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「中国の漁船は中国軍の手先」とNYTが報道

2010年10月10日 23:37

 ニューヨークタイムスの報道で、中国が海洋権益を広げるために民間船を活用している件が報道されました。中国は漁船を「海上民兵(maritime militia)」にして送り込んでいる、というのです。(「Chinese Civilian Boats Roil Disputed Waters」2010/10/5)

民間船の活用は中国の常套手段



 中国の海洋戦略と民間船の活用については、このブログでも何度か記事にしてきました。南シナ海で中国が海洋権益を広げている方法をみると、明らかに漁船が中国政府の手先となって働いています。

 民間の漁船を送り込むことからスタートして、段々と実効支配を固めていくのです。まずは係争地域に中国漁船が活発にでていき、次に漁船を保護する名目で漁業監視船がでる。しかる後に海上警察、そして海軍の軍艦と進みます。もと外交官の茂田氏はこう分析されています。
中国のこういう場合のやり方には一つのパターンがあり、漁船を送り込む、その後、武装した監視船や海軍艦船を送り込むというものである。

尖閣諸島問題 - 国際情報センター - Yahoo!ブログ

 中国政府が漁船を手先にして権益拡張をはかっていることは、このように専門家の間では前々から知られていることです。今回ニューヨークタイムスの報道でも幾人かの専門家がコメントしています。詳しくみてみましょう。

中国海軍の「海上民兵」



 報道では、中国の漁船が(たとえば尖閣諸島沖のような)係争地域へ盛んに赴いていることを書いています。それらの漁船は、公式には、まったくの民間船です。しかし…と、以下のように続きます。

But foreign officials and analysts say there is evidence showing that they sometimes coordinate their activities with the Chinese Navy.

しかし、外交当局と分析家によれば、時として中国漁船は中国の海軍と同調して活動していることを示す証拠があるという。

http://www.nytimes.com/2010/10/06/world/asia/06beijing.html

 中国海軍は漁船からなる海上民兵(maritime militia)の拡張をめざしている、と報じられていす。

The Chinese Navy is determined to create a long-range global presence by modernizing its fleet. But the use of civilian boats is part of a different goal ― to better defend and more firmly assert sovereignty over China’s coast, its territorial waters and the exclusive economic zones that extend 200 nautical miles off the coast. Using civilians is a crucial part of the doctrine that Chinese military officials call “people’s war.”

中国海軍は艦隊の近代化によって長期的にグローバルなプレゼンスを作ることを決意している。しかし民間船の利用は、また異なった目標の一部である。その目標とは、中国の領海と200海里の排他的経済水域(EEZ)の守りを固め、より強固に主権を主張することだ。民間人の活用は、中国の軍当局が「人民戦争」と呼ぶドクトリンのきわめて重大な要素なのだ。

http://www.nytimes.com/2010/10/06/world/asia/06beijing.html

 人民戦争ドクトリンとは、毛沢東が立案した戦い方です。軍人と民間人の別なく、中国人民の総力をあげたゲリラ戦を展開します。このドクトリンはすでに修正されていますが、その伝統は受け継がれています。
 よって中国軍にとって民間船を活用することは自然な発想なのかもしれません。海においては領土係争に勝って経済水域を広げるため、漁船を手先に使っている、という分析です。

防衛問題を原則からわかりやすく解説している。

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