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放送の中立性

[放送の中立性]

 最近、テレビ放送の中立性についてメールなどでご意見をいただくことが多くなりました。

 放送法は4条で、事業者の番組編集につき、「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を義務として定めています。

 放送は、有限の電波を用いて行われる公共性のある事業であり、その影響も大きいことから、一定の認定を受けた事業者が免許を得て行うものです。中立性・真実性の要請は当然のものと考えます。

 一方で、事業者には憲法21条に保障された表現の自由があり、放送法3条も放送番組編成の自由を明記しています。
 特に、放送は時の権力の影響を受けがちであり、それがもたらしてきた幾多の悲劇から、権力を持つ者が放送内容に口を出すことは、たとえそれが放送法4条に反するのでないかとの疑念を持つことによるものだったとしても、慎まなければいけないというのが現在の法体系なのです。

 私は放送担当の総務副大臣です。色々個別の放送に思うところはありますが、上記の原則は守らなければいけません。

 無論放送行政を所管している以上、放送事業者に対して一切権限が行使できないわけではありません。例えばNHKについては、受信料の基準は総務大臣の認可が必要ですし、業務報告についての意見表明も総務大臣が行います。ただしこれらは事業展開や不祥事に関するものが主となり、放送内容に関わるものとは言えません。ちなみに私は今年の総務大臣意見につき、わが国の国益の尊重という趣旨を盛り込むように強硬に主張し、結果として「我が国の公共放送としての位置付けを踏まえ」という文言の挿入が実現しました。

 もっとも、NHKの予算について国会衆参の総務委員会で質疑が行われ、その中で出席議員から、NHKの政治姿勢や番組に関する質問が行われることがあります。ただこの場合の答弁は出席しているNHK会長が行います。
 ちなみに党の総務部会で、このNHK予算に関する承認を行う際、番組に関する疑問が出席議員方から出されることがあります。この場合はそれに対する局側の答弁が不充分な時は、部会長が答弁の補充を指示しない時、私から促すこともしています。ここまで私が踏み込むのは、党の部会は国会の委員会と違って議事録が残らず、公の批判にさらされることがないからです。

 過去に総務大臣や有力政治家が番組内容にクレームをつけたこともありますが、まず間違いなくスキャンダルとなっています。

 「では偏った番組内容を是正するにはどうすればいいのか」という疑問が当然出てきます。放送法は6条で、各事業者が学識経験者からなる放送番組審議機関を設置しなければならないと定めています。

 特にNHKに関しては81条で、細かい番組についての準則を定めたうえで、82条でこれに沿ってチェックする放送番組審議会を、中央・地方・国際それぞれの放送に関して設置することとなっており、中央・国際各審議会委員の人選は、NHK経営委員会の同意を得てNHK会長が委嘱することとなっています。
 この審議委員個々人について総務副大臣が監督するような仕組みには当然のことながらなっていません。

 ちなみにこの同意をするNHKの経営委員会の委員については、両議院の同意を得たうえで内閣総理大臣が任命することとなっています。このリストは私たち総務省で作りますが、任期がありますので先日は一部の方々を更新するにとどまりました。

 こうした体制で充分なのかは疑問もあるところでしょう。ちなみに業界自主機関としてBPO(放送倫理・番組向上機構)が設置され、放送倫理検証委員会や放送と人権等権利に関する委員会などがありますが、わが党の佐藤勉元総務大臣が指摘されたとおり、業界で設けた組織であってお手盛りにならないかとの懸念があります。

 事業者には視聴者の意見に耳を傾けてもらうことが必要だと考えています。例えばNHKは視聴者から寄せられる意見・要望について、どう対応したかを1か月ごとに集約して経営委員会に報告するとともに、NHKの各部署で情報を共有し、業務改善に役立てることとなっています。また、その状況はHPにアップされています。これを是非しっかり活用して欲しいと思います。

 今後、場合によっては放送法の改正も含め、議論がなされることがあり得ます。私の立場で今何ができるのかを真剣に検討して参ります。

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