記事

海外就職という選択肢をもっと知ってもらいたい~森山たつをインタビュー

「海外就職研究家」というユニークな肩書を名乗る森山たつを氏。前代未聞の海外就職小説「セカ就!世界で就職するという選択肢」が大きな話題を集める中、BLOGOSメルマガでも海外就職の最新情報を発信する「もりぞお海外研究所」の展開が始まった。この新作小説とメルマガについて詳しく話を聞いた。

―まずは自己紹介をお願いできますか?

森山たつを氏(以下、森山):海外就職研究家というおそらく世界で一人しかいない謎の肩書を名乗っていまして、今は海外で日本人が働くにはどうすれば良いのかを調べて、色々な人に伝えるというのを仕事にしています。もうひとつ、電子書籍個人出版研究家という肩書も名乗っています。それを研究しているのは僕と勝間勝代さんしかいないかもしれないのですが…。主にAmazonで個人が電子書籍を出版して、たくさん売るにはどうすれば良いのかという研究をしています。

―海外就職を研究するに至った経緯を教えてください。

森山:10数年前、日本企業で製造業相手に、ソフトウェアを販売したり、日産自動車で世界中の工場の物流管理用のシステムを作っていました。9年間働いたあとに、1年かけて世界一周旅行をしました。帰国後は、また外資系の会社に就職する予定だったのですが、ニューヨークに滞在していたときに、ちょうど、リーマン・ショックが起きたんですね。それから、日本に戻りましたが、やはり外資系には仕事が全くありませんでしたね。

困ったなと思っていたんですが、日本の会社で拾ってくれる所があったので、そこに就職しました。日本で製造業相手のITの仕事をしていたのですが、仕事が激減。国内の製造業自体のパイが減って、プロジェクトの規模が縮小して、工場が海外に移転している。予算は削減されるけど、仕事の量は変わっていない、一人当たりの仕事の量は増える。このまま行くと死ぬなと…。これはヤバいと体で感じていたんです。

じゃあ海外に工場は出ているので、自分も海外に行ってみようかということで、仕事を探しに行ったんですね。そうすると、意外なことにたくさん魅力的な仕事があって、最初は香港とかで就職しようかなと思っていたんですけど、ダメ元で行った、タイとかインドネシアにも結構仕事があるんです。香港やシンガポールにあるのは、即戦力のスキルを持つ人向けの仕事が中心だったのですが、タイとかインドネシアは2-3年目とか若手が欲しいといろんな会社で言われてました。こういう需要は、日本で良い仕事がみつからなくて困ってる若者たちに向けて、情報発信すべきだと思ったんですね。

ブログやTwitterで発信したところ、大きな反響をいただいて、出版社の方にも声をかけてもらって本を書くにいたりました。そこから執筆活動で食べていけるかなと未だに実験中です。まだあんまり腹がくくれてないですね。飯食えなくなったら、香港で就職活動をしようかと考えています。基本的には道なき道なので、ちゃんと保険を、命綱を持ちながらやっています(笑)。

―最新作「セカ就」では初めての小説、しかも、これをフィクションで書いた理由はどこにあるのでしょうか?

森山:今まで3冊、海外就職に関する本を出しているんですけど、どれもマニュアルぽかったんですよね。こうやって人材会社を探せ、オフィス街はこの駅にあるからといった感じで、実際に行動する人に向けた本をずっと書いてました。ただ、行動する人ってそこまで数自体は多くないので、次のステージとして、海外就職は面白い、その魅力をもっと多くの人に伝えたいと思うようになりました。どうすれば伝わるのかと考えた結果、物語がいるなと。そのために、現地で働いている人がどういう思いで現地に就職したのか、どんな苦しい事が起こったのか、赤裸々に綴ると、すごく面白かったのです。

現地で働いている日本人100人以上に会っているのですが、結構みんな楽しそうにやっているんですよね。「こんな事が起こっちゃってさ」と楽しそうに愚痴を言ってるのです。日本人が日本企業で働く愚痴とは違って、とんでもないことが起こってしまって、それを軽く笑い話にしている、というタイプなのです。自分たちが生きている世界とは違う世界が見れるので、そんな視点でも楽しいのかなと思っています。

―「セカ就」の中にある、グローバルな仕事だけでなく、海外でやるドメスティックな仕事に需要があるというのは重要なメッセージだと思います。

森山:海外で仕事をするって言うと、グローバルに、スマートフォンの海外での販売戦略とか、居酒屋を海外出店するとか、まさに経営のトップ・中枢の人たちを考えがちですけど、必ずしもそれだけが仕事じゃないんですよね。世の中のほとんどの仕事は、ローカルの仕事だと思うんですよ。たとえば僕は日本オラクルにいました。オラクルってアメリカのシリコンバレーにある外資系企業なんですけど、僕自身は日本国内のいろいろな工場に行って、工場のおっちゃん達と話をするという全然グローバルじゃない仕事をしていました。

多くの人にとって、海外就職で日系企業に入るとやる事は、日本国内でで仕事をするのと一緒なんですね。例えば、インドネシアの会社でインドネシア人、もしくはインドネシアにある日系企業相手の仕事をやるので、めちゃくちゃ優秀な人しか出来ない仕事ではないんです。その辺を理解して、それほど優秀な人でなくても、チャンスだという事を伝えたいなとこの本では思っています。

―日本人である「プレミアム」活かした仕事をしていた登場人物が、国籍が関係なくなるレベルのビジネスパーソンになるケースも本の中で紹介されていました。

森山:実は、そういったタイプのグローバルなポジションを得るには、日本の本社にいた方が楽だと思います。というのも、日本企業は、凄く閉じていて、日本人だけがチャンスを与えられがちなんです。日本の大手企業、例えばパナソニックやトヨタは役員の90%以上が日本人なんですよ。ソニーとか日産は外国人が社長をやった事もあるけど、日本人しか偉くなれない会社ばかりなんですね。でも、今もうアメリカの会社とか国籍関係ないです。社長がインド人とか、アルメニア人とか。そういう意味で競争が誰に対してもフェアなんですよね。

日本人にも、もちろんチャンスはあるんですが、必ずしも全員がその競争に加わる必要はないんですよ。グローバルな仕事をしてるから偉いのかって言ったらそんな事はないですし。ローカルの人たちが喜ぶお店を作る、サービスを作るって素敵な仕事じゃないですか。例えば、インドネシアの人たちが、喜んでいるサービスがまさにLINE。ラマダンで腹減って死にそうになってる時に、スタンプでクマ(のキャラクター)が死にそうになってるのを見るのって超楽しそうじゃないですか。(編集部注:LINEアプリ上に、イスラム語圏限定で、ラマダンの特別スタンプが提供された。)そういうローカルの人が喜ぶ仕事は、僕は凄く魅力的だと思いますね。

―最後に、メルマガの紹介もお願いします

森山:この前、東京の家を引き払ってフィリピンに引っ越ししました。とはいえ、フィリピンに定住するというよりも、フィリピンを拠点に東南アジアの国々をうろうろするという生活を送る予定です。なので海外って行き先が日本である場合もあるし、タイやミャンマーやウズベキスタンなど、いろんな国に行こうと思っています。僕自身はいろんな国の様子を見るのが好きなので、その様子を日々メルマガにも綴って行こうと思ってます。

海外就職の話ばかりしましたけど、電子書籍に関してもメルマガで情報を提供しています。何冊売れた、こういうことをやったらこれだけ売上があがった、というAmazonの規約ギリギリの情報を公開しています。一応大丈夫らしいんですけど、あまりオープンなブログで載せると怒られそうなので、クローズドなメルマガ内でやっています。あと僕が個人で作った電子書籍は過去14冊出ているのですがメルマガ会員の方には無料で配ってます。セカ就!の第七章「セカ就!外伝 親子で世界就職!」も無料配信します。

また、日本にも2-3ヶ月に一度戻り、セミナーなどを行う予定でいます。2013年9月21日には、元アップルの松井博さんとのセミナー(http://morizo.asia/?p=3313)を行います。このセミナーにも読者の方10名を無料ご招待しますので、ぜひメルマガに登録してご参加ください。

―本日はありがとうございました。

プロフィール

森山たつを
海外就職研究家
アジアを中心とした海外現地採用就職について研究し、その内容をblogや書籍、雑誌,Web媒体への寄稿、セミナーなどでお伝えしています。また、有料コミュニティ&メルマガ「もりぞお海外研究所」にて、海外での生活に興味がある人と、実際に海外で働いている人との交流の場を作り、「海外で働く日本人」をより身近にするための場を提供しています。
また、海外就職・視察セミナーなどの企画し、海外就職を目指す人を支援しています。

電子書籍個人出版研究家
Amazonをはじめとする、電子書籍の個人出版について研究し、blog、Web媒体、セミナーなどでお伝えしています。
また、自ら電子書籍を個人出版し、研究材料としています。2013/7現在、累積販売冊数1万冊突破!ランキング最高9位! 詳細な研究成果は、有料コミュニティ&メルマガ「もりぞお海外研究所」にて公開しています。

著書
「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版 2013/7)
「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社 2013/4 大石哲之と共著)
「アジア転職読本」(翔泳社 2012/6)
「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社 2012/3)

講師
大阪府グローバル人材育成事業 海外就職講座 講師(2013年8月)
ビジネスブレイクスルー大学、グローバルキャリア塾講師(2012年8月~10月,2013年6月)


公式メールマガジン

発行:毎週水曜日 月4回以上
フリー版:0円
プレミアム版:840円(月額)


アジア各国をうろうろしながらみつけた、海外就職に関する最新情報を皆さんにご提供! さらに、日々自ら実験台になり、仮説・検証を繰り返す電子書籍個人出版に関する生々しいデータも丸ごと公開! blogに書けない、生々しい海外就職情報や、電子書籍の売り上げ実数などをじゃんじゃん公開します! また、セミナーやインタビューの動画、音声も公開! セミナーの無料ご招待もありありです! さらに、海外に住む会員からのマル秘現地情報も!

あわせて読みたい

「セカ就」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    配達が無言 ヤマトAmazon撤退で

    山本直人

  2. 2

    覚悟ない子連れ議員にがっかり

    宮崎タケシ

  3. 3

    国民を馬鹿にした昭恵夫人の一言

    天木直人

  4. 4

    慰安婦の日制定で日韓合意は破綻

    木走正水(きばしりまさみず)

  5. 5

    事故物件の住人が明かす恐怖体験

    AbemaTIMES

  6. 6

    詩織氏に届いた女性からの非難

    女性自身

  7. 7

    乳児連れ議会への批判はおかしい

    駒崎弘樹

  8. 8

    レコ大も紅白も1年間休止すべき

    メディアゴン

  9. 9

    「選挙の鬼」支える「普通の人」

    畠山理仁

  10. 10

    北ミサイルがもし東京に着弾なら

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。