記事

発展途上国を自己満足のために利用する人たち

 前に書いたような理由で(「神様」ではない「悪い客」にキレるのは有りか?)、本気で一週間は更新ができないかと思っておりましたが、たまたまネット接続ができる環境にいるので、この機会を利用して更新させてもらいます。ただ、明日以降はおそらくしばらく更新ができないと思いますので、ご了承願います。

 『J-castニュース』が「『セカ就』するのって、どんな人? 『海外リア充』 の若者の場合」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 若者が海外に関心を持っているかどうかについて、「実際は二極化していて」いると指摘し、「社会人になってもパスポートを持っていない人から、学生時代に休学して海外でマングローブを植林したり現地で小学校をつくる手伝いをする人まで、千差万別」としています。

 そして、後者の「海外で現地の人たちと共に活動し」た人にとって、「その国とその時間は、一生忘れることのできないかけがえのない思い出になり」、「その思い出を胸に日本で就活し、日本企業に就職すると、思いもよらなかった世界が待ってい」るそうです。

 具体的には「理不尽で非効率なルール。馬鹿げた顧客からの要求。狂ったような長時間労働。 エントリーシートを手書きで求められ、消えるボールペンで書くと怒られるような就活の時から薄々感じていた、『苦労することが善』のようなしょうもない価値観」などなど。

 そこで、かつて再び、海外に目が向くわけですが、「彼のような人が『セカ就』(世界就職)しても、必ずしも理想とする働き方に巡り会えるとは限」らないとしております。

 逆に「再び「こんなはずじゃなかった」と思う可能性の方が高い」ともしています。実際、「『セカ就』する場合、日系企業に就職する場合が多いので、日本国内と同様の理不尽なルールの下で仕事をする可能性が」高いこと。

 他には、以前は「一方的にモノやお金を提供するボランティアは利害関係がないため、喜ばれることの方が圧倒的に多い」わけですが、営利企業で働くとなると、「一方的にモノをくれる人には天使のような笑顔で振る舞う人たちも、めんどうなことを押しつける人たちに対しては、拒否したり誤魔化したり、逆ギレしたりしてくる」としております。

 そして、「『こんなはずじゃなかった』と思う人は多い」わけですが、こうしたギャップはどこでも生じるので、「最初のギャップに驚いてすぐに路線変更をするのではなく、冷静になって自分は何をすべきか、どうすれば同僚やお客様に喜ばれるのかを考えて調整すること」が大事だとしております。


2 理想と現実

 これはある意味すごくよくわかる話です。日本のよくわからない「苦労」を良しとする価値観の考え方にも同意しますが(「自然分娩」と努力至上主義)、私の専攻は国際政治だったので、結構こうした海外にある種の「憧れ」を持っている人との付き合いは多く、見ていていろいろ思うところがあります。

 ただ、別にこれは海外に限った話ではなく、国内でボランティアをする方にもあてはまる話で、無償で誰かのために何かをして感謝されるとそれだけで舞い上がってしまう方がいるという事案は国内外を問わない話かと思っています。

 普段普通に生活していれば、誰かに認めてもらえる機会などはそれほど多くないわけですが、こうした活動を行えば、ある意味非日常的な体験をすることでき、それが快楽のようになってしまう方を何人か見かけたことがあります。

 念のため補足しておくと、私はこうしたボランティア活動を否定しているわけではなく、どこまで意識しているかは別にして、相手を心のどこかで見下し、そうして「可愛そう」な人たちを助けてあげる「自分」というものに陶酔するというのは、如何なものかと思っているに過ぎません(ある韓国人の中韓友好活動)。

 どうしても国内だとある程度想定できてしまいますが、海外だとこれまで自分が思いもしなかったような方法で、人々が生活していることもあれば、貨幣価値の違いから少しの援助が現地では大きな意味を持つこともあります。

 そうすると、「日本人」というだけで特別扱いされる経験をすることもあり、思いっきり勘違いをする方が出てきても何の不思議もありません。


3 相手に対する批判

 ただ、彼らは「金を持ってきてくれる日本人」に感謝しているわけで、特定の活動を行った○○さんに感謝しているわけではないのですが、舞い上がっている「若者」にこれに気付けというにはかなり難しいものがあるかと考えます。

 そういう意味で私はJICAの行っている「青年海外協力隊」にも批判的です(丹羽大使の南京市訪問)。現地では彼らに感謝しているのではなく、どちらかというと彼らを通して申請される「計画」に伴って現地にやってくる金や資材に感謝することもあるのではないかと本気で思っております。

 発展途上国で暮らしていると、先進国(日本)で生まれたありがたみというものを、多かれ少なかれ体感することとなります(現実には重さが異なる命と平等に来る死)。

 そうした中で、「自己満足」を感じるために発展途上国を利用する方がいるとしても、個人的には先に述べたようにいろいろ思うところはありますが、それはその人の自由なので、私は間違ってもその人たちに直接批判することはありません。

 また、自己満足のためとは言え、海外ボランティアをやらないよりはやった方が良いという思いもあるので、そういう意味でも内心いろいろおもうところはありますが、基本的に心の中でそう思って一般論としてブログで意見を述べさせてもらうだけに止めております(性的マイノリティへの偏見や差別をなくすにはどうしたらよいか)。

あわせて読みたい

「セカ就」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ひろゆき氏 高齢化は可視化する

    西村博之/ひろゆき

  2. 2

    日本の旅館が外国人にウケない訳

    内藤忍

  3. 3

    安倍首相を支える産経の無料記事

    舛添要一

  4. 4

    ヒカキンが寄付呼びかけ16万人増

    MAG2 NEWS

  5. 5

    小泉・小沢が組んでも影響力ない

    早川忠孝

  6. 6

    習主席の権力に異変 崩壊始まる?

    ヒロ

  7. 7

    鳥貴族が大苦戦 値上げで客離れ

    MONEY VOICE

  8. 8

    オウムがつけ込んだ日本教育の穴

    原田よしあき

  9. 9

    金持ちが駆使する相続税の抜け穴

    MAG2 NEWS

  10. 10

    プライムデー Amazon製品半額も

    後藤文俊

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。