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良いことは良いと評価するネット文化を ~One Voice Campaignスタッフがネット選挙運動解禁に思う事~

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若者の政治に対する声をNo VoiceからOne Voiceに。その一手段として、今や世の中の情報を得るのに必要不可欠となったインターネットを、政治における選挙運動の場でも使えるようにしようと昨年5月に立ちあがった「One Voice Campaign」。これまで議員会館でのシンポジウムやネットを通じたキャンペーン等、さまざまなアプローチを行ってきたが、今年4月に公職選挙法の改正法案が成立し、この夏の参議院選挙からいよいよ解禁となることを受け、同団体の活動としては一旦終了すると言う。

若者自らが立ち上がり、国に対して声を上げるチャレンジの中で、解禁へのプロセスはどう見え、何を感じたのか?One Voice Campaign発起人で、編集者・ジャーナリストの江口晋太朗さん、若者と政治をつなぐ接点を作るNPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんに活動を振り返ってもらった。(BLOGOS編集部:濱田敦子)

写真:濱田敦子
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解禁の一押しに足りなかったのは、若いパワー


― いよいよ7月に予定されている参議院選挙から、ネット選挙運動が解禁となります。One Voice Campaignとして約1年間、解禁を目指して活動してきたわけですが、率直に法案の成立に対してどんな感想をもっていますか?

原田:One Voice Campaignはもともと「次の衆議院選挙から解禁させよう」として、昨年の5月に立ちあがったものだったので、「ようやくか」という思いはあります。でも、活動する中で徐々に状況が動き始め、特に政権交代後は、与野党共にスピード感を持って推し進めてもらい、目指していた次の国政選挙(参議院選挙)に間に合ったので、そこには活動の成果を感じました。

江口:解禁に関しては、“時代の要請”という部分も大きかったと思うんです。立ち上げ当初は、「ネット選挙運動」という言葉自体がニュースになることもほとんどありませんでしたし、ソーシャルメディア上で騒がれることすらなかった状況でした。問題に対する声があがっていなかったところからのスタートでしたが、One Voice Campaignのサイトの立ち上げやイベントによって、徐々に世の中の認知が広まり、ネット選挙への意識が高まっていったという点において、活動の意味を感じています。

これまで、インターネットを政治の世界で使えるようにしようという動きは10年ほど前から諸先輩方が取り組んできたわけですが、なかなか話題になるレベルまで到達しなかったんです。その最後の、ほんのひと押しを僕らが盛り上げたという感じですね。

原田:90年代から活動してきた政治家や、NPOなどの民間団体もたくさんいて、僕らが声をあげていく中で、そういった過去からの活動の後押しを感じることがたくさんありました。例えば、党内でずっと孤独な戦いをしてきた議員の皆さんがコツコツと取り組んで、問題点は既に整理がなされている状態でしたし、社会学者の宮台真司さんなど、この問題に初期のころから取り組んできた方々のサポートも大きかった。

江口:これまで足りなかったのは、若い人のパワー。今回はその「若い人たちから声が出た」と言う事が、象徴的だったと思います。

仕組みのせいで不自由や不公平を生むのは疑問


― 解禁の内容については、どういう感想をもっていますか?

原田:いわゆるメールについて、有権者の使用が制限されることになりましたが、内容よりもまず言いたいのは、それが話し合われるとき「有権者=第三者」という言葉が使われていること。

江口:有権者のための選挙なのに、その有権者が第三者とされ、政治家が主として語られるのはおかしいですよ。

原田:内容については、Facebookメッセージなどは「ウェブサイトの利用」と判断されるとのことで使えますし、有権者の活動自体が、メールが使えないことで大きく制限されるとはあまり考えていません。更に言えば、もし送ってしまったからと言って、それで逮捕者が続出するという状況も考えにくいと思います。ただ、候補者や政党はOKで、“有権者だけができない”ことがあるという点で、目指していたものからズレてしまったという思いはあります。

それから、選挙運動のための有料バナー広告が、結局は政党だけに許されることになってしまったことも、政党に所属しているか、無所属かで候補者の間で差が生じる例が1つ増えてしまったという点に関して残念に思っています。ただでさえ、無所属だとできることが限られているのに、ここでまた垣根が出来てしまった。

江口:公職選挙法は、本来は候補者の「格差」をなくし平等に選挙をするためのもののはずが、仕組みのせいで不自由や不公平を生んでいるということがおかしいですよね。メールにしても有料バナー広告にしても、法案を通すための落とし所としては仕方なかったのだろうとは思っていますが、今回の改正案が完璧だとは思っていません。

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