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NHK受信料支払停止に踏み切らざるを得ない

私は今までNHKの受信料を長年払ってきた。NHKのような国家や広告主に影響されず公共放送が必要と思っていたからである。

数年前にNHKに対して「拉致問題を報道せよ」という総務大臣の命令(後に要請放送に変わった)をした時にNHKの受信契約者の委任を受けて命令放送の取消訴訟をした。結論はNHKの受信契約者は≪原告適格≫がないとして門前払いをされた。

この訴訟の代理人の時でもNHKに受信料を払っていた。

今回の会長発言は国民が受信料を払う前提を自ら破壊した。NHKに下記のような趣旨の文書を出そうと準備中。今、受信契約に関するその後の判例を調べ、その理由も追加予定だが骨子は以下の通り。

第1 要求の趣旨

1 NHKの会長を辞任するよう求めます。
2 辞任しなければNHK受信料の支払の停止にあえて踏みきらざるを得ない ことを念の為に通知します。

第2 要求の理由

1 マスメディアの報道によると、貴殿は、1月25日、東京・渋谷の放送センターで行われたNHK新会長就任の記者会見で、次のとおり述べたと報道されています。

①従軍慰安婦問題を取り上げた過去のNHK番組に関連し、この問題に関する見解を問われ、「今のモラルでは悪いことだが、当時の戦争地域には大体つきものだったと思う。」「戦争をしているどこの国にもあった」としてフランス、ドイツの名を挙げ、「なぜオランダにまだ飾り窓があるんですか」とも述べました。

②日本に補償を求める韓国についても「日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っている。しかしすべて日韓条約で解決している。なぜ蒸し返されるんですか。おかしいでしょう」

③尖閣諸島・竹島など領土問題について、国際放送で「明確に日本の立場を主張するのは当然。政府が右ということを左というわけにはいかない」

④秘密保護法について質問があり「通っちゃたんで言ってもしょうがない。・・・ あまりカッカすることはないだろう。昔のような変なことが起こるとも考えにくい」

以上の発言のなかには「会長の職はさておき」として発言されたものもあるようですが、この記者会見は、あくまでもNHKの新会長就任会見であります。記者から会長会見の場であることを指摘されると、発言を開き直った形で「全部取り消します」と話し、また、同月27日には、「就任の記者会見という場で私的な考えを発言したのは間違いだった、私の不徳の致すところです。不適当だったと思う」と述べたようです。国会においても個人的発言などを繰り返しました。

2 公共放送であるNHKの会長としては、上記の発言は取り返しのつかない異常で不適切な発言であり、個人的発言であったとしてもNHKの会長として放送法を全く理解せず会長としての資質、能力、資格はないと言わざるを得ません。

(1)放送法は、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」を原則の一つに掲げ、放送の「健全な発達を図ることを目的」とし(第1条)、放送事業者が国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たって「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」によらなければならないと定めています(第4条)。

貴殿は、国会答弁などで、番組制作について、「私の考えはともかく、(放送の公平・公正を定めた)放送法に基づいて判断する」と述べ、自身の見解を番組に反映させることは否定しました。

貴殿が放送法を理解しておれば、上記の課題について記者から執拗な質問があったしても、「いずれも意見が対立している問題ですから、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが重要ですのでその心得で報道に当たります』等と答弁すべきであったろうと思われます。

NHKの会長は、NHKの役員であり(第49条)、理事会の構成員であり(第50条)、経営委員会の同意を得るとは言え、副会長と理事を任命する権限もある(第52条第3項)し、中央放送番組審議会と国際放送番組審議会の各委員を委嘱する権限もあります(第82条第1項・第4項)。また、NHKを代表し、経営委員会の定めるところに従うとはいえ、業務を総理する権限がある(第51条第1項)し、経営委員会に出席し、意見を述べることができる(第40条第3項)強大な権限を有しています。

(2)NHKの新会長が就任会見で「個人的見解」「放送の指示をしない」と断ったとしても強大な権限の持ち主が仮に会長の個人的意見であっても会長の「思い」「意向」などがNHK全職員に対して発せられたと同じであります。

NHKの今後の放送が「意見が対立している問題」においても会長の「思い」「意向」に沿って報道される危険性を生じさせました。貴殿が直接そのような報道を指示しなくても、会長の「意向」「思い」を忖度して報道するおそれが十分あると言わざるを得ないからです。

現に25日のNHKの電子放送は次の通り、会長の発言を客観的に報道していません。
『新しい会長に就任した籾井勝人会長が記者会見し、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努めるとともに、国際放送の充実に取り組む考えを示しました。籾井会長は70歳。三井物産の副社長などを経て、ITサービス会社の日本ユニシスで社長や特別顧問などを務めました。記者会見で、籾井会長は「私がまず第一に挙げているのは放送法の順守で、放送法に沿った経営をやっていくことが、われわれに課された重大な任務だ。職員一同が放送法をもう一度身近に考えるよう徹底していきたい」と述べ、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努める考えを示しました。また、籾井会長は「国際放送の充実など、さまざまな課題をしっかり実行に移していきたい」と述べました』
(3)NHKの報道は客観的に公正、公平、中立でなければならないが、同時にNHKが公平、公平、中立な報道をしていると多くの国民から信頼されてこそ公共放送であるNHKは存立できるのです。

 その信頼があるからこそ、多くの国民が自主的に契約し受信料を払う関係に立っています。NHKの会長が放送法を表向き順守すると言っても、個人的見解でそれを破ることを記者会見で平気で話をするような会長の下でNHKの報道が公正、中立な報道がなれるという担保はありません。

3 私は今までNHKは公平、公正、中立な報道を行うものと信頼し、受信料を支払ってきました。貴殿の発言はその前提となるNHKと視聴者との間の信頼を裏切ったのです。

貴殿があれこれ弁明し、会長の辞任しないときは、このようなNHKに対して国民が受信料を支払う根本地盤が崩れ去ったと考えざるを得ません。

その存立基盤を貴殿は自ら破壊した以上、放送法32条の受信料契約締結義務、契約締結した後の受信料支払義務も無くなったと言わざるを得ません。

視聴者は、制度上は、NHKの会長の「リコール権」を有していませんが、会長が放送法を理解していない以上、私は受信料を支払わないことによってNHKの会長の責任を問わざるを得ない事態になったと考えています。

それはNHKにとっても、公共放送で無くなることを意味し、国民・視聴者にとっても不幸なことです。 貴殿が辞任することこそが公共放送を救うことになります。直ちに辞任することを求めます。NHKが国家、政府のための広報機関でなく、国民、視聴者のための報道機関になってほしいという思いから、本意見を述べ、私の決意を述べる次第です。

(注1)
支払拒絶の通知後にNHKが私に受信料の支払請求の裁判をされることを望みます。私は公開の法廷でNHKの受信料支払停止の法的な見解を主張します。私が勝ってもNHKが勝っても最高裁までお互いに争うことになると思います。公共放送においてどのような事態になった場合に支払を拒絶できるかの先例作りの為に。なお、法的な見解は順次公表していく予定です。

(注2)
NHKの現場で頑張っている多くの記者やデレクターがおられることをよく知っています。知っているが故に彼らには申し訳けない気持ちで一杯ですが、今回は受信契約者が抵抗することが必要であり、やむを得ないことをご理解頂きたい。

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