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民主党は今日以降“どんな道”を辿るのだろうか

いよいよ参院選の投開票が始まった。マスコミの世論調査は、いずれも自民党の圧勝を予想している。3年3か月に及ぶ民主党政権が終焉を迎えて7か月余り。“アベノミクス”を掲げた安倍政権が「もっと景気を回復させるのではないか」という期待感が支持の拡大を呼んでいるようだ。

6月26日の国会最終日、民主党ら野党が参院本会議で電力会社の発電と送電部門を分社化する「発送電の分離」などを盛り込んだ電気事業法や生活保護法の改正案を含め、重要法案を軒並み廃案にして安倍首相の問責決議を可決した段階で、この選挙は「ねじれ国会の解消」が最大の争点になった。

「ねじれ国会の解消」が争点になったということは、「解消」にイエスかノーか、ということである。野党にとっては、実に愚かな選択だった。電気事業法は、民主党が今国会で成立させることで合意し、衆院から参院に送られてきた法案であり、ほかにも日本版NSC(国家安全保障会議)を創設するための法案なども、相次いで潰れてしまった。

私は、以前のブログにも書いたが、今の選挙は「レッテル選挙」だと思っている。より簡潔に、よりわかりやすく、よりアピール度の強い「争点」を打ち出せた側が選挙に勝つのである。

2005年の総選挙では、「郵政民営化」にイエスかノーか、また2009年の総選挙では、「政権交代」にイエスかノーかが問われ、それぞれ片方が一方的に勝利したことを考えればわかりやすい。

争点はほかにもあったのだが、「郵政民営化」、あるいは「政権交代」というレッテルを貼ることに成功した側が圧倒的勝利を得たのである。

私は今回の参院選を見て、憲法改正問題がどのくらい争点になるかを注目していた。なぜなら、世論調査を見ても、憲法改正には、たとえば朝日新聞が「賛成38%反対54%」(5月時点)、読売新聞は「賛成51%反対31%」(3月時点)など、国民が迷いを持っていることを示す拮抗(きっこう)した数字が現われていたからだ。

しかし、国会最終日の安倍首相への問責決議可決、そして重要法案の廃案という野党の戦略がこれを吹き飛ばし、「ねじれ国会の解消」こそが最大の争点であることに、自らしてしまったのである。「原発」「TPP」も争点にはなっているものの、「ねじれ国会の解消」という大争点には、まったくかなわない。

昨夜、私は話題の秋葉原の安倍首相の“最後の訴え”を聴きに行ってきた。聴衆の熱気がどのくらいのものか、この目で見てみたかったからである。しかし、盛り上がってはいたものの、昨年の総選挙の時に比べれば熱気は低かった。

それは、勝敗が「あまりに明らか」だからだろう。選挙に行こうが行くまいが、もはや自民党の圧勝はわかっている。民主党に政権担当能力がなかったことは、国民の多くが知っており、国会最終日に民主党が見せた愚かな「選択」でもわかるように、国民は2度とこの党を政権につかせはしないだろう。

国民の生命と財産、そして領土を守るという国家の最大使命すらわかっていない政党であったことを、国民は3年3か月の民主党政権時代に嫌というほど「学んだ」からである。国会最終日に民主党がとった愚かな戦略は、日本が災害も含めて“有事”になった時、ここにだけは自分たちの身を委ねてはいけないことを改めて教えてくれたのである。

私は、今日の選挙でさらに大きな打撃を受けるだろうこの政党が、今後、どんな道を歩むのか、その方が興味深い。2009年の総選挙の比例で民主党が獲得した票は、「2984万票」である。昨年12月の総選挙では「962万票」となり、たった3年で実に「3分の2」が泡のごとく消えた。

選挙とは残酷なものだと思う。昨夜、党首の奮戦ぶりを捉えた番組をNHKでやっていたが、海江田万里・民主党代表がいくらアベノミクスの批判をおこなおうが、ほとんど共感を呼んでいないように映った。

自らこの参院選の最大争点を「ねじれ国会の解消」という非常にわかりやすいものにしてしまい、憲法改正問題という国民が「迷っている」問題へのアピールを消してしまった戦略には、なんとも言うべき言葉を持たない。

民主党には、中国に利する尖閣発言をおこなう元代表もいれば、選挙戦の最中に安倍首相を名誉毀損で提訴する元代表もいる。政治家が国会の論戦での決着を目指すのではなく、司法の世界に「問題を持ち込む」という考えられないパフォーマンスに国民は二の句が告げないのではないか。

果たして民主党は、今後、どんな末路を辿るのだろうか。私は6月26日のブログに「民主党は参院選後“存在”できるのか」と書かせてもらった。国民を失望させ、求心力も消えた政党がどんな四分五裂を見せるのか、それが気にかかったからだ。

衆議院と参議院の差はあるとはいえ、4年前に史上最多の「2984万票」を集めた政党は、どこまで坂道を転がり落ちるのだろうか。これから民主党が辿る道は、有権者の怖さと怒りを見せつけるという意味で、日本の政界でこれまで見たことがないような「残酷なもの」になるような気がする。

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