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【異論アリ!】滝川クリステルが日本の「おもてなし」をPRしたと聞いて

滝川クリステルが「お・も・て・な・し」などとプレゼンした五輪スピーチが話題となっておりますが、その2日ほど前に「日本人のホスピタリティ神話なんて幻想」という投稿をした私としては、どうリアクションすれば良いでしょうか。

「日本人のホスピタリティの高さ」なぞというモノは幻想でしかない
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8042957.html

島国かつ農耕民族からスタートした我々日本人は、伝統的に「同質的な社会」好む傾向があるのは、皆さんもご存知のとおり。定住型のライフスタイルであるが故に地域ごとに「ムラ」を形成し、外部からの来訪者に対しては高い警戒心を持って望む。また、ムラ内部での同調圧力(同質化を強要する圧力)も非常に強く、一旦、異質性を感じるとムラ全体でそれを糾弾し、異質物の排除を試みる。そこには、異なる文化や意見を持つ者に対する「寛容さ」や「共生の精神」はあまりない。[...]


まぁ、クリステルがどんなに両手を合わせて祈ろうとも、残念ながら世界観光競争力ランキングにおける「日本人の外国人に対する姿勢」がそれ程高く評価されていないのは前回の投稿でもご紹介したとおり。日本が評価されているのは、国民のおもてなし精神というよりは、事業者の顧客至上主義です。詳しくは上記のリンク先を参照。

海外生活を長くしていたり、長期の旅行をした事がある人は体感していると思いますが、アイツ等のホスピタリティ精神というか「人懐っこさ」というのは日本人よりも何倍も上でありまして、飲み屋でたまたま隣に座った外国人に「何だお前は?観光客か。コッチ来て一緒に酒呑め」から始まって、「お前面白い奴だな、ウチのワイフを紹介するから泊まってけ。何だ遠慮するなよ、日本人の『ウサギ小屋』と違ってウチには空き部屋が沢山あるんだ」という会話に発展するまでそう時間はかからない。その様な急なお誘いに慣れて居ない我々としては、財布とケツの穴を心配せざるを得ないのがタマに傷ではありますが、彼等のホスピタリティ精神というか、異質なる者に対する興味深々なるスタンスは留まる所を知りません。

一方で、日本人といえば「根」は悪い奴らでは無いのですが、とにかく「得体の知れないモノ」に対する警戒心が強く、観光振興政策の現場では「観光振興なんて、ワケの判らん人間が溢れて治安が悪くなるだけ」などと、観光振興政策そのものを疑問視する意見もしばしば聞かれます。今回のオリンピック誘致に関しても、そういう地域の保守的な反対論が根強く存在していたわけで、これらが政策実行上の障害となるのが常なのです。

日本人ももう少し「異質な者」に対する寛容さと、共生の精神を高く持ちましょうね、嫌がおうにも2020年には外国人が沢山日本に来るのだからさ…というのが前回の投稿の趣旨であります。

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まぁ、クリステルはあくまで五輪誘致のためのアピールをしていただけであって、別に彼女自身が何をどのように語ろうとも問題はない(というか寧ろよく頑張った)ワケですが、一方でオリンピックの開催される2020年までに我が国の外国人受け入れ態勢を作るにあたっては、世界から日本という国がどのように評価されているのか?という客観的な評価を知ることが重要です。

前回ご紹介したWorld Economic Forumの「The Travel & Tourism Competitiveness Report」と呼ばれる観光競争力ランキングは、そのような客観分析のためのツールとしては非常に「使える」資料であるのですが、例えば日本が相対的に世界の国々より優れていると評価を受ける観光項目は以下の通りとなります。

二国間航空協定 10位
交通の安全性 7位
清潔さ 1位
飲料水の安全性 1位
病院の数(対人口比) 1位
観光統計の速報度 7位
国内航空の量 4位
国際航空の量 7位
鉄道の質 2位
道路交通網の質 6位
道路交通網の量 7位
B to BでのICT利用 7位
B to CでのICT利用 7位
個人インターネット利用率 7位
モバイルブロードバンドの契約量(人口比) 3位
初期教育の通学率 2位
従業員の教育度 5位
平均寿命 1位
事業者の顧客主義の程度 1位
世界遺産の数 7位
国際会議、展示会の数 9位

本ランキングは、「観光事業者のビジネスの始めやすさ」を測る項目も入っているので、一見、観光に関係ないように見える項目も含まれて居ますが、基本は「健康」「清潔」に関連する項目と、交通インフラ、情報インフラに強い国であるというのが日本の評価といえるでしょうか。

一方で、世界の国々と比較して非常に評価が低く、調査対象となった140カ国中で100位以下にランク付けられている項目はというと…

温室効果ガス排出量(人口比) 115位
絶滅危惧種 130位
空港税と燃油サーチャージ 113位
購買力平価 134位
税率およびその影響 109位
雇用/解雇コスト 130位
外国人労働者の解雇の容易さ 118位
観光産業の開放度(対GDP) 137位
アフタービジネスのレジャー観光の充実 125位

といった具合。物価など観光政策としては対処のしようがない項目もありますが、一方で一見して「それはアカンやろ」と判る項目も。。

例えば、世界的に評価が高い項目として「国際会議、展示会の数」が世界9位に入っているのですが、一方で「アフタービジネスのレジャー観光の充実」という項目が125位と世界でも最低レベルにランクされています。すなわち、会議や展示会は沢山開催されているが、その為に日本に来訪するビジネスマンが業務後に遊びに行くところがないということ。そこには、完全に「機会損失」が発生しているワケです。

私が、常々主張しているカジノ合法化や日本の風俗営業の深夜営業規制緩和などは、すべからくこのような日本が不得意な分野の成長を即すためのものであるわけですが、その辺りは今回の投稿の趣旨から外れますので控えます。今回の投稿で言いたいのは、己に自信を持つ事は大切だけど、一方で外から我々がどのように評価を為されているかも考慮に入れた上で2020年の東京オリンピック開催に向けて頑張って行きましょう、ということであります。

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