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もんじゅ君の「ズバリ聞きますだよ!」第4回 - 【前編】じぇじぇ!大友さん、『あまちゃん』は2011年夏の福島から始まっていた、ってどういう意味ですか?

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【前編】じぇじぇ!大友さん、『あまちゃん』は2011年夏の福島から始まっていた、ってどういう意味ですか?

福島第一原発事故にショックを受けて、2011年5月、突如ツイッター上に現れたもんじゅ君。福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅの「非公式」ゆるキャラながら、フォロワー数は10万人超、エネルギー問題を解説した著書も3冊あるなど、幅広い支持を得ている「炉」のキャラクターです。

このもんじゅ君が、各界の著名人にエネルギー問題についての考えや東日本大震災以降の活動について聞く、シリーズインタビュー。

第4回のゲストは、いま話題のNHK朝ドラ『あまちゃん』で音楽を手がけるミュージシャン・大友良英さん。福島県出身の大友さんは、震災直後の2011年夏から毎年、福島でイベント『プロジェクトFUKUSHIMA!』を開催し、芸術選奨文部科学大臣賞も受賞。 8月15日の『フェスティバルFUKUSHIMA!』を目前にして、『あまちゃん』の音楽をつくりあげた裏話や、じつはそれが大友さんにとっての「福島」と深く結びついているというお話を伺いました。

 ゲスト:大友良英(音楽家)
 インタビュー・構成:もんじゅ君(高速増殖炉)


『あまちゃん』ヒットしてるけど、劇伴の仕事が来ないんだよね(苦笑)


もんじゅ:『あまちゃん』、大ヒットしていますよね。いま、すごくお忙しいんじゃないですか?

大友:そうだね。これまでは断る仕事よりも受ける仕事のほうが多かったんだけど、いまは断ることのほうが多くなっちゃってる。取材も受けたくても残念ながらお断りしちゃっているのが多いんです。

もんじゅ:雑誌なんかでもほんとによく取り上げられていますもんね。ふだん朝ドラを観ない人たちが観てる。NHKのドラマなのに、民放でも『あまちゃん』の特集をしていますよね。

大友:うん、すごいよね。「えー、民放でもやっちゃうんだ!」って思う。俺にまで民放のバラエティ番組なんかからもお誘いがくるんだもん。お笑いの人と一緒にしゃべる自信もないし、俺がそこに出る意味もよくわかんないから、それはさすがにね……(笑)。

もんじゅ:劇伴(*映画やドラマで流れる伴奏音楽)のお仕事のオファーも増えてるんじゃないですか?

大友:それが、『あまちゃん』以降1本もきてないの。

もんじゅ:えっ。それは意外です。オファーが殺到して、大友さんがノイズミュージシャンじゃなくて、劇伴作家になってしまう!って思ってたんですけど(*大友良英さんは本来はノイズミュージシャンとして知られる)。

大友:もんじゅ君、ちょっと待って。いままでも俺、劇伴作家でしたよ(笑)。

もんじゅ:そうですよね(笑)、これまで映画やドラマなど、たくさんお仕事されています。

大友:それが『あまちゃん』以降、ほんとに1本もきてないんですよ。もしかして「いままでみたいにやってくれなさそう」とか思われちゃってるのかなぁ……?

もんじゅ:ふしぎですね。

大友:うん。バラエティ番組はいいから、ちゃんとこれからも劇伴のお仕事をいただいて、きちんとやっていきたいですね。これ、ちゃんと書いといてください(笑)。

すくなくともひとりの人には幸せを届けられたかな、って思う


もんじゅ:『あまちゃん』の曲は明るいですよね。もちろん、ほんとうにさまざまな曲調のものが入っていますけれど、基本的にはすごく明るい。
 大友さんがこれまで手がけられてきたお仕事って、しっとりしている曲が多い印象なんです。映画でもテーマが社会派っぽいものが多かったり、ちょっと『あまちゃん』の明るいトーンは意外といえば意外で。

大友:そうだね。これまでは俺が手がけてきた作品って、シリアスなものが多かったんですよ。でも、じつは俺がずっとやりたかったのは、コメディとか時代劇とかアクションものなんです。ただ、そういうオファーがあまりなかったんだよね。だから今回、『あまちゃん』っていうコメディ作品に携わることができて、ほんとうにうれしいですよ。

もんじゅ:普段ドラマを観ていても、なかなか「音楽がいいね」って話は出ないと思うんです。「あの役者さんがいいね」「脚本がいいね」っていうのは話されますけど。それが『あまちゃん』ではみんな「オープニング曲にすごく元気をもらう」って話してますよね。歌のついていない曲に対して、なかなかそんな声って出てこないと思うんですけども。

大友:うん。いつだったか、「鬱だったうちの母が、あの曲を聴いて外に出られるようになった」っていわれたんです。それを聞いて、すくなくともたったひとりに対して、幸せを届けることができたのかなって。

お茶の間に半年流れるものだから、味噌汁みたいな音楽にしたかった


もんじゅ:4月の放送開始前から、大友さんはすごく楽しそうに『あまちゃん』のお仕事をされていましたよね。オープニング曲をつくられたときも、「みんながお茶の間で半年間聴きつづけるものだから、味噌汁のような存在にしたいんだ。だから、あえて歌も入れないことにした」とおっしゃっていましたけど、ほんとうにその狙いどおり、というかそれ以上の反響です。

大友:うん。「自分だったらどう感じるだろう?」って考えてみたのね。半年間、毎日おんなじ音楽を聴くって、どんなに好きな音楽でもそうそうありえないでしょ。だから、あの1分30秒になにを込めるのか、ものすごく考え抜いたんだよね。

もんじゅ:あのオープニング曲は昭和っぽさ、なんというか吉本新喜劇のような感じもありつつ、軸はスカ(*1950年代にジャマイカで発祥した、ジャズの影響をうけたポップミュージック)ですよね。それがあの朝ドラの枠で流れてくるのが、ちょっと意外な感じもしました。

大友:もちろん、昭和の音楽にスカのリズムはないんだよね。そしてスカでありつつ「チンドン」のリズムも入っていて、けっして本物のスカではない。そういう意味で、いましかできないミクスチャーミュージックという面もあるかなって思ってます。昭和っぽさもあれば、いまっぽさもあって、いろんな人の記憶を刺激するようにはつくったんです。

もんじゅ:若い人にとっても、年配の方にとっても、どこか自分に響く要素が入っていますよね。

大友:そうそう。それをあの短い90秒の中に、イントロ、Aメロ、Bメロ、Cメロ、イントロ……と、なるべくいっぱい入れようと思ってつくったの。

もんじゅ:さらに月曜日の放送ではロングバージョンだから、転調も楽しめる。

大友:そう。あの転調のところはちょっとロックでしょ。

もんじゅ:かっこいい感じが入りますよね。

大友:あの転調を思いついたときに「よし! これだ」って思っちゃいました。月曜だけ転調するぞ、と。

音楽劇の要素があるから、ネタバレ防止であえて曲のクレジットは入れてない


もんじゅ:あの音楽を聴きながら「きょうは誰が出るんだろう?」って観るのが楽しみなんです。「あ、きょうは安部ちゃん(*片桐はいりさん演じる登場人物)が出るんだ」とか。

大友:えっ? あっ、そっか。オープニングタイトルのクレジットで誰が出るのか、さきにバレちゃいますよね。

もんじゅ:そうなんですよ、あとははじめての登場人物が出てくると「誰だこれ?」となったり。

大友:そうだよねぇ。『潮騒のメモリー』(*劇中に登場する架空の80年代ヒット曲)が最初に流れるときに、オープニングのクレジットでその日の音楽を紹介するかどうか訊かれたのね。作曲者が俺ひとりじゃなくてSachiko Mとの共作だし、クレジット出したほうが、って。でも、それをやっちゃうとネタバレになるから、曲に関してはいっさいやらないでいいってことにした。

もんじゅ:なるほど。劇中歌ではあるけれど、それぞれの曲がおおきな意味をもっていますよね。音楽劇みたいなところがあるから、わからないことがあるほうが、かえって楽しい。

大友:うん。ほんと、音楽劇だよね。それだけにネタバレしないようにがんばりました(笑)。

もんじゅ:6月までの北三陸編では『潮騒のメモリー(劇中に登場する80年代のヒット曲)』が印象的でしたし、東京編になってからも『暦の上ではディセンバー(劇中に登場する架空のアイドルグループの楽曲)』が出てきて。まるでほんとうに存在している曲のような気がしてきますね。

大友:もしかして、ほんとに錯覚してる人もいるかもしれない。当時、『潮騒のメモリー』って曲が流行ってたって。そう感じてくれればいいなと思ってつくっているんだけどね。

もんじゅ:架空のものだけれど、80年代や2008~09年の雰囲気が自然と思い出される曲ですよね。そのころの空気感があるというか。

大友:そこはこだわったもんねぇ。一番こだわったの。

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