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寄贈とボランティアで図書館は成り立つか

 『ハフィントンポスト』に「蔵書は寄贈、運営はボランティアの『図書館』が千葉県船橋市で急増中−『情報ステーション』の岡直樹さんが目指す『町づくり』とは?」という記事を配信しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 これは、千葉県船橋市内で民間図書館の設置の取り組みを行っているNPO法人「情報ステーション」を紹介したものです。

 図書館といっても、最初は「蔵書ゼロ」からのスタートでしたが、手書きで本の寄贈をお願いする紙を貼りだしたりした結果、「だんだんと支援が広まり」、2006年5月に無事「ふなばし駅前図書館」がオープンしました。

 「配架できる本は500冊程度と小ぶりの図書館だが、平日は午後9時まで開いているのが人気だ」そうです。

 すると、「ここから歩いて5分のところに船橋市立中央図書館があるのに」、昼間でも地元の人が寄ってくれることに気がつきました。その原因を「普段の生活動線上にある図書館に通っているうちに」、・・・顔見知りになっていき「交流が生まれた」と分析しています。

 「だったら、小さくてもいいから気軽に立ち寄れる図書館を増やしたいと」いうことで、他にも民間図書館が増えていくこととなりました。

 運営はボランティアで行っているので、「本につけられたバーコードさえ読めれば、複雑なキーボード操作をせずに作業できる」など、様々な工夫がなされ、結果、現在の登録者は470人を超えるまでになっているそうです。

 そして、「みんなで作っている図書館」という自覚があるが故に、「不特定多数の人に本を貸し出すが、本が返却されなかったり、損壊されたりするケースは少ない」としています。


2 図書館管理

 ある意味、自分たちで必要なものを自分たちで考え、自分たちでつくっていくという直接民主主義の理想形のような感じがします(ギリシャ危機と民主主義)。

 これまでも自宅でいらなくなった本を寄贈して図書館をつくるという試みは何度はなされてきています。そして、こうした試みがなされる以前に、図書館に本を寄贈したいと思いつつも、断られた経験を持っている方もいるのでないでしょうか。

 実際、図書館運営で最も厄介なのは、蔵書の整理(分類)で、本が少ないうちは問題がなくとも、数が増えてくれば、それを管理する膨大な人や場所だけなく、そのノウハウも必要となってきます。

 結果、通常の図書館では、本の寄贈は受け付けないということになってしまうわけですが、今回のように職員はボランティアで、小さい図書館を数多く作るという形であれば、大分こうした問題点は克服できます。


3 拡大可能性

 ただ、そうは言っても、やはりいろいろ費用はかかるわけで、「図書館を設置したいというオファーがあれば、運営費をもらって開設するというシステム」ですが、「年間1500万円かかる運営費はいまだ赤字だ」そうです。

 確かに自分たちの手で、自分たちの街をつくっていくという試みで、その手法として「図書館」というシステムを利用しているということもできるかもしれません。

 実際、本屋が減っているという現実がある中で(減少する本屋とマスコミとインターネット)、如何に本(情報)と普段から近い場所にいれるかというのは大事なことで、図書館という存在も極めて大事な情報源の1つであると考えます。

 昨日書いたように私はあまり理想論が好きではなく(「NEET株式会社」は成功するか)、この試みもどこまでいけるか多少懐疑的ではあります。というのは、この方式は「自分たちの図書館」という意識が大事で、同じことをやったからうまくいくという保証が全くないからです。

 つまり運営する方々や地域との密着などが大事になるわけで、その点ある意味、最初から支店を増やすことを想定して行われているフランチャイズ等とはかなり異なります。

 そういう意味で、このシステムがそのまますんなり広まるかというかなり懐疑的ではありますが、大変興味深い取り組みであることは間違いなく、機会があれば是非一度見てみたいところです。

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