわけであります。

早く籾井会長のご自身の、ある意味では謙虚な姿勢というものをしっかりと出していただいて、NHKの議論がタブーではないような環境を整えていただくということを会長にはぜひ意識をしていただきたいと思います。

その上で、いくつか番組内容についてお伺いをしたいと思います。番組内容といっても、今年の国会で出てきたような論調とは私の場合は違うかもしれません。いわゆるNHKの番組が、どうも一言で言うと「低俗」になっていないか、ということについて。もちろん、私が高尚な人間ではございません。そのことは、皆さんがうなづいていらっしゃいますから(会場笑)、私が偉そうに「NHKを低俗だ」と、こう決め付けるわけにはいかないわけです。しかし、ある種の一般論として、実例を挙げながらお伺いをしていきたいと思います。

評論家の大宅壮一さんの50年以上前の言葉。ご記憶でしょうか。「テレビによる一億総白痴化」ということをいいました。私も久しぶりに紐解いてみると、こうおっしゃっているんですね。
「1958年2月 テレビにいたっては紙芝居同様、いや紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと並んでいる。ラジオ、テレビというもっとも進歩したマスコミ機関によって一億白痴化運動が展開されている」
こういう風に大宅壮一氏がテレビ時代の幕開けのころに発言をしていました。このことはテレビマンといわれるNHKの方々を含め、大いに意識をして、番組制作をしてもらいたいなと思います。

これもまた言い方を乱暴に片付けてはいけないですが、民放の番組見ていても、本当にひどいですよね。なんていうか、うまい、まずいというようなグルメ番組だったりですとか。これもまた私自身が出来がいいわけじゃないので言いたくはないのですが、どちらが物を知らないかを競い合うようなクイズ番組であったり、本当に民放を見てるとあまりにもくだらないなと思う機会が増えすぎております。

それでもスポンサーをとって視聴率を稼ぐということのためには、「おもしろけりゃいい」「視聴率さえ取れればいい」こういう形で民放の番組が展開されているのは、これは想像に難くないわけであります。さて、翻ってNHKなんですが、NHKの番組も「なんだこりゃ」と思うような娯楽番組がずらりと並んでいるんですね。

NHKにおいても、娯楽番組すべてを否定するつもりはありません。しかし、「これNHKがやる意味があるのか」と思うような番組が中には並んでおります。例えば、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「7人のコント侍」。こういう番組です。私もNHKで流れていればチャンネル変えてしまうので、番組名まで確認にいたらずに、やり過ごしている番組といえますが、今回調べてみて、この種の番組見て、どう思うかというのを何人か聞いてみると、「いやぁNHKがわざわざやるような番組じゃないですよね」と。こういう答えが返ってきました。

民放がこの種の番組を通じて、とにかく数字を稼ぐ。そしてスポンサーを見つけるということに精を出しているとすれば、NHKはいったい何のためにこういう番組をやっているんでしょうか。NHKは数字を稼ぐということに問題意識を持つのではなく、何のために公共放送として、国民から義務的な意味をふくめた受信料というものを徴収をしているのか。ここについての自覚というものが疑われる、と私は思うわけであります。NHKは総務省が所管をしている特殊法人でありますから、放送法が規定をしている視聴者からの受信料の徴収によって、経営そのものは成り立っていることになります。

NHKがやるべきことというのは、ある意味では民間がやらないことをしっかりとやってもらうことが第一義的には重要な視点であり、そこにNHKの誇りをもってもらわなければいけない。こう思うのですが、このお笑い番組は、あまりにも民放の真似をしすぎじゃないかと思えてなりません。新藤総務大臣、所管大臣として、どう思いますか?

新藤総務大臣
新藤総務大臣(以下、新藤):放送のあり方について、整理をしていただくという意味で、中田委員の質問は、とてもいい質問だと思います。

公共放送は、法律で直接の存立の根拠をえて設立した事業体によって、営利を目的とすることなく、受信料を主として財源に運営されるものであります。他方、民間放送は営利を目的とする私企業により広告収入等を財源とする運営されるもの。これはみんなが共有できると思うんです。

しかし、はっきりさせとかなければならないのは、放送法第4条の「番組編集等に関する通則」というのがあるのですが、これは「善良な風俗を害さない、政治的に公平であること。報道を事実を曲げない。意見の対立は~」というものです。これは民放も含めて放送事業者すべてにかかっているわけでございます。ですから、民間放送なら何でも良くて、NHKがという風にいわれる方がときどきいるんですけども、民放といえども放送事業者は、放送法で独立保障されているとともに、自ら自主的な番組基準によって、公平・中立の報道をしなければならない。そういったことはNHKも民放も同じなんだと。こういうことを私たちはきちっと知るべきだと思っています。

その上で、民間と公共放送の差というのはあります。例えば、NHKはあまねく普及義務があります。民放はあまねく普及するように努力義務になっている。しかし、いずれにしても、全国に番組を配信しなさい、あまねく普及してください。これは義務か努力義務かの差であって、どちらにしても同じようにやらなければいけないわけであります。そして、質的水準、こういった観点からいきますと、これは受信料という特殊な負担金で、NHKは財源をもっておりますから、豊かでかつ良い放送番組を提供するという要請には比較的対応しやすいんじゃないかと、考えております。

前置きが長くなり恐縮なのですが、お笑い番組のところについてですが、これはNHKが放送するか否かは、まず放送番組の編集に関わる事項なので、これは自主自立。NHKが編集をもって、放送法に準じて判断されればよい、ということであります。そこで私は、申し上げたいのはNHKには「豊かで、かつ、良い放送番組の放送を行うことによつて公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払うこと」という放送法第81条の1項の規定があるんです。

ですから、民放であろうが、NHKであろうが、豊かでよい放送番組、公衆の要望を満たす。ここが重要なのでありまして、今委員がおっしゃっていることも国民の意見であります。また、そういったものを見たいという意見もあるでしょう。放送というのは国民の意識の鏡でもあるわけです。

ですから、今いろいろなご意見がありましたが、私も大体同じような意見をもっています。が、それは年代がだんだんそうなってきたということもあるんだなと。お互いに、かつては「今の若い者は」とわれわれが言われていたところが、いつの間にか今度は自分たちが「今の若いものは」という側に回ったのかというような気持ちもあります。

何よりもやはり、豊かな番組、そして公衆の要望を満たす、文化水準の向上に努める。こういう意味でNHKには良い番組を提供していただきたいと思います。

中田:新藤総務大臣、非常にご丁寧にお答えいただきました。私が触れなければいけないなと思っていた放送法第4条第1項。これのおさらいをしていただきました。民放、NHKともにこれは課せられていることです。そして、またNHKについては第81条第1項で、今お話いただいたとおり、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するよう、最大の努力をすること、と。これにも触れていただきました。

さらに、この81条第1項には、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有するようにすること。わが国の過去の優れた文化の保存ならびに新たな文化の育成および普及に役立つようにすること等々が、NHKに求められています。大臣、もう1回率直に感想でいいのですが、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「7人のコント侍」、これらはどこに属するんでしょうか?

新藤:これはまったくの感想でありますが、よいわるいというよりも、そういった様々な公衆の要望がある。そういう国民の声があるんだということでしょう。一方で、「こういうものはいらないよ」という声があるならば、そういった声をNHKはよく聞いて、これから自主的に番組を編集、また制作していただきたいと思います。

中田:NHKは放送法の規定を踏まえて、「2014年度の国内放送番組編集の基本計画※PDF」というものを定めていますが、この中で、総合テレビの部門別編成比率について、以下のように定めています。

教養番組20%以上、教育番組10%以上、報道番組20%以上。娯楽番組20%以上と。おおむね、こういう風に番組の編成をしていこうと定めています。で、娯楽番組の中に、さきほどの私がいくつかあげた事例も入ってくるんだと思います。国民の声もNHKに届いていると思います。私が先ほど前置きしたように、低俗というようなことを誰かが勝手に決め付けられるものではないのですが、やはり娯楽番組ひとつとっても、もっともっと地域性や日本の様々な歴史や文化を紐解くような娯楽番組であったり、若い人たちが関心をもてるような娯楽番組をやってもらいたいと思うんです。

同じ娯楽番組でもドタバタドタバタとステージで暴れて、人の頭たたいて笑いをとっているような、こういう娯楽番組ではなくて、「なるほど日本の歴史ってこうなっていたのか」「なるほど、日本よさってのはこうなのか」というようなもの。別に日本を誇るような番組だけをつくれといってるわけじゃないですが、先ほど教養、教育番組のパーセンテージもありましたが、そういう分野とあわさったような娯楽番組をやっていただくことを切に期待したいと思います。

そうじゃないと、「これNHKに何でわれわれ受信料を払っているんだろうか」となってしまう。その種のドタバタな番組は、民放でやってもらえば十分だと多くの視聴者は思います。そのNHK離れというのはどんどん進んでいってしまうように私は思えてなりません。籾井会長いかがですか?

籾井NHK会長
籾井NHK会長(以下、籾井):NHKの娯楽放送、娯楽番組ということでございますが、あまり硬いことをいうつもりもないのですが、実は放送法第106条第1項におきまして、NHK含む機関放送業者に対して、テレビ放送の編集にあたって、「教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない」にとされています。これを基本的には守っていかなければいけないと思いますが、今、委員が言われたご意見については、大変参考にさせていただいて、今後のNHKの娯楽番組のあり方を、いろいろ研究させていただきたいという風に思っております。

中田:NHKにも直接いろんな声が届いていると思います。それから国会という場において、私も国民の代表として発言しているということも踏まえて、籾井会長におかれましては、本当に一つ一つの発言に注意をして、木で鼻を括ったような答弁しか出てこないのはわかっておりますから、NHK局内において、「番組をこうしろ!」とはいえないでしょうけれども、「国会でこういう議論があったよ」と職員の皆さんと、真摯に議論を一回しようと。こういうことは当然リーダーとしてやってもらわなければいけないことですから、今のご発言は、ある意味ではお約束をいただいたと思って、NHK局内で大いに議論していただきたいと思います。

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