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2014年のマーケット

2013年の年始は、リスクを取ればアベ御殿が建つ、石橋を叩いて渡らないような臆病者はゴムサンダル一足分しか資産を増やせないとか、どんな時でも勝てる方法を探すよりも誰でも勝てる時だけやる方が簡単、アベちゃん革命万歳などと書いた。アクセス数でも欲しかったのだろうか、あまり品がよくない。

この一年の心境の変化で、注目を集めるための文章などは焼いて捨てた。淡々と、2014年がどういう年になるのか考えて記してみる。こんな時、文豪なら暖炉の前でペンを取るのだけれど、僕はガスストーブのスイッチをオンにしてノートパソコンを開く。

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まず、財務省は9月に消費税を10%に上げるために、8月のGDPが良い数字が出るように下準備を進めている。彼らにとっては財政規律より、権益(収入と支出)の拡大が優先されざるを得ない。

次に、自民党は選挙に備えて支持率を上げることに注力する。自民の自民による自民のための政治は健在だ。
そして、日銀は、2015年4月、消費税による価格上昇を除いたインフレ率を1.9%と予測しているから、2%の約束を達成する手を打つ。役人はいつだって手段が目的化する。

この3つの歯車がかっちりとかみ合うことで動き出すのが、追加緩和だ。黒田総裁は、絶対に負けられない海上作戦で指令を出す提督のように、追加の量的緩和を告げるだろう。

他にも、いろいろなものが景気を後押しする。オリンピックはビルの建築を加速させ、カジノは金回りをよくし、僕は彼女がディナーの後にデザートをつけることを快く承諾する。

風はインフレの方角に向かって吹いている。デフレの時代は、現金を使わずに持っておくだけでその価値が上がったけれど、インフレなら現金の価値は時間と共に劣化する。それなら株を買おうという意欲も湧く。タイミング良くNISAもスタートした。間違いなくお金を持っているシニアは株を株を買う。「老後が心配だ」と言いながら。こうした流れを見越して、外資は去年、アタッシュケースから札束を取り出して、日本株をたんまり買っていった。14兆円分もだ。東証の平均PERは現在16.63倍。20倍を目安とすると、株価はあと2割の上値余地がある。日経平均は18320円、そして2万円が見えてくる。インフレの風は日本の空気を少なくとも一瞬はバラ色に染めるのかもしれない。そうなれば僕はたくさん買う。

けれど、できすぎている話には、慎重になった方がいい。世界には昼と夜があり、ものごとには表と裏がある。

例えば首相は、日本を自立した国にしたいと考えている。国民が自立を望むなら、それも悪いことではない。ただし、自立にはいろいろな責任が伴う。何かトラブルになった時は自分で解決しなければならなくなる。国家間の信頼関係は、個人の友情と違って、武力という後ろ盾がある時にしか当てにならない。それ相当の軍備が必要で、その請求書は我々国民に増税という形で回ってくる。
そもそも、アメリカの意に反したことをして何もなかった首相はいただろうか。もちろん何もないかもしれない。しかし現実的にはいつだって何かあった。

もし物事がそういう方向に進めば、株価だってどうなるかわからない。もっとも、株価なんてものはいつだってどうなるかわからないのだけれど。
要因はどうあれ、ダメになれば僕はたくさん売る。

そんなことを考えながら、今年も資産運用の計画を立てる。楽観と悲観の谷間、論理と感性の隙間、過去と未来の狭間に答えを探す。歩むべき道は曲がりくねっていて、それでいて決して広くない。一歩歩むごとに、次の一歩を決めて行くしかない。新月の山道を手元の明かり一つで歩くみたいに。

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